「さあさあ、時間と暇のある方は寄ってらっしゃい、見てらっしゃい!!」
「そこの青鼻をたらした、ガキは後ろ後ろ!・・・あ!奥さんの子供?
可愛いね~・・・」(愛想笑い)
「すましたそこの娘さんバナナを食べてるとお肌つるつる、きれいに
なるよ~ それ以上きれいになってどうするの! まっ!ほんの
お世辞だけどね~・・・」
「バナナの叩き売りだよ~ 500円でどうだ、300円、200円それでも
高い?そんならただで、持ってけ泥棒~」人垣が出来、集まった
客はクスクス・・・
口上販売の極めつけとも云われる、「がまの油売り」も昔、昔ありました。
白鉢巻きに着物、袴、たすきをかけ、日本刀を手にし、がまの油を売る、
名人芸引に込まれ、効き目のほどは分かりませんが、ついつい買って
しまいます。
陽気の良い季節、こんな路上での口上をのべながらの販売する
姿を見かけなくなりましたね。フーテンの寅さんもこんなだったのかしら?
昔はやはり路上で、台を置き、「詰め将棋」を有料でやったり、どこか
のんびりした姿があったものです。
車社会になり、物を売るスペースもなく、規制も厳しくなり、そんな
風景はなくなってしまったのでしょう・・・・
客を話術で引き寄せ、商品の効能を述べ、お客様を笑わせながら、
商売の基本とも云うべき口上士がいないのは寂しい限りです!
クラリネットに、太鼓、三味線もあり、面白、おかしく、ちょっと哀しい
広告のチンドン屋もお目にかかりません!
ネット販売も良いけど、どこか懐かしく、売り手、買い手のかけひきが
面白く名人芸とも云える、口上販売も良いものですね!