Sydney Yajima


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出口

2009-08-30 08:11:56 | 世界情勢
「金融正常化、道半ば」 スウェーデン首相、財政赤字拡大を懸念
 【ストックホルム=瀬能繁】スウェーデンのラインフェルト首相は日本経済新聞との会見で、足元の欧州景気について「金融市場には厳しさが残る」と述べ、金融正常化は道半ばとの見方を明らかにした。一方で、景気対策に伴うEU各国の財政赤字の急拡大に危機感を表明。米オバマ政権が来年で景気対策を終えるとしている点を歓迎し、EUも非常時の財政政策を平時に戻す「出口戦略」の準備を急ぐべきだとの見解を示した。

 EU加盟27カ国の4~6月期の実質経済成長率はマイナス0.3%とマイナス幅は前期(2.4%)より縮小、独仏はプラス成長に転じた。だが、ラインフェルト首相は「財政出動で想定より早く好転しているが、一部加盟国の景気は極めて悪く、自律回復というには早すぎる」と語った。(07:00)

日本経済新聞記事より抜粋(参照:http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090830AT2M2803129082009.html)

このラインフェルト首相の言うことは、大変 もっともなことだ。
カンフル剤や点滴は、確かに急病のときには大事なことだが、危険なのは病人がそれに頼り切ってしまい、自立できなくなってしまうことだ。
今の経済回復と言われるものや、日本経済の輸出の陰には 常に世界中の財政出動が作用していることを、忘れていると 大変なことになる。
こういうときに、資金に余裕のある企業の代表であるトヨタなどは、R&Dに回せるので、次世代になると一歩先を歩むことができるが、危ないのは 現代 安い製品で利益率が少ないまま操業を継続して乗り切ろうとしている企業である。またこういう時期に 労組が強く会社の先行きを考えない従業員をたくさん抱えている企業は明日がないだろう。
会社には多くの役割があるけれど、きれいごとを抜きにして大胆に言い切るならば、ゴールの核になるのは 利益だ。利益を上げることを追求し、改善を継続しなければ、会社は投資家に利益還元をするどころか、その従業員の給料さえ支払えなくなる。これは、会社経営者にとって もっとも重要であるはず。
多くのビジネスは、利益率とその回収率をきちんと管理しないで 傾斜していく。これは、ひとつのビジネスケースではなく どんな企業 あるいは街角の小さな商売にいたっても もっとも重要なことではないだろうか?ましてや、国のことになれば、もっとも大事なことになるはずだ。

ビジネスはメンテナンスを常にかけてやらなければ うまく機能しなくなる。また企業内の血流を(コミュニケーション)毛細血管に至るまで、良くしてやらなければ壊死する。このスウェーデンの首相はそのことを十分に考えて発言していることに、私は感心した。

出口戦略という言葉に、それがあふれている。

この危機感は もっともなことで、アメリカも中国も、オーストラリアも、そして日本も、まったくその出口戦略を考えていない。もし、その余裕がない状態で、金融危機から一年以上経っているのに、まだ、霧の中なのだとしたら、この戦後最悪と言われている景気悪化は、まだまだ悪くなるということになる。
日本の非雇用率は5.7%になったが、このままだと、早ければ年内にいきなり数字が跳ね上がる可能性だってある。雪だるまの原理で数字が跳ね上がるので、場合によっては、10%・・・10人に一人だってありうる。それこそアメリカと変わらない数字になるわけで、そうなると、日本の経済の根本から崩れ去る。内需がなく、カンフル剤のなくなった輸出先からの需要もなくなるからだ。

この選挙が終わった後、景気対策は世界との外交を中心に打ち立てていく視点がなければ、国内向けのいい顔だけでは、日本は立ち行かなくなる。外交はストリートファイトを続けるファイターのような強さと、相手の顔色をうかがいながら気をそらさないようにする一流のホステスのような繊細さの両方を常に求められる。

果たして・・・今回の選挙 丁と出るか 半と出るか・・・




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