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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

北海道林木育種・50周年記念

2007-05-25 | 研究ノート
・北海道の林木育種の総会と50周年記念行事へ出席するために札幌へ向かう。札幌までは2時間以上かかるわけだが,この移動時間は書きかけの原稿をチェックするには実に貴重な時間である。ということで,トドマツ原稿をセルフチェック。勢いで書き下ろしているわけだが,細かく見ていくと,英語の言い回し,論理構成など,至らない部分も見えてくる。アブスト,結論なども,まだまだ改訂できそうである。ディスカッションについては,充実しつつあるものの,遺伝構造パートの流れがまだ悪い。言いたいことは固まってきているのだが,英語と文章の流れの問題が残されていることが良く分かった。

・滝川から札幌へ行く途中で,本日の公開討論会のプレゼンの最終チェック。時間的に10分程度になっていることを確認しつつ,パワーポイントファイルの手直し。この期に及んで,修正している場合じゃないんだが,普段はそんな暇すらなくなりつつある。理由は良く分からないのだが,“綱渡り感”は日に日に増している。

・午前中,総会に出席。普通はしゃんしゃんと終わるものだが,収支決算報告にプリントミス(それもとんでもないミス)があって,しばし騒然となる。今時,町内会でもこんなことはないでしょう,という感じなのだが,会計検査と報告書が5円合わないということで,肝心なことはあまり議論されないままに,皆さん夢中になってしまう。それにしても,50周年記念本は,原稿の目処は皆目見当つかないままに,宣伝だけが進んでいるような気もして,心配になってしまう。当方ものんびり構えている場合ではなく,とっとと揃えていかないと後で泣きを見ることは間違いない。

・記念行事では井出先生による基調講演。新しい林木育種戦略の紹介があった。一見,大きく変わらない内容に見えるのだが,行間を読むとこれは想像以上にきちんとした戦略が想定されている。これまで,途中経過を先生から聞く機会は何度かあったのだが,背景や全体を通して考える機会はなかったので,当方にとっては非常に勉強になった。

・特に印象に残ったのは,林木育種の第二世代化を進めていくための新たなシステム開発の必要性が明示されたことである。これまでにも,育種の波を起こしていくことは大庭先生や勝田先生の時代から指摘されていたのだが,第一世代から第二世代へと移行できていないのが我が国の現状であろう。これにきちんと光を当てて,システム開発の必要性を明示したことの意義は実は大きい。後は,これを具現化するためのプロジェクトの推進が必要だということであろう。

・公開討論会では,7人の話題提供があり,北海道の林木育種の現在の置かれている現状と課題が整理された,と思われる。当方もその一人だったわけだが,少しでもエゾマツ資源保続に向けた具体的な取り組みにつながってくれればいいと願うばかりである。これほど目的が明確で,しかも,やれば確実に成果が出るというテーマはない,と思うんだけど・・・。