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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

森の恵み

2008-06-30 | その他あれこれ
・終日、所内会議、ゼミなど。一日に集中させると大変だが、逆に考えればそれなりに効率的で、徐々にこのシステムに全員が慣れつつある。全ての予定を完了した後、恒例の(?)所内巡視。庁舎近くのヤマモモの実もだいぶ熟れていい感じである。



・少し歩けば梅雨時のせいか、大きく育ったキノコも発見。今日はクヌギの木に”キマワリ”がついているのも見ることができた。昆虫相も、一気に多様になりつつあるようだ。



・少し前まで、真っ白な花を咲かせていたエゴノキは、今度はたわわに実をつけている(食べられないけど・・・)。この樹種も、この地域を代表する種の一つである。”みのりの秋”の前に、各樹種の実はこのように着実に成長しているわけだが、当方の研究の”実”は果たして。明日から7月なんですけど・・・。


雨降り

2008-06-29 | その他あれこれ
・一日中、雨降り。上の子どもは月曜日からの期末試験に備えて、試験勉強。当方は下の子どもと一緒に飼育中の虫の管理など。この時期、産卵木がかびてしまいそうになるのが難しい。

・夕方から、久しぶりに「となりのトトロ」を親子で観る。いつ観ても、この映画はいい。七国山病院が妙に身近に感じられてしまう。ところで、三鷹のジブリの森美術館は未だに行けずじまい。近すぎると、いつでも行けると思ってしまうからなのかも。

・来週には当試験地で、利用者交流会なるものが開かれる予定。結構、たくさんの方々が来てくださることになり、少しほっとしている。

・アカエゾマツの原稿がTくんから戻ってきたので、こちらも改訂をしなければならないのだが、自分の原稿に手をつける前に片付けるべき課題が次々と湧いてくるのが不思議である。でも、そろそろ一気に修正作業をやらねば・・・。

ラムネとビー玉

2008-06-28 | その他あれこれ
・宮本輝の“草原の椅子”を読み終えた。思いがけない展開もあり,少し物足りない部分などもあったが,”人間の器の大きさ”を考えさせられた。このところ,自分の狭量さを感じさせられることがしばしばあり,まだまだだなあと感じさせられることばかりである。

・今日は幼稚園の夏祭り。一口で夏祭りといっても,”盆踊りしてお土産をもらって終わり”というわけではなく,アトラクションあり,手作り作品コーナーあり,手作り食品コーナーありで,飾りつけも実に本格的。バザーと文化祭が一緒にやってきたような感じ。

・子どもはもちろん大喜びで各アトラクションを楽しんだり、買い物を楽しんだり・・・と。当方にとっても、子どもの友達の顔がだいぶ分かった。天気も暑くもなく寒くもなく,カキ氷を食べて,久しぶりにラムネを飲んだ。ラムネは既にガラス瓶ではなく,プラスチック製になっている。前は瓶を割らないと取れなかったのだが、今ではふたを開けるとビー玉が取れる。このビー玉、なぜか宝物のように見えるんだよねえ。

通勤読書

2008-06-26 | その他あれこれ
・終日、弥生にて会議。もはや、満員電車の中で論文を読むのはあきらめて、文庫本を読むことにしている。今、読んでいるのは、宮本輝の”草原の椅子”。宮本輝の小説はほとんどすべて読んでいるのだが、久しぶりの長編小説である。

・本書は、主人公が中年男性(50歳)なのだが、徐々にそういう設定が身近に感じられるようになってきた。なかなか面白くて、あっという間に引き込まれつつある。2日間の往復で上巻を読み終わってしまった。我ながら、異常なスピードである。

・しかし、文庫本がないと、通勤のやるせなさは強まる。がら空きならいいのだが、身動きすらできないと”馬場”までの到着時間がやたらと長く感じてしまう(実際、朝はゆっくり動いているような気も・・・)。明日から下巻を読むことにしよう。

ニガナの気持ち

2008-06-25 | フィールドから
・本日、11時から小学校4年生の団体が来るので案内をしなくちゃということで、下見に行ったり、何をしゃべるかということを考えたりと準備をしていたが、先方は一向に来ない。なんでだろうと思って、Tさんに訪ねてみると、それは金曜日(27日)の話であった。当方のボケもここまで来たとは・・・。脱力。でも、とりあえず、こういう準備を一度しておくと、いざというときに慌てなくて済むかもしれない・・・と無理やりに気を取り直す。



・放心しているところ、偶然、ニガナのサンプリングに来ていたNさんと立ち話。この植物ニガナ(キク科)は、3倍体で受精しなくても新しい配偶体ができるしい!ちゃんとした黄色い可憐な花をつけており、一見、特別な繁殖様式を持っている植物には見えない。一体、ニガナは何を考えて、こんな繁殖様式を持っているのだろうか・・・。

・ニガナはいわゆる雑草だが、一方では、薬用にも使われているらしい。それにしても、路傍のさりげない植物にも、興味深いストーリーが隠されているものである。この植物は、花びらの数や葉の形態も変異に富むようなので、今度、気をつけてみることにしよう。

人工受粉の強み

2008-06-24 | フィールドから
・Yさん、Tさんとともに、アオキの人工授粉後の実の観察を行う。人工授粉した枝と花数をカウントした枝にはビニールテープが付いているので、実をカウントすることで結果率が出せる。ふと見上げると、付けたビニールテープがはげそうになっている。なんでだろうと思ったら、なんとビニールテープの下から発根し、根のせいでビニールテープがはげそうになっていた。いわゆる”空中取り木状態”になっていたのだろうか・・・。ううむ、たくましいぞ、アオキ。



・幸運なことに(?)試験地内で設定した母樹には自生タイプと非自生タイプがある(つまり、試験地内にも非自生タイプは既に定着している)ので、4種類の全ての組み合わせで結果率を比べることができる。問題はコントロール(すなわち、無受粉)の枝に実がついていなければ、受粉が成功したと見ることができるわけだが・・・。

・1個体目の無処理枝は、3花序(10-20花くらい)中、2花序でそれぞれ1個ずつの実が確認された。これはいわゆる受粉エラーであろう。しかし、2個体目、3個体目のコントロールは無受粉枝に実はない。一方、受粉した方の枝は、ある程度の結果率が認められそうだ(全体的に8割程度?)。オープンでもおそらく8割強なので、人工受粉自体は(奇跡的に)うまく行ったようである。結果をまとめて、交配タイプ(自生×自生、自生×非自生、非自生×自生、非自生×非自生)で結果率を比べると面白そうだ。



・それにしても、人工授粉はやはり強力なツールだ。なんと言っても、(うまく受粉が成功さえしていれば)結果がクリアーだし・・・。ところで、富良野にてKさんから「大きくならない実は全てタマバエに寄生されているのじゃない?」という恐ろしい指摘を頂いていたのだが、実を切ってみても昆虫の卵らしいものは見当たらない。やはり、受粉から結実までに時間がかかる(2年越し?)のだろうか・・・。

・と思って少し調べてみると、個体の配置などがアオキの受粉効率とタマバエの寄生率に及ぼす影響を調べた論文があることが分かった。この論文によれば、6月19日までの残存果実数/花数をステージ1の受粉成功率とし、これまでに落下した果実は花粉制限によるものとしている。これは、今回の人工授粉実験とも整合するので、非常によく理解できる。また、この時期からをステージ2として、12月までは果実数を定期的にカウントしている。本日は6月24日。偶然とはいえ、いい時期に調査できたみたい。しかし、特に、2年越しとは書いていない。ということは、これから実が大きくなっていくのだろうか・・・。



・農場への通路にはアカメガシワが花を着けている。これは雄木と雌木があるようで、なかなかに派手な花である。なぜか雌雄異株が目に付くような気がするのだが、単に自分の好みのせいだろうか・・・。

New白い恋人

2008-06-23 | 研究ノート
・久しぶりの職場復帰。今回のお土産は、以前話題となった(?)”白い恋人”。なぜか、事件後に人気が高まるという不思議な現象が見られているのだが、富良野で事件以降に美味しくなったという不思議な噂を聞いた。とたしかに、フレッシュになったような気もするが・・・。ま、気のせいであろう。

・色々と溜まった処理やメール書きだけで、時間が経過してしまった。落ち着いた後、富良野で取得したデータを入力。やはり、トドマツ標高別の球果数がなんとも面白い。これはもう少しひねってみると面白そう。そういえば、トドマツ交雑論文はとりあえずEdlitor Rejectを免れて、審査段階へと進んだらしい。それだけでもホッとしてしまうのは被害者意識が強すぎるのか。

・富良野滞在中に、Hくんから日本森林学会誌に投稿していたトドマツ更新動態論文が受理されたとの連絡を受ける。一年がかりのプロセスだが、就職していながら、よくぞ、途中で投げ出さなかったものである。えらい!。2回目に審査結果が戻ってきたときには、これは無理かと思ったほどだったが、ここまで来ると感無量である。どんな論文でも受理されるまでの苦労は同じである。

手作りグライダー

2008-06-22 | その他あれこれ
・午前中に雨が一瞬上ったので,少しだけ,サッカー。少し動くとシャワーが欠かせない。駅前で買い物をしたところ,産卵木があったので購入。一日水に漬けてから,おがくずの中に埋めるらしい。野球のプラスチックバッドも買う。考えてみれば,野球のキャッチボールをやっていなかったのだが,急に球技に興味が出てきたみたい。

・午後からはずっと雨が降り続いている。ずっと家にいると,子供も体を持て余し気味である。ふと思いついて,手作りグライダーに挑戦することに。ネットで少し調べると,案の上,雨の日のお父さん向けの講座があり,作り方も丁寧に書いてある。発泡スチロールのトレイを使うグライダーの製作に挑戦。といっても,型紙どおりにカッターで切り抜いて,クリップをはさむだけ。



・クリップを少し変形して,輪ゴムで飛ばせるようにすると,案外といいスピードで飛び出すミニ・グライダーが完成。晴れたら,公園で飛ばしてみたい。

・昨年、当方が会長を勤めた富良野のミニバスは、相変わらず、実に頑張っているようだ。今でも、MLで試合結果が流れてくるのを見ては,家族でおおーと盛り上がっている。昨日は強豪チームに感動的な(たぶん?)2点差の勝利を挙げたのだが,今日は準決勝で強いチームに敗退したらしい。今度,富良野にいくときに,見に行きたいものである。

フロ単

2008-06-21 | その他あれこれ
・午前中、子どもとサッカー練習。いつの間にか、キックの力が強くなった。しかし、この辺の近くの公園ではボール禁止のところが多い。一体どこで遊べというのだろうか・・・。

・3時ごろからバスに乗って吉祥寺へ。ロフトで上の子どものための単語帳を買う。ふと見ると、”フロ単”なるもの(お風呂でも使える単語帳)が販売されていて、思わず購入してしまった。当方も単語帳にはお世話になったクチだが、フロ単はなかったねえ。

・それぞれに、少しずつ買い物をし、駅前のフードコートで食料品を少々買い込んで帰宅。やはり吉祥寺は楽しい。夏に向けて、涼しげな服が欲しくなる季節である。オオクワガタのための産卵木は見つからず・・・。別のペットショップに探しに行こう。

ブナ晩霜害

2008-06-19 | フィールドから
・昨晩はレンタカーで到着したTさんと色々とお話ができた。Tさんも講義を担当されているとのことだが,いわゆる講義用のプレゼンのほかに板書用の資料もきちんと用意されているとのこと。そのほか,色々と使えるアイデアを頂いて,大変参考になった。Kさんの師匠であるK先生(ややこしい)は「教壇は俺の劇場だ」と語っていたそうで,なるほど,そう思えば,先生は俳優として完璧に演じなければならんということになる。身が引き締まる思いである。



・樹木園にてブナ産地試験の晩霜害をみんなでチェックする。とりあえず,全個体の被害度をざっと押さえておくということで,指数調査。北の産地のものが霜害に強いということはとりあえずなく,少なくとも東北は厳しい状況。一方,秩父産は割合と被害が少ない。結構産地間で差がありそうな予感を感じさせる結果。結局,5月9日時点で芽が出ていたものは軒並みやられてしまい,遅く芽を出す個体はほとんど被害がないものもあるということらしい。残念ながら,今年度の開芽フェノロジーの結果はないが,2年間で個体の開芽順位はかなり安定していたので,順位と被害度の関係をまずは見てみるのが面白そうである。

・苗畑に近い小さな方のブナ産地の調査はTさん一人に任せて,3名でトドマツ標高別の球果カウントの続き。410,340mの産地になると極端に球果数が減り,全く着いていないものもが大多数である。Reproductive scheduleの違いか・・・。ところが,230mになると逆にかなりの球果を着けているものが多い。今度はサイズが一定の閾値を越えたということなのだろうか・・・。おそらくは色々と含蓄のあるデータになっていると思われるが,まずは貴重なデータが取れたことに安心。

・早めのお昼を食べて,交雑試験地の球果カウントを行う。こちらは背が低いので見上げるだけで大丈夫。低標高×低標高は全く球果がついていないので,すいすいと完了。高標高×高標高でも雄花痕は見られるものの,球果はなかなか見つからず,これはまだ球果をつけていないのだろうかという気がしたところで,高標高×高標高の個体で球果を着けているものを発見!おおっ,やはりあったのか。その後,高標高×高標高で3個体,高標高×低標高でも1個体が球果を着けていることが分かった。



・全ての調査が無事完了し,Uくんの家系競争試験地をみんなで見に行く。これは実は学会でも評判が高かったらしく,2人とも面白いといってくれた。Kさんは根の競争が家系間と家系内で異なるのではという指摘をしてくれた。つまり,根が同じ家系だと避けあってしまうということである。実は、ススキで既に興味深い先行研究があり、タッパーウエアを利用した室内実験でそれを検証した例があるらしい。やっぱり、こういう人たちと現地で議論すると、色んな話が飛び出してきて実に良い刺激になった。駆け足の3泊4日は少々疲れたが、とても充実。ところで、天気は最後まで大丈夫であった。いやはや、珍しい!