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高校野球、甲子園交流戦

2020-08-16 | 日記

高校野球の甲子園交流戦があと1日となった。やはり、夏の暑い日に炎天下で全力を尽くす高校生、それを淡々と表示するスコアボードの数字、試合開始・終了を告げるサイレン、これらが目や耳から入ってくると「ああ、また夏がやって来た」と感じられる。例年のような地方大会からの積み上げや、甲子園での連戦で一試合ずつ上手く強くなっていくという醍醐味は味わえないが、それでも、高校球児たちが日ごろの練習の成果を精一杯出し切るという、その一つ一つのプレーには胸を打つものがある。

 この交流戦はトーナメントではなく、勝っても次の試合は無い。勝っても負けても、この夏の甲子園で抽選で選ばれた相手校と共に味わえる、最初で最後の貴重な一試合である。それが分かっているからこそ、今年の、あるいは高校三年間の野球生活のすべてをぶつけると決めた清々しさが伝わってくるような気がした。母校の大応援団の声援やブラスバンドの演奏も無く、大観衆のどよめきや歓声もない。ときおり響く拍手の応援を背景に、捕球や打球の音がはっきりと伝わってくる。対戦相手や一球一打だけに集中できるのか、心なしか投手や打者の顔つきに落ち着きが見えるような気もする。例年の盛り上がりも高校野球の楽しみ・醍醐味の一つではあるが、今年の交流戦のような大舞台での静かな真剣勝負も捨てがたく味わい深い「夏の高校野球」だったと思う。

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