女子ゴルフの全米女子オープンの最終日が悪天候で月曜に順延された。日本の渋野日向子選手が現在1位で最終日を迎えることになる。昨年の全英女子オープンでの優勝で一躍注目されたが、今年は不調の中で良い成績を残せていない。打ち方を変えたとかいう話も聞いたが、実際がどうなのか詳しいことはよく知らない。しかし、一年の終わりの総決算ともいえる大会でここまで良い結果を出せているという事は、今年の挑戦が実を結びつつあるということなのだろうと推測する。
ここまでくれば、昨年の全英オープン優勝に続いて、是非もう一つのメジャー大会での優勝を勝ち取って欲しい。全英女子オープンに続いての優勝が成るかどうか、ということになるので周囲の注目も格段に増し、最終日はかなりのプレッシャーが掛かることだろう。昨年のスマイル・シンデレラは、不調の中でもずっと笑顔でいることを心掛けていたように感じる。その成果を、プレッシャーを楽しみに変える強さをこの大一番で発揮して欲しいと願う。
※ 一夜明けて・・・渋野日向子選手は最終順位4位に終わったようだ。「よく頑張った」と言葉を贈るが、残念でもある。夜中4時近くまで見ていたが、彼女の自信なさげな姿に「渋野らしさ」が見られないままだったから。失敗からのリカバリー成功時には苦笑い的な笑みがあったが、ずっと自分のプレーへのストレスを貯めたままのように感じた。グリーンを狙うショットでバンカーに入れたり、大きく飛び越えたりしても、そこからのアプローチショットはカップから10cmくらいのラインを通過するようなナイスショットでパーをセーブし耐えていたのだが。下からのショットで彼女自身には見えてなかっただろうが、見えないカップをイメージしてあのショットを打てたことが、技術と読みには狂いが出てないことを示していたと思う。
最終順位を見て、優勝者がキム選手だったと知った。中継を切って寝た時は残り6ホールでリーダーはオルソン選手、他を2打差引き離していたので、その後で下に居た韓国勢が追い上げたということ。渋野選手も、一緒に回るオルソン選手が先を行く選手に抜かれる姿を見ていたわけで、自分にはなぜそれが(オルソン選手を抜くことが)できないのかという悔しさがあったろう。最終ホールでロングパットを入れてバーディーを取ったのは、そんな彼女の意地としか思えない。ボギーを覚悟するような場面でのパーセーブのパットにしても、運がよければ?入っていたかもしれないアプローチにしても、実力的に彼女が劣っていたようには思えない。
グリーンに乗せる前の失敗打が、ボールに付いた「泥」のせいか「焦り」のせいかは見ていても分からなかったが、全英優勝の時「壁ドン・パット」を誇りとした渋野選手の、失敗を恐れない清々しさがその表情や仕草に感じられず、中継を見ていられなかった。優勝できたかどうかは別として、「自分はこれで全米を取れるはず」と言う自信を秘めた笑顔で最終日を回って欲しかった、「だって私は、現実にこのゴルフで最終日をリーダーとして廻っている」という楽しさを浮かべて。自分は素人だが、プレーだけを見て優勝した選手と渋野選手に技術の差があるとは思えなかったから。