Sydney Yajima


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昨日の投稿

2009-06-30 23:51:48 | 世界情勢
中国外務省が、ファイナンシャル タイムズの私の昨日の投稿にもあった、金正日の三男が訪中した件を否定した。

火のないところに煙は立たぬ。

私は、そう思う。

金 正雲

2009-06-29 13:21:03 | 世界情勢
イギリスのファイナンシャルタイムによると”North Korean ‘bright leader’ visits China
By Jamil Anderlini in Beijing and Robin Harding in Tokyo ”

Published: June 28 2009 23:36 | Last updated: June 28 2009 23:36
(http://www.ft.com/cms/s/0/1f2db63c-640e-11de-a818-00144feabdc0.html)
金 正雲 26歳、金正日の三男が、北京に来て、中国ナンバー2と面会した模様。
遅れている支払いの陳謝とエネルギー支援の懇願が目的と見られ、同行に、北朝鮮の幹部である彼の叔父たちとともに出向いた模様である。彼が後継者としての箔をつけるためのものだが、年齢が若すぎるのではないかとも見られている。

北朝鮮はスターリンの革命意思を受け継いだとされる世界で唯一の社会主義国家だと断定しているので、ロシアにとっては、敵国になるという見方もなるほどとうなづける。

市場は穏やかで、あまりニュースもなく、やや下げているセクターはあるにせよ、様子見が続いている。

こういうときは、何かが進行しているものだ。


マイケル ジャクソン

2009-06-27 07:45:56 | 世界情勢
マイケル ジャクソンが亡くなった。多くの人がインタビューに答えている。
面白かったのは、ユリゲラーが、マイケルに催眠術をかけたときの話だ。ユリゲラーいわく、彼は、スプーン曲げのキャリアに転職する前は、催眠術師だったのだそうで、催眠術師として、マイケルに深い催眠術をかけたときに、彼に、「子供にいたずらをしたのか?」と聞いたら、「NO」と答えた。「じゃあ、なぜ和解に応じたのか?」と聞くと「もう、耐えられなかったんだ」と言ったとか。
あるエコノミストの話によると、彼はビジネスマンとして優れていたという。彼はビジネスマンとして卓越したマーケティング、マネージメントに加え、誰にもまねのできないカリスマ性と技術、それに創作性と独創性を持っていたが、パーソナルライフに関しては、平均の人間以下の管理能力しかなかったと言われている。

なぜ彼は何度も整形を繰り返したのだろう?と思う。本当のところは、彼の中にある心の奥底の暗闇に入り込まなければ理解できない行動だろうし、それによって、彼が何を達成しようとしていたのかは、まったく理解できない謎のままだ。それにしても、あごの形を変えてみたり、鼻の形を変えてみたり、そのほかにも多くのことをしたはずで、もともとの顔や形がわからなくなるほどの変化を繰り返していた。もしかすると、自分自身が好きではなかったのではないだろうか?と思う。誰にでも、自分自身の体型や、顔、髪の色や肌の色、必ずどこかに好きではないところがあるもので、それは、年齢を重ねて克服していけるものと、逆にもっと嫌になってくるものとがある。どちらにせよ、整形で解決する場合もあるかもしれないし、かえって悪くなるかもしれない。人によって分かれるかもしれないが、私 個人的には、マイケルの場合は、最初のオフ ザ ウォールのころの彼が一番好きだ。顔の表情にも生気がみなぎっており、笑顔には、なんともいえないはにかんだ優しさとシャイな味があったように思う。

体中、あちこちに痛みがあったともいい、その理由がブレークダンスのためだったのか、あるいは、他の病気があったのかは、分からないけれど、そのために痛み止めを打っていたということで、もしかすると、ドラッグのオーバードーズということも、考えられなくはない。ドラッグをしていたのかどうかは、医師の検査結果で分かるかもしれないし、故人のこととして発表はしないかもしれないが、ロンドンのコンサートを控えて 大きなプレッシャーと戦っていたはずで、彼が今まで建てた金字塔・・・勝手に走り出して膨らんでいった偉大なマイケル ジャクソンという虚像と、部屋でそのプレッシャーと一人で戦っていたであろうマイケルジャクソン自身の実像が、彼自身の生命力を押しつぶしてしまったようなことが あったのではないだろうか?と思える。

人間は、何か卓越した才能を持っている人間がいると、彼を賞賛するか、嫉妬するかのどちらかの行動しか取れない。マイケルがつぶされたのは、彼の持った巨額のお金のせいであったかもしれない。彼自身の才能が、彼自身を殺したともいえるが、それにしても、50年の人生で彼は、この時代の誰よりも輝いていたし、誰よりも早く走っていった。かっこいいかもしれないし、かっこ悪いのかもしれないが、どちらにせよ、これだけは確かだ。マイケルジャクソンは二度と現れないだろう。


ランチタイム レポート 12PM AEST

2009-06-26 16:28:59 | Weblog


オーストラリアの株価は平均1.39パーセント午前中に上げ、3905.2まで上げた。
商品も続いて上げ、昨晩のアメリカの動きが今日の株価に反応したと見える。
BHPは0.23%あげて34.6ドル、RIO TINTOは0.7%上げ51.43ドルまでになった。
主要銀行の株価も堅調で、NABは3.4%上げて 22.23ドル、CBAは2.56%上げて38.51ドル。WBCは2.26%上げて19.95ドル。
エネルギー資源関連は、WPL(オーストラリアで第二位のオイル会社)やSTOあたりがそれぞれ2%以上上げている。

カンタス航空は、向こう2年の注文していた15機のジェットを キャンセルし、ボーイングはその影響を受けていると思われる。株価は1.77%上げた。

オーストラリアドルは堅調で、0.8072でUS$と取引されている。


スティーブ ダンカン CBA マーケット アナリストより意訳


救世主

2009-06-25 20:28:16 | Weblog
OECDによると、オーストラリアは、一番最初にリセッションから抜け出せそうだと 6月の記録から割り出した結果を発表した。来年には2.4%の成長さえ望めると言う。もちろん、オーストラリアはその結果を歓迎し、もはや、世界恐慌とオーストラリアは無縁の話だという論調まであるほどだ。

だが、私自身はこの数字の裏側には、あくまでの中国頼みだと思う。つまり、今のように中国が経済成長を続けられる限りという条件付だ。中国はいずれ失速するという意見も一方ではあり、そうなると、資源輸出頼みのオーストラリアの経済には、影がでるはずだ。

世界は、今、方向性を探している。

何時の時代にも、何がしかのブームが来る。
ブームとは、流行のことで、それは、ITブームであったり、日本の不動産ブームであったり、石油価格ブームであったり、あるいは、ゴールドブームであったり、もしかしたら他のブームであるのかもしれないが、必ず、なにがしかのブームがやってくる。

ブームというものは、いずれ終わる。

それは、大きなブームであっても、小さなブームであったとしても、必ず、ある期間を過ぎると、冷めてしまい、終わる。

時には、ブームには、大げさな仕掛けがある場合もあり、その仕掛けには、様々な思考と思惑が入れ混じって、化学反応を起こし、火がつく。

ブームにはネガティブなブームの場合もある。例えば、景気後退のブームということも、今は言えるかもしれない。

投資を芸術に例えると、ブームの始まりは、利率とマネーサプライである程度制御できるか、あるいは過熱できると考えられてきた。マネーサプライは絵を描くキャンバスのようなものであり、利率は筆だ。そして国々の思惑が、絵の具となり、色をつける、あるいは美しいハーモニーを描き、時には、醜い戦争を起こす。出来上がった絵は、遠くから眺めるとそれなりに理屈のつけられるようなものに出来上がっていることが多く、これを経済という。経済学者は様々に描かれた過去の絵を、もっともらしく話す評論家のようなものである。鑑賞眼はあるかもしれないが、彼自身が絵を描くことはできない。

しかし、あまりにももっともらしいことをうまく言える評論家がでると、「もしかしたら、この評論家にも うまい絵が描けるんじゃないか?」と人々は期待し、連邦準備銀行などの重職に就けてみたりする。むろん、失敗する。絵は、大学のいいところを出ようと、出まいと、成績が良かろうと、悪かろうと、関係ない。描ける人には、天から与えられた才能がついている。それが、日本では田中角栄という首相であっただろうし、彼のような才能は、大学で腐れ経済を勉強して、それを絶対だとあがめている輩には、まず、真似出来ないだろう。

ところで・・・
ブームには時間という流れが常にあるから、一般の芸術と呼ばれるものよりも、さらに次元は高く4次元の世界でもあるといえるかもしれない。

つまり、4次元でものを考える人間にとって、これはとても楽しい芸術なのだが、3次元で考える人にとっては、謎になる。平面で描く絵が二次元であり、立体の彫刻を三次元とするなら、これは、4次元というもうひとつの、次元・・・光が必要になる。

したがって、光・・・それが、心の中のメンタルな光や、あるいは、モラルの光であるのかを、現実の目隠しをされて見えなくなる光と混乱を起こしてしまうと、わけが分からなくなるだろう。今、世界が混乱しているのは、心の中の、恐怖と貪欲という暗闇に光を当てず、さらには、やってはいけないことというモラルの光をさえ見ないまま、何年も突っ走ってきた結果である。むろん、何年もの時間は取り返しのつかない時間だ。

今、世界は不況という恐怖の暗闇に包まれている。これは、貪欲という暗闇と同じもので、背中合わせになっている。どちらにしても、悪魔の仕業だ。

世界は、今、新しい発想ができる落ちこぼれを必要としている。そう、学歴もMBAも持っていなくても、天賦の才能で、世界をリードできる才能だ。例えば、ヴァージンのリチャードのような人。裸一貫で、人並みはずれた低いIQだが、人をひきつける力を持った人。それだけで、あれだけの会社を興したのだから、大したものだと思う。つまり、彼は失うものなど何もなかったから、これだと思ったら、それに打ち込むことができ、しかもリスクを張る度胸があり、人を見抜いて、それを採用する度量と、さらには、そういう人に出会える幸運を身に着けていた。

世界は日の出を待っている。
この暗闇から、誰が救い出してくれるのか?と、ただ、日の出を待っている。

救世主は、今 そこにいるあなたの目の前の小さな女の子かもしれないし、もしかしたら、あなた自身かもしれない。


アメリカ経済 3

2009-06-20 23:13:52 | 世界情勢
アメリカ経済 3

2章に関しては、GSM内のみで読むことができます。
したがって、2章を読んでいなければ、この章の何を言いたいのかが、多少理解しづらい部分も出てくると思われますが、ご了承ください。

中国が、60兆円を国内のインフラへと注入したことが、随分と過大評価され、一人歩きした様相が、そろそろ 終わりかけてきている。60兆円の財政出動は、大きいと言えるかも知れない。だが、アメリカのインフラ整備には遠く及ばない。アメリカはそれこそ、過去200年、ずっとインフラを行ってきていた。様々な地域、そして道路、空港、ありとあらゆるものを、ヨーロッパの中世から綿々と伝わる建築の 技巧を駆使して、造り続けてきた。

アジアには、ほとんど それがない。

例えば、日本で言えば、国会議事堂などが、その典型的な技法で作られた建物だ。ああいう建物を、もっともっと国中に作り続けて、日本中に道路と建物の関係を日本の文化を損なうことなく、ブレンドさせることができれば、日本の交通事情はもっと良くなるかもしれない。

中国は上海などの一部の地域をのぞいての全体としては、日本よりさらに、都市計画がなっていない。道は人がどう通るのかを精査して初めて 道路としての意味を生み出す。だが、もしそうしなければ、道路の無駄は、都市計画そのものを意味のないものにしてしまうことも ある。

これは、例えば企業におけるマネージメントに通じることでもある。窮屈な社風から、新しい発想は決して生まれないことは、日本人の多くが感じていることだろう。感じていても どうしようもないと、あきらめている人が多いから、日本は、いつまでもストレス社会のままである。なぜなら、社会の構造をそのようにしておくことで、自らの位置を守る古い勢力が君臨し続けている限り、決して新しいチームの発想などは、できるわけがないのである。

オーガニックなチームを作るためには、そのチームの中に、遊びの部分がたくさんなければならない。雑草を抜き、生え抜きばかり集めた日本の官僚システムは、相手によってはとても強い。それは集団として法律や、秩序が通じる相手に限る。もし既成のルール以外のところで、勝負することになると、果たして、どうだろうか?経験値のない、今の世界経済で、一体どのような青写真が描けて、そのどの部分が正しく どの部分が 誤っているのかなど、今や、ケインズの理論では、解ける時代ではない。

中国が、失速してくるのは、時間の問題になってきている。もう、撃つ弾が後残り少ないのに、まだ、敵は大きく、そして、強いのだから、勝てる見込みのない勝負であるのは、目に見えている。
いわば、世界の負のデリバティブは、京の世界であるにもかかわらず、兆の単位で少々つぎ込んでも、桁が1000倍違うのである。そして、中国が出し切るまで、アメリカの徹底した不況は続くであろう。

アメリカの肉を切らせて 骨を絶つ政策が、対中国のものであると私は言い続けてきていた。今の世界不況はアメリカが新興国、特に中国をターゲットに、とことん財政支出をさせて、根っこから赤字を出させる。しかもアメリカの国債を買えるだけ買わせて、一気に富の移行を行うであろうということを、私は言い続けている。

アメリカは、すでに十分なインフラと 人材、それに金融テクニックと、技術、さらには、シリコンバレーに代表される次世代のソフトや、NASAの宇宙開発のノウハウ、軍事産業での今の私たちの知る世界のさらに20年先の技術をも、持っているのである。

これからも、アメリカでいくつかの企業が倒産するだろう。日本も多くの企業がその影響で、苦しむことは、確実である。だが、その結果、もっとも痛手を蒙るのは、中国だろう。今回の経済危機は、最初に大きなヒットを受けた地域は、立ち直るのが早く、遅く受けた地域は、遠心力がかかりより大きなGを受けなければならなくなり、痛手は深くなる。

アメリカはまだまだ苦しんでいくだろうが、そうなる前に、さっさと手仕舞いをしていった日本の経済は、結構したたかさがあるように思える。

ルールの上では日本は、まあまあ、いいところで戦っているが、しかしアメリカは自由な選択をし続けるだろう。つまり、ルールは後付けでいいから、まずは、なたで切る手法を取るはずだ。こうなると、日本の経済政策など、薄っぺらい防護策になってしまう。例えば、強烈な円高になると、日本は、どうするだろう?1ドル=50円を切ると、輸出はまずストップする。ここまでは、日本の官僚もきっと、想定しているはずだ。だが、さらに、1ドル1円になったら、どうなるだろうか?など、ルールの中で考える人はシナリオとしても、ナンセンスだと決め付けてくるのではないだろうか?ナンセンスなことは、起こりうるのだということを、はじめから否定して経済政策を打ち立てていてもいいのだろうか?と私は疑問を呈しているのである。

ルールの変更に対して、ただ従う方法もあれば、それをあらかじめ予想しておいて、手を打つこともできる。手を打つとは、そうなることを前提にしておいて、自分の仲間を作っておくことであったり、あるいは、コンセンサスとして織り込んでおくやり方であったり、根回しであったりであるのだが、日本人のもっとも苦手とするところは、実にヨーロッパなどの白人に対しての、根回しとそのルール作りに参入する人材の不足を、補うこともしないで、いや、それどころか、父祖から伝わる伝統と文化とやらを相手に押し付けるやりかた・・・を取る事である。韓国の宇宙船への搭乗がNASAに嫌われているのは、キムチを宇宙食として持っていくという強引さで、他の隊員がその強烈なにおいに、宇宙の限られた酸素のなかで、過ごさなければならないことに、閉口しているからだという笑い話にもならない話があるが、日本もそこまで強引ではないかもしれないが、それに近い強引さを持っていて、それが国際社会では奇異に映っていることが多きにあることも、肝に銘じておいていいのではないだろうか?その上で、ルールにのっとって行うことと、誰が、どこで どんなルールを 誰のために作っているのかを良く知っておくべきである。ただ、陰謀だとか、あるいは、ずるいとか、卑怯だなどという言葉は、何の役にも立たない。国際競争とは権謀術数が、渦巻いているもので、陰謀もずるさも、卑怯さも当然そのなかに、織り込んで戦わなければいけないし、相手の出方を何手先までも、読んで準備しておくことが、肝心だ。無論 言うまでもないことだが、100%読むことは難しいにしても、だ。

アメリカは、1ドル1円の時代になったとしても、困らない。なぜなら、困らないように彼らは今もいくつかの実験をしながら、落としどころを探っているからである。そこを、押さえておかなければ、日本の未来像は描けない。例えばGMを破綻させるためには、まず、クライスラーで実験をしてから行う。兆インフレを行うためには一度ジンバブエで実験をしてみる。混乱を収める方法は、どんなやり方がいいのかを、様々に見極めてみる。ところが、日本は、そういう準備もなく、いきなり来たらそれからどうするかを考える。だから必ず一歩か半歩 アメリカに遅れるのである。

経験値であったり、また、想定内のことであったりなどは、こんなに世界が混乱し始めているのに、それらは、どれも雑音でしかない。今は想定外のことと、未経験のことを、大胆に考えて推し進めていく時期で、こういう時期に必要なリーダー像とは、トランスフォーメーショナルでなければならないはずなのに。自民党や民主党は、どちらも、育ちが良すぎる人が多いんじゃないだろうか?

今、すでに景気は底を脱出していると見る経済学者がいる。だが、本当に、そうだろうか?

もしかすると、今の段階は、ほんの序曲で、これからもっともっと、大きなことが起こるのではないだろうか?

私は、おおよそ5段階に分けて考えてみる。そうすると、理解しやすい。
第一段階は、フォーミング。まずはサブプライムローンの問題を、指す。これで地価が、下がり続けることで、アメリカの富が減る最初の形である。
第二段階は、カオス。つまり混沌とした状態で、ストーミングといってもいいだろう。これがデリバティブ問題から始まりAIGなどを救済したり、様々な金融機関の問題が次々と浮き彫りになってきては、あわてて政府が隠す現在の状況。GMが破綻したのも単にその影響でしかなく、台風の本命はまだまだ勢力を持って暴風雨を伴っているとみる。
第三段階は、ノーミング。業界再編の動きがここで見られるだろう。ここまでくれば、ストーミングの状況は脱出しているので、大幅に下落することはない。今がここの段階になっているかどうか?おそらく、自動車産業に関しては、すでにこの段階に入っているが、まだ金融業界は、怪しいと言わざるを得ない。政府が介入すればするほど、遅れるだろう。なぜなら、感覚の麻痺している金融業界の常識は、すでに根太から腐っているからだ。
第四段階は、パフォーミング。爆発したバブルが、また形を変えて復活し新たな局面と高い景気対策により、好景気に沸く時期だ。これは、もちろん、まだまだ先の話である。
第五段階では、アジャーニング。次の段階へと、それぞれの好景気の立役者たちが形を変えていく段階だ。

今が第二段階にあると私は思っているのだが、多くの人は、第三段階であると言いたいか、あるいはそうであってほしいと願っている。
無理もない。
この不況の壁はとても分厚いだけでなく、トンネルの出口はとても遠くて見えそうもないのだから。

中国が崩れると、どうなるかなど、想像もしたくない人たちが一杯いる。この人たちは、木を見て 山を見ず の間違いをおかしていると 言っては言いすぎだろうか。多分、今が第三段階に来ていると言う人にとって、私の言葉は到底受け入れられないはずだ。





オーストラリアの本音と建前

2009-06-16 19:48:55 | オーストラリア株式
オーストラリアの本音と建前


本音と建前が日本のお家芸だと思っていたら、それは大間違いだ。
今、シドニーの西部で、イスラム教の学校を作る計画に、市が一度認可したにもかかわらず、周辺住民の反対にあい、待ったをかけている。
建前は、交通の問題で、道路が整備できていないから、学校は困るというものだが、本音は、イスラム教徒への差別だ。むろん、差別ではない、これは人種差別でも宗教差別でもなく、交通の問題で学校を建ててもらっては困るから、反対運動をしているのだと、白人系のオーストラリア人がこぞって反対する。

そもそも、カルチャーというものは、ライアビリティーである。
ステレオタイプの人間が多く世の中には存在するし、彼らの独断的な発想は決して直すことはできない。また、分散させてビジネスをすることも、理想的にはできそうなものだが、なかなかうまくはいかない。
1975年ごろ、オーストラリアでは雇用均等法というのが、できた。
それは、年齢、性別、人種、宗教、身体的特徴、などなどで、差別をしてはいけない。というものである。だが、実際にはそれらは、1980年代半ばに、別の動きが始まるまで、続く。それは雇用拡大で、政府が何パーセントは女性を雇うこと、などと法律として盛り込んだものだ。ところが、1990年代のリセッションが来ると、LIFOの法則の通り、最後に入社してきた人からやめてもらうということが、まかり通り、実際には多くの女性社員が最初に首を切られた。にもかかわらず、ユニオンは何もできなかった。なぜなら、それは女性だからクビにしたのではなく、雇用の優先は古い人にこそあるという理屈だった。1990年代以降、オーストラリアはディバーシファイを標榜する。それは、顧客が多くの人種と国にまたがっているのだから、より多くの人種とその国の文化に通じている人間を雇ったほうが、よりビジネスがスムーズにいくはずだという考え方である。この流れは、現在も続いている。しかし、ステレオタイプの考え方を、人間は変えることができないか、とても難しいため、問題が生まれてくる。それは、たとえば、CEOのオーストラリアでのイメージは、45歳のアングロサクソンの男性。彼ができる人間であろうと、なかろうと、イメージどおりにCEOが決められていくわけだ。そこで、ハイ マネージメントの人間の上には、目に見えないグラス シーリング(天井)ができ、45歳のアングロサクソンじんの男性でない限り、決してCEOにはなれないことになっている。

例えば、最近辞任した、テレストラのCEOはトルージャさんというメキシコ人だったが、アメリカでは考えられないほど、オーストラリアでは差別がまかり通っていることに驚いてしまうと、言い放ち、物議をかもし出した。最近では、白人の少年たちが集まり、カレーバッシングというゲームが始まった。要するに、インド人をみつけて片っ端から暴行を加えるというものである。インド人の多くは、学生で、移民するために、大学に通っていたりするので、ことを大きくしたくないがために、泣き寝入りをする。それが、とうとう、我慢しきれなくなり、連日、メルボルンやシドニーではデモ行為が始まっている。これらも、実に景気が悪くなってきたからだ。

オーストラリア人の気質は、平生ならば、親切でお人よしで、ほがらかで、寛容なうえに、人懐っこいものだが、景気が悪くなってくると、親切をする余裕はなくなり、お人よしは人を利用する目になり、ほがらかさは、陰険にかわり、寛容さは大胆な行動にでるようになり、人懐っこさは憎しみと嫉妬に変わる。

人間にはいつも2面性があるものだし、それが、当たり前なのかもしれないと、ため息をつきながら思う。本音と建前というのは、使い分けできるものではなく、それらはすべて建前で、そして本音でもあるのだろう。

といって、カルチャーを論じてみたところで、例えばアメリカは、いつも近視でしか経済を見られないし、日本は、遠視でしかものを考えられないことは、直せることはできないのだから、そのなかで、どうやって生きていくかを考えるしかないだろう。

日本は、鯨の問題が随分大きなことだと感じている。これも、二つの文化圏がぶつかった差別問題と利害問題だろう。この問題を解決する方法は、あまり難しくないと思う。オーストラリア人との交渉を、きちんとできる日本人を前面に出すことだ。日本の論理だけで押していくのは、無理だということを、もっと、水産庁も外務省も考える時期に来ているし、話し合いがあまりにも一方通行で、しかも別々のベクトルをむいていて、全く お互いのコミュニケーションができていない。ただ、ぶつかっている。それでは、解決は程遠い。

本音と建前といえば、今、オーストラリア経済にとって一番敏感で、触れて欲しくない腫れ物は、騰がりきった不動産価格なのである。シドニーの家は、東京よりも、高い。なぜそうなったのか?

からくりは、ある。

不動産業者、貸付業者、銀行、それに政府と広告主を多く抱えた新聞やマスコミがみんなで、せーの、とばかりに煽ったから不動産は、波に乗った。
海には、三角波という波がある。あちこちから、一気に来て、ものすごい高さになり、一気に落ち込む波のことだ。

今日のニュースでコモンウエルス銀行に続きナショナル オーストラリア銀行も、ウエストパックも貸付金の利子を上げた。これは、政府にとっては、寝耳に水であったため、トレジャーが出てきて、大反対の合唱となった。マスコミは、もうすぐ不動産が値上がりに転じるといい加減な煽りをまた初めた。雇用率はどんどん悪くなってきているというのにもかかわらず!!!だ。

どこまで、オーストラリアの政府、銀行、そしてマスコミが 人々を騙しつづけていけるか、みどころである。これは、それぞれが自分の利益になるように、持ってきている セルフ インタレスト セオリーの典型のような話で、いずれ、どこかから、ほころびが出るはずだ。


アメリカの金融政策について (1)

2009-06-02 00:23:22 | 世界情勢
アメリカの金融政策について (1)

アメリカの金融政策とは、金融緩和以外には、何も無いといっていい。つまり、利率を下げれるだけ下げて、輪転機をフル回転させて、市場に紙幣をばら撒くだけである。ものすごく、分かりやすい。
中国に寄った政策をしているオバマ民主党は、共産主義を標榜しているのでもなければ、毛沢東に心酔しているわけでもない。ただ、その輪転機にかけたドル紙幣を購入してくれるお客さんである中国に、媚を売っているだけである。
なぜなら、輪転機から無限に産出される紙幣を、ありがたがって買ってくれるところは、日本を除いては、今のところ中国しかないのである。また中国はすでに、購入を継続し続けなければならないというサイクルにはまってしまっている。(購入のトラップとも言う)

アメリカは、まだまだとても強い国で、新しいものはいつもアメリカからやってくると、多くの1990年代以前の日本人は、今でも思っている。実際、アメリカは戦後のジャズから始まって、高速道路、地下鉄、デパートに、ファッション、ヒッピー、ゴーゴー、学生闘争、映画、ロック、ハンバーガー、コーク、ラップにドラッグ、ポルノ、などなど、様々な良いもの、悪いものを日本に持ってきた。日本は、それらを何の節操も無くがむしゃらに食いついた。あるものは、地獄を味わい、あるものは天国を味わい、どちらにしても、運が悪かったのか良かったのかの違い以外は あまり変わりが無い。ただ、アメリカを信奉してそれを模倣し、アメリカそのものになったつもりで、ジーンズをはいてコカコーラを飲んだという以外には、何も深いものは無かった。それが、一言で言えば昭和という時代であったのであろう。アメリカのものであれば、何をしても格好良かったし、それが拳銃を撃って人殺しをする刑事映画であっても、あるいは、ワンナイト スタンドセックスをテーマにしたものであっても、アメリカ的でさえあれば、すべて、善だった。いや、それが善か悪かなど、どうでもよかったのだろう。
音楽の変遷をみれば、アメリカで流行していたものが、おおよそ2年程度で、日本で流行している。それは、世界の中央であるアメリカという文化の発祥地から、ありがたく頂いてくる流行の波を、昭和の日本人は、ただ、模倣した。まったく、無邪気に、ただそれを模倣した・・・

だが、昭和が平成になったころ、それは確実に変化が起きていった。
多くの日本人は気がつかなかったかもしれないが、ルーズソックスもガングロ、アニメ、任天堂ゲーム、プレーステーション、それらは、すべて良くも悪しくも、日本発の文化である。アメリカでもコスプレをする人口が増え続けていることを知っているだろうか?アメリカの子供たちが、日本製のゲームに夢中になっていることを、どれだけ多くの日本人が、知っているのだろうか?確実に、風向きが変わってきている。もはや、世界は、日本を中心に文化が回ってきているのである。シドニーの若者も、「うらはら」などという場所について熱心に聞きたがる。裏腹ではない裏原。原宿の裏通りのことである。若いころ、ぶらぶらと歩いたところが、いまは世界のファッションの憧れになっているのだ。

日本人の気がついていない変化はまだまだたくさんある。
アジアで言えば、こうだ。
中国人やベトナム、台湾、韓国、それに、マレーシア、インドネシア、フィリピンなどもふくめて、多くのアジアの若者たちは、日本人が思っているほど、第二次世界大戦のことなどを、考えたり、こだわってはいないということだ。それらはすでに、過去のことであり、彼らの知りたいことは、東郷元帥のことよりも、渋谷の歩き方や、秋葉原のロボット館のことで、もっといえば、日本発のアニメが大好きで、できればその主人公になってみたいし、それができる日本という国に、住んでみたいと思っているということなのである。

なぜ、日本の政治家たちは、こんなに古いんだろう?
と絶望的に嘆じるのは、私だけではないはずだ。

日本の、政治家たちは、まったく、昭和に生きていて、そして、その価値観・・・アメリカからなんでももらえるという・・・を持ち続けていて、しかも中国や韓国の年寄り(ここでは、第二次世界大戦の事を持ち出して大騒ぎする前時代的な生き残りをすべて含めて、年寄りと言うことにする。たとえ 彼、もしくは彼女の実年齢が若かろうと、70年近く経った昔のことを昨日あったことのように、抗議したりデモをする人たち)のことを、中国や韓国の現在の若者の大半のように考えている。中国や韓国にもたくさんの年寄りがいるけれど、すべてが そうじゃない。日本の今にあこがれている若者はたくさんいるのだ。

時間は、とても早くすすんでいる、その時間の先には、変化がある。

アメリカが一極支配していた時代は、すでに過去のもので、これからは、中国を中心に動く時代かもしれないし、インドが中心になるのかもしれない。だが、文化から言えば、日本はまだまだ、これからは、大きな位置を占めている。
なぜなら、文化は若者が支えて発展させていくものだし、良いものも、悪いものも含めて 自然に拡大していくものだからだ。

アメリカに模倣して、アメリカに追従して、そして、アメリカのようになりたいという時代は、終わったという選択肢も あってもいいのではないだろうか?

アメリカが、かつて華やかに輝いていた時代は 終わった。
私は、アメリカの経済の再生という課題には、とても悲観的だ。アメリカ人が、肥満して、働くことを嫌がり、高い給料を要求して、自分たちのできること以上のことを当然のように受け取っていた。これが文化というならば、随分 思い上がったもんだな・・・と。

だが、その気持ちのしこりが、なるほどと納得のいく形で取れたのが、今回のGMの破綻だった。むろん、喜ぶべきことではない。納得がいったのは、働かざるモノ 食うべからず のことわざが本当のことだと思っただけのことで、日本にとって良くなったわけではない。

サブプライムローン、デリバティブから始まった金融操作のツケがここにきて最悪のタイミングで、最悪の形で来ていることは、間違いないだろう。

この時代に生まれて、最高の国が最低の国へと落ちていく過程を見る証人になれたことを、ラッキーだと思うべきなのか、あるいは、その大きな渦の中でもがき苦しむことを アンラッキーだと思うべきなのかは、自分たちで決めることだ。

いずれにせよ、今回私の言いたいことは、ひとつだけだ。

アメリカにべったりし続けるのも 一つの選択肢だが、アメリカから距離を置くことも別の選択肢として、存在するのではないか?ということだ。ベン バーナンキーの金融政策の真似をすると、どうなるかは、今のアメリカが成功しているかどうかを見れば、よく分かる。