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「SHOE DOG」と日本商社

2020-12-12 | 日記

ふとチャンネルを変えたBSで、スペシャル番組「ナイキを育てた男たち」を再び流れていた。ナイキ創業者の自伝「SHOE DOG」に登場する、ナイキ創業初期の苦労とそれを支え続けたという日本の商社マンの話である。その頃すでに有名なスポーツシューズの大企業があった中で、自分たちの理想のランナーシューズを作ろうと奮闘し起業した小さな会社「SHOE DOG達」を日本の商社マンが支援し、その商社からの投資を受けてやがて世界的なシューズメーカーに育って行ったという物語。

 これまでずっと、「日本企業や日本のビジネスマンはリスクを取らない」と聞かされてきた。戦後の経済発展の頃にはいろんな会社がリスクを恐れずに将来への投資を行ったのに、一定の経済発展を遂げたその後は日本のビジネスマンがリスク回避ばかりを追い求めた結果、様々な分野で世界の進歩に後れを取ってしまった、という構図ばかりを説明されてきたように思う。

 しかし、まだ上場企業となる前のナイキの発展・成長を見込んで、その発展に投資した日本商社マンが居たことを知った。マイケル・ジョーダンを通じてナイキのシューズが世界に爆発的に流行するよりもずっと前、その小さな会社の将来性を信じてリスクを取り投資し続けた日本人たちがちゃんといたのだと教えられる。「地上の星」に例えるわけではないが、価値あるものは何もないと落胆する時代にも、その「変哲のない砂ばかりと見える中に」それぞれに信念を持って価値ある努力を続けている人々がいたということだ。その人々は、自分の生きてきた同じ時代を生きて来たわけだ。目先のリスクを超えた確かな未来を見つけて進む人々はいつの時代にも確かに居る、ということを知って心が震えた。

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