愚ダメ記、真誤付き、思い津記

日記?趣味?妄想?

医療の人材配置は?

2020-12-03 | 日記

新型コロナ感染の第3波がどこまで高くなるのかが心配だが、医療の逼迫がいよいよ現実味を帯びてきた。感染者の増加が毎週過去最高を記録し続けるということは、まだまだ高いところにピークがあることを意味する。重傷者の増加は感染増加を1週間くらい遅れて追いかけるので、感染がピークを超えた時点でも重傷者はさらに増加することになる。

 さらに、第3波の特徴として、重症患者の死亡率よりも軽症・中等症患者の死亡率が数倍となっている(例えば大阪では約6倍と聞いた)。高齢の患者で軽症・中等症から急に様態悪化した場合、人工呼吸器を付けたりICUに移したりすることを希望しないケースでは、「重症」と記録されないままで亡くなってしまうのだという。つまり、第3波では、重傷者数の増加や重傷者用ベッドの占有率よりも、直接的な「死亡者数の増加」に深刻さが表れているということだ。

 それは、たとえ重傷者ベッド数に余裕があったとしても、軽症・中等症の入院患者の「高齢者割合の増加、様態悪化件数の増加」によって医療現場の「仕事量」は急激に増加し、現在の医療スタッフだけでは限界に達してしまうという可能性を示している。これまでのように「重傷者ベッドの占有率に余裕がある」と言っていては、医療の逼迫を予想できない状況だ。しかし、この状況を既に捉えて対応を考えているという兆候が、政府や行政官からは一向に聞こえてこない。

 それどころか、ある病院では「コロナ専用病院」を選択した結果として、医療スタッフが20人以上も離職したという。もともと感染症や呼吸器疾患などを専門としている医師だけが居た病院ではないのだから、行政が「コロナに特化した病院へ」の転換を要請するなら、当然、そこに居る専門の全く異なる医師を「新型コロナの治療に特化できる医師」に置き換えるためのいろいろな手立てを行政が主導・援助して行うべきだったと考えるが、実情は違ったようだ。結果として、ベッド数は準備したものの医療スタッフの不足により約1/3が使えないという。

 同様の状況はおそらく全国の自治体で起きているのだろうと想像する。政府はベッド数の確保だけを個々の病院に求めるのではなく、適切な医療スタッフの配置に必要な経費を負担し、それをスムーズに進めるための制度設計・条件作りを(本来は5月以降の半年間に)進めるべきではないのか? 未だに「ベッド数を増やすように各病院に要請」とか「ベッド数にまだ余裕が」など、まるで第三者・観察者に過ぎないかのような、直面する危機への具体性を欠く発言が繰り返されるのを聞くと、「おそらく政府は、この第3波への対処を個々の病院と個々の医療者の個人的努力・忍耐に頼るだけで乗り切るつもりじゃないか」と思えてしまう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする