Sydney Yajima


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US カレンシー

2009-08-21 23:51:28 | 世界情勢
US カレンシー

中国が アメリカドルの保有を減らし始めた。現在保有している USドルを 今後 資源株などに変えていくことによって、よりリスクを減らすという方針に決めたわけである。
ただ、そうなると、保有のUSドルの価値が目減りしてしまう。これは日本も共通して抱えている 痛し痒し の状態だ。

仮にUSドルが今の半分の価値になってしまったなら、日本からアメリカの輸出が大幅に減ることはもちろん、オイル価格、ゴールドなどの商品先物価格は単純計算で倍のUSドルを出さなければ買えないことになる。そうなると、せっかく持ち直しかけてきた日本経済は、根本的に揺らぎ、世界同時不況はさらに深刻になる。追い討ちになるのは、失業者の増大である。豪州などの資源国はより安く その資源を売らなければならない圧力を受けて こちらも深刻な問題になる可能性が出てくる。(現在でも、すでに33%安 去年に比べて安く売っており、かなり利益率は落ちている)

中国がUSドルを買い支え続けるという話は、かなり怪しい観測で、そうなるべきだというエコノミストの展望とやらに かかっているが、中国はもっと現実的で、USドルが使える間に(いずれ使い物にならなくなる・・・)さっさと海外の資源を買いあさるだけ買いまくるという方針を立てている。

200兆円にものぼるUSドルの保有を減らすことと、同時にUSドルの価値を維持し続けることは、中国にとって、とても頭の痛い問題なのだ。(参照:http://www.theaustralian.news.com.au/business/story/0,28124,25960122-5017999,00.html )

今後この虎の子の200兆円にのぼるUSドルのリザーブを使って、オーストラリア、アフリカなどへ出かけていき、資源を買い捲ると考えられる。
その態度を 分析するといくつかの点が浮かんでくる。

理にかなう中国の方針という彼らの発言から推測すると、USドルを下げても構わない、輸出に頼らなくても自国の内需で十分に経済は回ると彼らは自信を持っているという点。これがまず第一。
次に、世界のあらゆる資源を自分の傘下におさめるべく、200兆円をいかに有効に使うかというところに、力を注いでいると言う点に 注目すべきだ。例えばオーストラリアならばRIOやBHPなどという大きなところに対しても、それこそ協調性など一切なく、強引に中国のやり方で押してくる。これが、第二点。
さらに、自国で消費をするために多くの事業を同時に行い、国内でバブル経済を起こそうとしているということが、考えられる。特に西区域の開発に力を入れている。西側の中国には多くの民族問題が顕在しており、ウイグルなどの問題に異常に反応するのも、彼らの抱えている問題の深刻さをうかがわせるには十分な証拠である。もし、政府主導の内需拡大がうまく作動しなかった場合、あるいは内紛などがさらに増えて海外メディアから注目され始め、信用問題から 海外から流れ込んできていた資本が引き上げられた場合などを政府は警戒しているはずである。これが、第三点。
すでに、ファイナンシャルタイムズを始め 多くの西側のソースが指摘している中国の発表する数字の信憑性の問題について、より それが不正確である証拠が、今後も次々に出てくるであろうことは、想像に難くなく、そうなると、世界を取引相手としている中国の信用度というソフトの面で大きく問題になるだろう。それは日本に、様々な中国製の農薬問題があったことで不買運動が広がったように、同じ動きがマスコミ主導でいつ、世界に大きく広がるかという、実際には時期の問題だけだというリスクを中国政府は、気がついているはずである。これが第四点。
アメリカや オーストラリアが言い続けている中国の人権問題は、黄色人種への差別問題と微妙に絡まっていると、私は見ている。たとえば、ハリウッド映画に、どのくらいアジア人種が出ているだろうか?ハリウッドでは、白人か黒人、あるいはユダヤ人などは、出ているが、世界の人口の3分の一にあたる黄色人種は、とても少ない。スターも香港映画の出身者はいるが、黄色人種が黄色人種としてのアイデンティティーで、ハリウッド映画の主役として何人ぐらい、セレブとして写真を撮られたり、あるいは、音楽性を認められたりしているだろうか?日本はアニメという実写を離れたところで、様々な映画を配信することに成功しているが、ストーリーが気に入ったら、アメリカでは必ず白人を使ってリメイクをする。ここでも、アジア人種に対する脅威と恐れ、その伸張に対する黄禍論が、どこかで今も脈々と息づいているとみる。実はこれが深い部分で 大きい。なぜなら中国はそんなことはすでに知っていて、逆にその点をより自国の強大な力を見せ付けることによって、相手を屈服させる方法を取っているからだ。日本人をバナナ(外は黄色で中は白)と言っていた時代からは随分経ったが、中国人は白人を差別する。白人を馬鹿にしながらしたたかにチャイナタウンを世界中に何世代もかけて広げてきたその 遠大な計画性には、どんな人種も太刀打ちできない。よくユダヤ人の優秀さが言われるが、彼らだってひとつの狭い空間で何年も過ごすことなど耐えられない。だが、中国人はかならずその狭い空間を自分たちの住むに適した環境に変えていく。この人種 対 人種のリスクが、第五点。

こん中で日本の円が強くなってきている。(参照:http://money.ninemsn.com.au/article.aspx?id=852783 )これは、日本経済がこれから泣き始めることを暗示している。実に中国の賭けによって、日本経済がまともにぶつかる荒波が目の前に展開しているからだ。しかし、200兆円という金額は、それ自体、あまり驚くには当たらないと日本のトップは考えるかもしれない。なぜなら、仮にそれでUSドルが一時的に落ち込んだとしても、いずれ回復できるし、日本がバブル時代に失った1000兆円規模に比べれば全くたいした問題でさえないと、比較することができるからだろう。

確かにその通りかもしれない。だが、私のもっと不安に感じているところは実は別にある。
それは、アメリカのデリバティブの問題が再浮上してくる・・・おそらくAIGあたりから・・・可能性なのである。アメリカの計画は底が浅く いつも目先の成功と 大統領の人気取りに終始している。これはアメリカのカルチャーといっていい事象で、実際に多くのマネージメント リーダーシップの本を読んでも、アメリカのカルチャーとして まったくそのように紹介されている。

特に、オバマ大統領の政策には薄っぺらい計画が多く、例えば、アメリカの小型車への援助が資金が底をついて、11月までの期間であった当初の発表を大幅に縮めるなど、笑えないほどのドタバタぶりである。(参照:http://www.ft.com/cms/s/0/d3a5a7ea-8dd6-11de-93df-00144feabdc0.html )アメリカの経済が、恥じも外聞もなくガタガタに崩れているのは、見ての通りで、ひどいなあ という程度では、表現が足りない。小型車の売れ行きが今後悪くなるなどというのは、分かりきっていて、その上に日本の円高が来ている今、私たちの置かれている環境は、じつに じつに、非常に心もとないもので、今回の日本の選挙で民主党が300議席を獲得しようとも、誰が総理大臣と呼ばれようとも、そしてその人がどれほど優れた人であったとしても、日本の置かれている状況はとても厳しく、まだまだこれから 大きな津波が押し寄せてくるということだけは、確かである。


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