Sydney Yajima


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出口

2009-08-30 08:11:56 | 世界情勢
「金融正常化、道半ば」 スウェーデン首相、財政赤字拡大を懸念
 【ストックホルム=瀬能繁】スウェーデンのラインフェルト首相は日本経済新聞との会見で、足元の欧州景気について「金融市場には厳しさが残る」と述べ、金融正常化は道半ばとの見方を明らかにした。一方で、景気対策に伴うEU各国の財政赤字の急拡大に危機感を表明。米オバマ政権が来年で景気対策を終えるとしている点を歓迎し、EUも非常時の財政政策を平時に戻す「出口戦略」の準備を急ぐべきだとの見解を示した。

 EU加盟27カ国の4~6月期の実質経済成長率はマイナス0.3%とマイナス幅は前期(2.4%)より縮小、独仏はプラス成長に転じた。だが、ラインフェルト首相は「財政出動で想定より早く好転しているが、一部加盟国の景気は極めて悪く、自律回復というには早すぎる」と語った。(07:00)

日本経済新聞記事より抜粋(参照:http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090830AT2M2803129082009.html)

このラインフェルト首相の言うことは、大変 もっともなことだ。
カンフル剤や点滴は、確かに急病のときには大事なことだが、危険なのは病人がそれに頼り切ってしまい、自立できなくなってしまうことだ。
今の経済回復と言われるものや、日本経済の輸出の陰には 常に世界中の財政出動が作用していることを、忘れていると 大変なことになる。
こういうときに、資金に余裕のある企業の代表であるトヨタなどは、R&Dに回せるので、次世代になると一歩先を歩むことができるが、危ないのは 現代 安い製品で利益率が少ないまま操業を継続して乗り切ろうとしている企業である。またこういう時期に 労組が強く会社の先行きを考えない従業員をたくさん抱えている企業は明日がないだろう。
会社には多くの役割があるけれど、きれいごとを抜きにして大胆に言い切るならば、ゴールの核になるのは 利益だ。利益を上げることを追求し、改善を継続しなければ、会社は投資家に利益還元をするどころか、その従業員の給料さえ支払えなくなる。これは、会社経営者にとって もっとも重要であるはず。
多くのビジネスは、利益率とその回収率をきちんと管理しないで 傾斜していく。これは、ひとつのビジネスケースではなく どんな企業 あるいは街角の小さな商売にいたっても もっとも重要なことではないだろうか?ましてや、国のことになれば、もっとも大事なことになるはずだ。

ビジネスはメンテナンスを常にかけてやらなければ うまく機能しなくなる。また企業内の血流を(コミュニケーション)毛細血管に至るまで、良くしてやらなければ壊死する。このスウェーデンの首相はそのことを十分に考えて発言していることに、私は感心した。

出口戦略という言葉に、それがあふれている。

この危機感は もっともなことで、アメリカも中国も、オーストラリアも、そして日本も、まったくその出口戦略を考えていない。もし、その余裕がない状態で、金融危機から一年以上経っているのに、まだ、霧の中なのだとしたら、この戦後最悪と言われている景気悪化は、まだまだ悪くなるということになる。
日本の非雇用率は5.7%になったが、このままだと、早ければ年内にいきなり数字が跳ね上がる可能性だってある。雪だるまの原理で数字が跳ね上がるので、場合によっては、10%・・・10人に一人だってありうる。それこそアメリカと変わらない数字になるわけで、そうなると、日本の経済の根本から崩れ去る。内需がなく、カンフル剤のなくなった輸出先からの需要もなくなるからだ。

この選挙が終わった後、景気対策は世界との外交を中心に打ち立てていく視点がなければ、国内向けのいい顔だけでは、日本は立ち行かなくなる。外交はストリートファイトを続けるファイターのような強さと、相手の顔色をうかがいながら気をそらさないようにする一流のホステスのような繊細さの両方を常に求められる。

果たして・・・今回の選挙 丁と出るか 半と出るか・・・



勉強するアジア人

2009-08-25 03:05:16 | 世界情勢
今年も中国人出身の学生が、オーストラリアの数学検定でゴールドメダルを取った。例年、中国系かインド系が取る。滅多にオーストラリア人がランク入りすることはない。
中国人の遺伝子が優秀だからだというシドニーモーニングヘラルドの論調が気にかかった。数学とか科学は遺伝によるものだと言う。
理数系にすすむ人は、確かに遺伝的にそんな力を持っているように、学生時代に、思える時期があった。私も高校生のときは間違って理数系に入ってしまった。最初は、張り切って勉強し、何とか数学ⅡBのころは、曲りなりもついていったが、物理Ⅱや数Ⅲが入ってきたころは、完全にちんぷんかんぷんになり、だんだんクラスでも順位が下がり始め、やがて、卒業間近になると、なんとか、赤点だけは逃れる方策を考えつつ、数学や物理のすべての式を丸暗記して、そのまま書いたことを覚えている。なんで、こんな奴を卒業させたのか 今でも謎だが、それでも理数系を卒業した。
クラスには梶尾というとても数学のできる奴がいて、そいつは、全国模試でもトップ10にランク入りするほどだった。
数学の梶尾と呼ばれていたが、なぜか、人は理数系の中で、現国の矢嶋と私を双璧のようにあがめた。しかし私のそれは、全国模試で、ランク入りするほどのものではなく、ようやくどこか隅っこに名前が乗ったことがある程度のものだったから、彼とは、到底比べ物にはならない実力で、実際そう呼ばれるのが、とても気恥ずかしかったのを 30年近く経ったいまでも覚えている。

オーストラリアのトップクラスの生徒が、多くアジア系で占められているということは、いずれ、この国の弁護士、会計士などのプロフェッショナルたちは、彼らが抑えることになるだろう ということを暗示している。

つまり、アジア系の移民たちがこの国の中枢にどんどんと入り込んでいくことが、ほぼ確実になってきているわけだ。

ところで、ご機嫌なギター音楽を見つけた。
というより、以前から知っていたのだが、かつて、気まぐれ飛行船 という それこそ私が高校生のときに、聞いていた深夜番組で、エンディングで”オヤスミ悪い子たち” という 艶っぽい声のジャズシンガーの安田 南という人と、バイクを乗る高校生たちが夢中になって読んだ作家の 片岡義男の二人が話す番組がFMであった。青臭い高校生の私にとって あこがれる大人の世界や、東京という都会への好奇心が 掻きたてられるような番組だった。
そのとき、エンディングで使われていたギターの音楽、題名はONE DIME BLUES で奏者は ETTA BAKER。DIMEというのはアメリカのコインの通称。
ETTA BAKERは、亡くなったけれど、彼女の演奏は素晴らしかった。
日本に音楽が入ってくると、それは日本風にどこか 溶け込んでくるので、違った意味になるけれど、これは多分ミシシッピのスティーム ボートが似合う音楽で、東京とつながる僕の発想はかなり、いかれていたと思うけれど、その当時の僕の精一杯だったんだろう。バイクに乗ると、風になれるなんて 本当に思っていたのは、かなりいかれているのは 間違いない。でも、その小さな二輪の400ccは、僕をどこまでも運んでくれた。今では気恥ずかしくなるほどの 気持ちや思いが、当時ではとても大きく、大問題だった。

今では 息子がそんな年になっている。多分 時代も環境も変わり、今の彼に通じる話はそんなにたくさんは ないかもしれない。きっと、恋をしていたり、それに将来を夢見てときめいていたり そんな彼の様子をじっと見ていても、僕とは違うように見える。
今の彼にとって 僕はどんな父親として映っているんだろう?なんて、考えてみる。

ふと

父親でなく、友達のような存在でいいかな・・・とも思いながら、二度と戻らない時間を共有している。






US カレンシー

2009-08-21 23:51:28 | 世界情勢
US カレンシー

中国が アメリカドルの保有を減らし始めた。現在保有している USドルを 今後 資源株などに変えていくことによって、よりリスクを減らすという方針に決めたわけである。
ただ、そうなると、保有のUSドルの価値が目減りしてしまう。これは日本も共通して抱えている 痛し痒し の状態だ。

仮にUSドルが今の半分の価値になってしまったなら、日本からアメリカの輸出が大幅に減ることはもちろん、オイル価格、ゴールドなどの商品先物価格は単純計算で倍のUSドルを出さなければ買えないことになる。そうなると、せっかく持ち直しかけてきた日本経済は、根本的に揺らぎ、世界同時不況はさらに深刻になる。追い討ちになるのは、失業者の増大である。豪州などの資源国はより安く その資源を売らなければならない圧力を受けて こちらも深刻な問題になる可能性が出てくる。(現在でも、すでに33%安 去年に比べて安く売っており、かなり利益率は落ちている)

中国がUSドルを買い支え続けるという話は、かなり怪しい観測で、そうなるべきだというエコノミストの展望とやらに かかっているが、中国はもっと現実的で、USドルが使える間に(いずれ使い物にならなくなる・・・)さっさと海外の資源を買いあさるだけ買いまくるという方針を立てている。

200兆円にものぼるUSドルの保有を減らすことと、同時にUSドルの価値を維持し続けることは、中国にとって、とても頭の痛い問題なのだ。(参照:http://www.theaustralian.news.com.au/business/story/0,28124,25960122-5017999,00.html )

今後この虎の子の200兆円にのぼるUSドルのリザーブを使って、オーストラリア、アフリカなどへ出かけていき、資源を買い捲ると考えられる。
その態度を 分析するといくつかの点が浮かんでくる。

理にかなう中国の方針という彼らの発言から推測すると、USドルを下げても構わない、輸出に頼らなくても自国の内需で十分に経済は回ると彼らは自信を持っているという点。これがまず第一。
次に、世界のあらゆる資源を自分の傘下におさめるべく、200兆円をいかに有効に使うかというところに、力を注いでいると言う点に 注目すべきだ。例えばオーストラリアならばRIOやBHPなどという大きなところに対しても、それこそ協調性など一切なく、強引に中国のやり方で押してくる。これが、第二点。
さらに、自国で消費をするために多くの事業を同時に行い、国内でバブル経済を起こそうとしているということが、考えられる。特に西区域の開発に力を入れている。西側の中国には多くの民族問題が顕在しており、ウイグルなどの問題に異常に反応するのも、彼らの抱えている問題の深刻さをうかがわせるには十分な証拠である。もし、政府主導の内需拡大がうまく作動しなかった場合、あるいは内紛などがさらに増えて海外メディアから注目され始め、信用問題から 海外から流れ込んできていた資本が引き上げられた場合などを政府は警戒しているはずである。これが、第三点。
すでに、ファイナンシャルタイムズを始め 多くの西側のソースが指摘している中国の発表する数字の信憑性の問題について、より それが不正確である証拠が、今後も次々に出てくるであろうことは、想像に難くなく、そうなると、世界を取引相手としている中国の信用度というソフトの面で大きく問題になるだろう。それは日本に、様々な中国製の農薬問題があったことで不買運動が広がったように、同じ動きがマスコミ主導でいつ、世界に大きく広がるかという、実際には時期の問題だけだというリスクを中国政府は、気がついているはずである。これが第四点。
アメリカや オーストラリアが言い続けている中国の人権問題は、黄色人種への差別問題と微妙に絡まっていると、私は見ている。たとえば、ハリウッド映画に、どのくらいアジア人種が出ているだろうか?ハリウッドでは、白人か黒人、あるいはユダヤ人などは、出ているが、世界の人口の3分の一にあたる黄色人種は、とても少ない。スターも香港映画の出身者はいるが、黄色人種が黄色人種としてのアイデンティティーで、ハリウッド映画の主役として何人ぐらい、セレブとして写真を撮られたり、あるいは、音楽性を認められたりしているだろうか?日本はアニメという実写を離れたところで、様々な映画を配信することに成功しているが、ストーリーが気に入ったら、アメリカでは必ず白人を使ってリメイクをする。ここでも、アジア人種に対する脅威と恐れ、その伸張に対する黄禍論が、どこかで今も脈々と息づいているとみる。実はこれが深い部分で 大きい。なぜなら中国はそんなことはすでに知っていて、逆にその点をより自国の強大な力を見せ付けることによって、相手を屈服させる方法を取っているからだ。日本人をバナナ(外は黄色で中は白)と言っていた時代からは随分経ったが、中国人は白人を差別する。白人を馬鹿にしながらしたたかにチャイナタウンを世界中に何世代もかけて広げてきたその 遠大な計画性には、どんな人種も太刀打ちできない。よくユダヤ人の優秀さが言われるが、彼らだってひとつの狭い空間で何年も過ごすことなど耐えられない。だが、中国人はかならずその狭い空間を自分たちの住むに適した環境に変えていく。この人種 対 人種のリスクが、第五点。

こん中で日本の円が強くなってきている。(参照:http://money.ninemsn.com.au/article.aspx?id=852783 )これは、日本経済がこれから泣き始めることを暗示している。実に中国の賭けによって、日本経済がまともにぶつかる荒波が目の前に展開しているからだ。しかし、200兆円という金額は、それ自体、あまり驚くには当たらないと日本のトップは考えるかもしれない。なぜなら、仮にそれでUSドルが一時的に落ち込んだとしても、いずれ回復できるし、日本がバブル時代に失った1000兆円規模に比べれば全くたいした問題でさえないと、比較することができるからだろう。

確かにその通りかもしれない。だが、私のもっと不安に感じているところは実は別にある。
それは、アメリカのデリバティブの問題が再浮上してくる・・・おそらくAIGあたりから・・・可能性なのである。アメリカの計画は底が浅く いつも目先の成功と 大統領の人気取りに終始している。これはアメリカのカルチャーといっていい事象で、実際に多くのマネージメント リーダーシップの本を読んでも、アメリカのカルチャーとして まったくそのように紹介されている。

特に、オバマ大統領の政策には薄っぺらい計画が多く、例えば、アメリカの小型車への援助が資金が底をついて、11月までの期間であった当初の発表を大幅に縮めるなど、笑えないほどのドタバタぶりである。(参照:http://www.ft.com/cms/s/0/d3a5a7ea-8dd6-11de-93df-00144feabdc0.html )アメリカの経済が、恥じも外聞もなくガタガタに崩れているのは、見ての通りで、ひどいなあ という程度では、表現が足りない。小型車の売れ行きが今後悪くなるなどというのは、分かりきっていて、その上に日本の円高が来ている今、私たちの置かれている環境は、じつに じつに、非常に心もとないもので、今回の日本の選挙で民主党が300議席を獲得しようとも、誰が総理大臣と呼ばれようとも、そしてその人がどれほど優れた人であったとしても、日本の置かれている状況はとても厳しく、まだまだこれから 大きな津波が押し寄せてくるということだけは、確かである。

酢豚 (スィートサワーポーク)

2009-08-21 02:15:42 | オーストラリア資源
酢豚という中華料理は、オーストラリアでもよく食される。それは甘く すっぱい 豚肉として訳されている。

今回、中国がイギリス資本の西オーストラリアにある天然ガスに50ビリオンの契約を結ぶ。これが甘い方になる。
RIOとの問題がこじれていることは以前書いたとおりだが、この部分がいわゆるサワー 酸っぱい部分になる。

オーストラリアに、ウイグル代表が来て講演会をするということに中国は過敏になっていて、「やめろ」と半ば強制的に言ってきている。オーストラリアは、「うちのところは、自由主義国家でお宅とは違い、発言の自由が認められるので、そのウイグル代表の意見をオーストラリア国家の意見として取り入れるかどうかは、別として 意見を述べる場所を提供することには、反対はしない」との立場だ。

中国は国内で通用する常識を海外でも同じように通用させようとしており、その点、オーストラリアは、中国のブリーが始まったとみている。ブリーとは、強制的ないじめのようなもので、今回は、50ビリオンの話と同時に来ているために、酢豚のブリーという(日本で言えば 飴と鞭)のような表現になっている。

50ビリオンは、オーストラリアにとっては大金だ。
お金は欲しいし、言うことは聞きたくないし・・・ということらしい。
日本が今後 中国との外交を考えるうえで、役に立つ話だろう?

無関心を装った関心

2009-08-20 00:44:57 | 世界情勢
世界は、日本に対して、どのように付き合うかを、随分と考えたようだ。
特に、斜陽にあるイギリスやアメリカは、今後、アジアとの付き合いをどのようにするかを、随分考えた。

まず、ピンを用意し、そのピン三種類に分けられたホワイトボードにそれぞれカテゴリー別に紙に書いたそれぞれの国で 分けた。

アジアでいえば、日本は、テクノロジーがあり国民が勤勉だが、一度コントロールを失うと すぐに形を変えて牙をむいてくるので、危険なカテゴリーにしつつも 同時に同盟国という対応を整えた上で テクノロジーと勤勉で優秀な国民を 政治的にコントロールできるようにした。

今回の選挙では アメリカにつくか、中国につくか、という選挙で、民主党はより中国に支配されたがっている。日本の生きていくためにできることは、自国の防衛を強化するよりも、常にどこかに寄りかかっておいたほうがいいという国民の判断がどこかで働いていると言っていいだろう。
戦後、ずっとアメリカに寄りかかっていて、「アメリカが有事の場合にはなんとかしてくれる」と言っていた。ちなみにそんなことを政治家が 人前で堂々と言う国は、日本ぐらいしかないだろう。どこの国だって、上に立つものが、どこか他の国に守ってもらうというようなことを 言うことは屈辱的だと考えるだろうからだ。
日本よりもっと小さく貧しい国でも、もっと骨のあることをトップの人間は言う。
だが、それが正しいとか悪いという結論は出ない。もしかすると、どこかに寄りかかる つもり の国の方が、筋肉を見せたがる国よりは 長生きできるかもしれないからだ。だが、日本はそんな国だということは、知っておいていい。
靖国問題でも 日本は一度も、「これが私たちの国のやり方です」などとは言わなかった。参拝した首相が何人もいたが、誰もそこまで、言った人もいなければ、同時に、東京の真ん中で大きな軍事パレードをしたという話も聞いたことはないし、退役軍人が、名誉とされて尊敬されるということも、ない。
日本はそれが当たり前だと思っていることが、外国ではもっと、違うことがより自然であることがある。

そして、韓国は、大きな間違いと勘違いをし続けている。韓国をアメリカと中国はどちらも今、もてあましている。味方のようで 決して心を許せることのできない国は 狡猾で用心深く かつ大胆で奇策を好む。日本に比べればかなり遅れている技術でも、それをビジネスにする才覚をも持っている上に、交渉がうまく、借金を借金だとさえ思わないという 豪胆さを持つ。リスクをとり続けるために、いつもエッジで緊張状態にあり、そのために 国民はみな苛立っている。
アメリカも中国も この国をもてあましている。
それを実は、韓国は知らないのか、彼らの視線の一番大きな存在はその大国のアメリカや中国の動きよりも、隣の小さな島国の日本の動きであることが、歴史の中では喜劇的でさえある。日本よりも中国という大国と隣りあわせでいることの、大きな可能性と危険性を直視しないでいると言う点で、韓国はずいぶんうっかりしている。もしもっと、北朝鮮と近づくと、よりアメリカに遠ざけられるのではないか、というどちらかと言うと、政治力学にのみ重きを置いている。ここで滑稽だというのは、そんな風に韓国が自分たちの利益になるように立ち振る舞っているつもりでいることが、アメリカも中国もすでにお見通しでいるということである。だからかえってアメリカと中国が腹を合わせた形で、様々な外交を韓国の頭を越えて行っている。北朝鮮の問題は、一番当事者の韓国の意向をさえ聞くことなく、中国とアメリカ指導で、どんどんと進められている。
これは、実に悲しい喜劇である。

中国は、体面を重んずると、日本の新聞はよく書くが、これは違う。日本は中国が体面を重んじる漢民族を中心としたプライド高い国であって欲しいと願っているだけで、中国ほど、現実主義な国は、まずない。
彼らは、自分たちにとって 何が必要で、何が不必要なのかを考えているだけで、その中から、取捨選択しそのときそのときの政策を決めて 外向きにも内向きにもプロパガンダを流して政策に沿って 内部と外部のそれぞれが流れていくようにもっていくことに、長けているだけだ。そのために 必要なうそは、徹底的につく。それが明らかにおかしい嘘であろうが、あるいはもっともらしい嘘であろうが、そんなことは、問題でさえない。
彼らの目的は徹頭徹尾 現実的に利益が得られるかどうか、それだけなのである。
アメリカは、こういう考え方の国との付き合いがうまい。アメリカは利益を優先する国であるから、お互いがよく理解できると考えるのである。政治的にはとても両極端な国同士が、実はよく似ている部分を持っているのはとても皮肉な話だ。そしてプロパガンダを流すことも似ていて、それは最近お互いが、腹を合わせてからやる。

日本は今、ずっと無視されているか、以前にくらべて、あまり関心のない国になっていることに、どのくらいの日本人が気がついているだろうか?それは、日本人にとっては、結構 居心地がいい状態なのかもしれない。

だが、本当に日本に関心がなくなっているわけではなく、そう装うことによって、焦る自民がアメリカにより擦り寄ってきていたことを単に利用されていたに過ぎない。
民主が勝つと、今度は中国に擦り寄るのかもしれない。また適当に無視されたり無関心を装われたり 時には、実害を受けたりしながらも、日本は平和を得ることができるのかもしれない。機嫌をうかがって生きていくという国は、プライドはないように見えるかもしれないが、平和に過ごすことができる。そのほうが 国民はずっと幸せだろう・・・


一計

2009-08-17 20:08:03 | 世界情勢
もともと、予想していたことが現実になっただけのことなのに、いざ 現実になると、驚いてしまうということがある。
今の社会がそうだ。

崩れていくのは、分かっていたはずだ。
それこそ、今の10代の若者と、一世代前の30年前の10代の若者を比べること事態、ナンセンスなのかもしれないが、とても違う。

崩れていくことは、分かっていたことなのだが、いざ社会の信用やお互いの信頼がボロボロになってしまい、ドラッグが日常的に問題になって、ホームレスが町中にあふれて、それが特別な景色にさえ見えない状況になった。

日本はこれから どうなるのだろう?

いつから、日本はこんな国になってしまったのだろうか?

私が日本にいた1980年代は、それこそ輝いていた。
これから、ますます新しいテクノロジーが花開く予感で満ち溢れていた。何かが起こりそうな夢があった。

あの時代の空気は どこへ流れていったのだろう?
それとも、今でもそれは続いていて、まだまだこれから何かが起こるという空気があるのだろうか?

私には、日本が 今 とんでもない間違いをしていて、それをみんな気がついているのに、誰も修正しようとしないように見える。

一体、日本を歪めたのは、何だったのだろう?
私たちの求めていたもの・・・社会は、今のこの日本のあり方だったのだろうか?

それとも、もっと違ったものだったのだろうか?
日本は、一体、誰の国なのだろう?






北朝鮮の将来性

2009-08-13 04:00:47 | 世界情勢
金正日があと、何年 君臨することができるのか?
多くの識者の共通の判定では、長く持って 数年・・・もしかするとこの2年以内になんらかの合併症が出るのではないか?と言われている。

その後、後継者と北朝鮮の軍部がどれほどの力と、カリスマ性を中央集権の力を維持できるか?という疑問が湧くのは当然だ。だが、ここには未知数の部分があるにせよ、国の根本になる経済が良くなることはないだろう。

そうなると、路線を変更して平和 融和 に変換してくる可能性が高い。

実際には軍部を中心とした政治が 白旗を振る時代が来ることになる。
経済が回らなくなると、どうしようもなくなるからだ。

その後、北朝鮮は韓国からの交流を深めようとするだろうし、韓国はこの機運にのって、北へ入ってビジネスを始めるだろう。何にしても、中国と地続きで、しかも飢えた労働力があり、北朝鮮には国の発展に最も重要な海岸線を東西に持っているということを考え合わせると、あっという間に、巨大な朝鮮国が南北の統一後出来上がる可能性がある。

しかし、この機会を、アメリカや中国がぼんやりと見ている筈がない。

今回のクリントンの目的は、実に、ここにある。

二人のジャーナリストの帰国のために元大統領がほいほいと 出かけていくはずがない。
今後、崩壊する北朝鮮にどうやって食い込んでビジネスチャンスを広げていき、できれば、中国を押さえたいという意図が見えている。

北朝鮮の争奪戦が始まるのは時間の問題だ。

日本は、どうするだろう?

食料品の値上がり

2009-08-12 04:15:38 | 世界情勢
オイルの価格が上がると 食料品の価格も上がる。
これは連動していて、例えば 肥料の値段はオイル価格と全くと言っていいほど同じ動きをする。
食料品の価格は、今の日本の場合に限って言えば、台風などの自然条件によって、さらに騰がっているといわれているが、実は、国際的に、自然条件はかなり悪くなってきており、世界中の食料品が高騰しているのである。
無論、この影響は、我々先進国には限定的だ。
ちょっと高いな・・・で済む話なのである。

一日に200円で生活している家族にとって、食料品があがると、今までは子供を学校に行かせていたが、それをやめさせる。
一日に100円で生活している家族にとって、食料品があがると、今まで食べていた食事のうち一食を抜くということをするが、しかしまだ 餓死はしない。
問題は今まで一日50円で生活していた家族である。
実に、この50円家族が、世界には人口の10分の一近くいるといわれている。

さらに、もし、100円の人たちの収入が経済停滞の影響で減るとなると、彼らのほとんどが一気に50円組に入りその人口比はすぐに倍にもなる・・・つまり世界の20%の人口が飢えるかそれに近い状態にまで追い詰められる可能性があるということだ。

ニューヨークのウォールストリートで、仕事を求めて並んでいる人の写真が大々的に出て、「大変だ」とか、「かわいそうに」などという人もいるかもしれないが、実際に大変でかわいそうな人たちは、もっと 他にいる。

ウォールストリートには、飢える人は存在しない。
100億円の資産が100分の一になったとしても、その人は飢えたりしない。とても貧乏になった気がするかもしれないが、彼は本当の貧困からは程遠いところで、有り余る資産の目減りを心配しているだけだ。

中国の経済が、どの数字をみてもいいはずなのに、なぜか大幅に銀行が貸し渋りを始めている。これは、隠しているけれど、内の中は火の車であるということだ。

そういえば、たとえ苦しくても、そんな顔をしてはいけない。という料亭のおかみの話を読んだことがある。勝海舟の氷川清話のなかで、おかみが、金に困って勝に金を借りるくだりの話だが、中国も、あれとおなじことをしているのかもしれない。

そういえば、景気の悪そうな首相がでると景気は悪くなり福福しい顔の首相がでると、なんとなく世の中は活気付く。

酒井 法子

2009-08-11 01:54:39 | 世界情勢
滅多に経済以外のことは書かないが、今回は酒井法子のことについて書く。
なぜなら、世界的にも大々的に報じられている大事件になっているからだ。

イギリスBBCを始めとして、世界中に酒井法子という東洋の端っこのちいさな女の子の覚せい剤で逮捕されたことが、何度も報じられている。
もちろんシドニーモーニング ヘラルドでも載ったし、それこそ、大事件の扱いだ。

酒井法子というひとが、どんな活躍をして、どんな声なのかさえ、私は今まで知らなかったが、今回の報道の重要な扱いをみて、驚いている。

まず、最初に思ったことは、なぜなんだろう???

ということだ。
一体、経済活動にとって、あるいは世界にとって、この女の子の逮捕でどれほどの 影響がでるのだろうか???と考えてみた。

なにも思い浮かばない。

おそらく、そういう直接的な理由ではなく、もっと間接的に、なにか、日本の未来に対して 警笛を鳴らしているのかもしれない・・・

オーストラリアでもドラッグは社会的に大きな問題だ。大学でも何度もドラッグ 撲滅キャンペーンがはられているし、セレブと呼ばれているほとんどの人は、ドラッグに何らかのかかわりを持っているとさえ言われている。なぜなら、彼らのパーティーではドラッグとセックスはつきものだから、それらを最高の状態で楽しむ恍惚感の絶頂には、欠かせないアイテムだとまで言われている。

今回、覚せい剤を吸引したりあぶったりしていたことは、ただの素人が面白半分にやっているという段階はとうに超えていて、かなり 深く入り込んでいるはずだと思われる。

ドラッグの問題は、だいたい戦争のあとに社会問題として大きくなる。
戦争で兵士たちがドラッグを手に入れて 常習するからだ。とくにアフガニスタンではポピーを栽培しており、以前はトンガ王国などを仲介してアメリカ本国にドラッグを送り込んでいたが、今ではもっと別のルートで送っている・・・政府の関係者や、警察の関係者にも その仲介をする人間がいるとされており、その経済価値は、相当なものだといわれていて、実態は深い闇の覆われているために見えないが、今回の日本の逮捕劇の裏側から垣間見られるように、深刻になってきている。

ドラッグは、あなたを滅ぼす。
そしてそれが分かっていても あなたはやめられないだろう。
それほど中毒性が強く、一度手を出すと、それは あなたの骨までしゃぶりつくしていくだろう。だが、それが分かっていても やめられない。

日本の警察が、オーストラリアの警察のようないい加減な警察官が少ないことは、幸いだ。オーストラリアでは警察官が、押収した覚せい剤を売っていたり、売春宿を経営していたりするから、日本の警察とは比べ物にならないほど、悪い。
だから、今回の逮捕劇をみて、今後の警察の対応がどれほど真剣になっていくのか、期待したい。なぜなら、ドラッグはそれを使用している本人だけではなく、周りの人間を巻き込み、やがて社会をも滅ぼすからだ。

世界がこれほどに注目しているのは、日本の社会がどれほど良俗に忠実なのか。もし良いのであれば、それはどれほどのものなのか?一体、どういう対応をして良い社会を保っているのか?
もし日本の社会が、悪くなっているのなら、どれほど悪いのか?それは、もう後戻りできないほど崩れてしまっているのか?
それを、知りたいと願っているからだろう。

日本の社会はこれから、ドラッグに対してどう向き合い そしてどう処置していくのだろう?

0.1%の実感度?

2009-08-09 10:45:57 | 世界情勢
アメリカの非雇用率が0.1%良くなり、9.4%になった。
これは、画期的でようやくアメリカが景気回復をしつつある足音がしているという意見が、株価に反映する形になっている。
一方 中国では中国政府が銀行に貸し渋りを推奨している。キャッシュを大事したいのか、ほかへの投資を考えているのか、あるいは外貨準備高をさらに増やすつもりなのかは分からないが、ただ、北京の空が晴れていることは確かである。
景気が悪いのか良いのか分からないいい加減な統計のGDP発表は、いずれにせよ、水増ししていたなら最後にバーンと弾けて収支がつかなくなるだろうし、そのときに、やっぱり中国は駄目だな などと世界からそっぽを向かれると投資熱がさめて、一気に資金引き上げなどが加速するだろう。

アメリカの景気対策や、雇用問題は、まだまだ緒についたばかりで、とても回復Vの字とは、いくまい。

こんなことを考えていると、暗くなるけれど、暗くなると言っていられるうちは、まだまだ大丈夫で、東南アジアなどの国々では、犯罪や食べられない浮浪者が増えている。

中国はなぜかとてもインドを意識していて、パキスタン、スリランカ、バングラディッシュ、ミャンマーなどに働きかけて、対インド包囲網のようなものを作ろうと計画している。多くの経費をかけても、そんな無駄はいずれ自国経済に破綻を促し、危険なのは、その後に、多くの軍備を持った軍隊とその将校たちが中国でクーデターを起こし軍事政権を作ろうとしたときで、そのころに、私が生きているかどうかは分からないが、日本は簡単に占領されるだろうから、今からアメリカが引き上げることを前提に(日本の意思など関係なく、意味もなくアメリカが日本に駐留し続けるメリットがなくなったとき、アメリカは引き上げるだろう)今から自国防衛の構想くらいは考えておいても損はしない。

これからは、オイルの枯渇がふたたび議題になるだろうから、オイル価格の高騰をシナリオに組みこんで産業構造を構築しなければならない。

アメリカがもう一度自信を取り戻すまでには、まだまだ時間がかかるだろう・・・。

エコノミストたち

2009-08-03 01:46:24 | 世界情勢
第一四半期のGDPがマイナス6.4%だったのに比べ、今回は 多くのエコノミストの予想に反し、マイナス1%だったから、アメリカの経済は底を打ったという。

株をやっていると、前半でドカンと落ちても、やや持ち直す瞬間がある。あるいは急に上げても、棒上がりになることはなく、どこかで調整が入る。これは、当たり前のことで、難しいのは売るタイミングだが、それは、大抵調整の後か、天井の前であれば、まあ、よしとしなければならない。どんなに上手の人でも、天井で売り抜けることは難しく、また、底で買うことも、それを100%予想することも、難しい。

株式とGDPは違うと言う人がいるかもしれない。だが、おおよそ経済活動には似たところがある。それは鉄を熱して冷ましてみるのと、石を熱して冷ましてみるので、下がり方のスピードが違うというくらいの差があるかもしれないが、熱伝導性は、ともかくとして、どこか、似た様相で落ちたり騰がったりするものである。

だから、今回のエコノミストの予想よりもマシだったという言葉自体が、とても眉唾で、実際には、落ちているんである。落ち方が、あほなエコノミストの予想よりは、緩やかだからと言って、即、アメリカは底を打ったと言うのはとても危険だ。

もちろん、今の時期になれば、それがなすびでもかぼちゃでも、騰がるという予想を出す人がいたなら、信じたくなる気持ちは分かる。

だが、今回の大仕掛けは、そんなに簡単に復活するほど 甘いものではない。少なくとも、オバマが任期中のあいだは、いい話は出ない。オバマは カラスをシロと言っても 楽観的だと言っているように聞こえた。
信じたい気持ちは、分かる。
だが、本当のところを言えば みんな 事態の大変さを、分かっているのに、分かりたくないのだろう。人情的には私にも 同情する。けれど そんな人たちの多くの 気持ちを汲んであげたいのは山々なんだけれど、やはり現実はもっと深刻。
とても悲観的。

北京の青空

2009-08-01 19:36:41 | 世界情勢
北京オリンピックのときに、何年ぶりかで北京に青空が広がった。
工場の稼動を抑えたら、青空ができる。
そこで、経済をみている人たちは、中国の数字を信用していないので、北京の青空度をチェックして それを元に、「景気がいい」場合にはスモッグが多く、「景気が悪い」場合には青空と白い雲が出るとしている。
まったく、小野小町よろしくの、非科学的な景気判断だが、これが大真面目に、当たる。
おかしいくらい、中国の発表よりも正確なのだそうだ。

そこで、最近北京に青空が出ていると言う情報を聞いたのだが・・・

中国が世界第二位の経済大国になる

2009-08-01 01:43:27 | 世界情勢
日本はついにその世界第二位の座を 明け渡すことになるようだ。
ただし・・・

中国の数字が 本当に信用できるものであるならば だ。

彼らの中に、外部の監査できる会計のオーディティングのプロが、一切の利害関係なく、あくまでも第三者的に、透明性を持ってきちんと彼らの数字に内部に入り込み、それらを精査し、正確なバランスシートを確認できるならば、数字は信用できる。

だが、もしそうでないのなら?

信用できない数字ならば、混乱を招くだけなので、かえって無いほうがマシだ。

いずれにせよ、中国は品質よりも、物量と価格の国なので、例えば、技術やテクノロジーを開発する R&Dに金をかけるようなことはせず、それらは外国から入ってくるものだというメンタリティーだから、一切 そういうものに尊敬がない分、ただ、コピーさえすればよく、そして安く作って売れればいいという考えで動いている。

だから、悪いと言っているのではない。
かれらは、そういう考えを持っていると言っているのである。

日本が品質を大事にして、それを誇りにしていたら、彼らは、その品質はともかく、とりあえず名前を盗んで偽者を作って上前をはねて儲けようとする。それだけのものだと言っている。
彼らが悪いと言っているのではない。そういう人たちの集まりだと言っているだけだ。

外国から資源をどんな手段を使っても、奪う。それがオーストラリアやアフリカに対しても、説明もなく いきなり逮捕をしたり、あるいは現金で頬を叩くという行為も行い、恫喝と狡猾を巧みに使い分けて、資源を取る。日本の近海からも、強引に地下資源を盗む。
なに、彼らが悪いと言っているのではない。そういうことをしても恥ずかしくない人たちの集まりだと言っているだけだ。