愚ダメ記、真誤付き、思い津記

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一万円

2020-08-27 | 日記

生協の出資金が戻って来た。生協発足の時に出資したことになるが、もう20年くらいも前になるので出資したことも金額も覚えていなかった。多分大した金額じゃないだろうし面倒だとも思ったが、今回手続きをせずとも事務的チェックの要毎にハガキは送られて来るのだろうと思い、出掛けることにした。返還された金額は一万円で思ったより多かった。当時、生協発足にあたって標準的な出資金がそれくらいだったのかと思い出す。

 一万円の返還なら足を運んだ甲斐があったと思いつつ、帰り道に当時と今の価値の違いを考えた。あの頃一万円だった教科書が、今は一万二千円くらい。専門の洋書を選ぶ時も、一万円を超えるかどうかで購入の判断をしていたことを思い出す。文献コピーについても、ひと月に一万円を超えないようにを目安に、部数や文献を選んだことを思い出す。あの頃の一万円は今より少し有り難味があり、一度の出費でそれを超えるには抵抗があった。学生だったこともあるが、今の何倍ものあいだ我が懐に留まってくれたように感じる。その頃は既に聖徳太子から福沢諭吉になっていたが、調べてみると当時の裏面は雉、今のは鳳凰の絵に代わっていた。

 最近の一万円札は随分と懐の滞在時間が短い気がするが、裏面の像が変わっていることに気付かなかったのも無理ないか。これからはもっと一枚ずつをじっくり眺め、別れを惜しんで使わせてもらわねばならない。