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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

文献の束

2007-11-30 | 研究ノート
・昨日に引き続き、静かな一日。まずは講義準備だ。とりあえず、本講義のレジュメを作成。参考文献や図表を整理して、とりあえず完成(ということに)。次いで、投稿論文執筆ゼミのスライド作成。やってみると案外サクサク出来てしまった。本番がどうなるか、自分でもよく分からないが、それなりに面白い講義になるのではないだろうか(と、半ば祈るような気持ちだったりして・・・)。

・午後から、いよいよトドマツ交雑論文の考察パートの執筆作業。ノートに書きつけた文章の切れ端やこれまでに集めた文献を机一杯に広げて、うんうんうなりながら作成。人には見せられんよ、この姿・・・。集めた論文は41に及ぶ。こうしてどんどん厚くなっていき、持ち運びが大変な状態になる。この中で論旨に影響するほど重要なのは10くらいなんだけど・・・。まあこの辺で、必要なものととりあえずファイルにしまっていいものを峻別する時期だろう。



・論文修正とか引用文献のBibファイル作り、時折、イントロやマテメソも修正しながら、何とか最後まで辿り着いた。今回はTexがらみのトラブルもなく、快調であった。うむ、今日はかなり進んだ気がする。ここからの吟味がまたまた必要なんだが、まずは上出来であろう。

・久しぶりにバスケットの練習会場へと行く。いつの間にか、3-4年生もずいぶん上手になっている。明日はバスケットの練習試合&忘年会である。

Keller et al. (2000) Journal of Applied Ecology

2007-11-29 | 研究ノート
・今朝は実に寒かった。Tさんによると、富良野では-12.7度だったらしい。寒くなると空知川から水蒸気が立ち上り、何とも幻想的な風景になる。こうした日は例によって快晴になる。



・昨日の続き。講義準備。文献をさらに加え、一応、形になってきた。本講義の方はこのくらいまで仕上げておけば何とかなるだろう。スキャナーを利用していくつか論文の図表を取り込んだり、と。

・気が重かったレビューを一つ片付ける。多少、英文が変かもしれんが、これ以上悩んだところで結果は変わらないもんね。ついで、所内の仕事も手をつけて、少々気が楽になる。

・ということで、午後から久しぶりに文献読み。Keller et al. 2000 Journalof Applied Ecologyを読んでみる。Restoration Ecologyがらみの論文で緑化に利用される普通種、Agostemm githago, Papaver rhoeas, Silene albaの3種(繁殖様式、生活史特性が異なる)について、スイスの自生産にイギリス、ドイツ、ハンガリー産の花粉を交配して、F1とF2のパフォーマンスを見るというもの。F2が普通に出てくるところ、さすがに草本商業種は進んでいる。

・親同士のバイオマスを比較すると、基本的に自国のスイス産は他国産よりもパフォーマンスがよく、Home-site advantage仮説が成り立つ。ところが、F1は必ずしもスイス産よりも低下するわけではなく、かえってHybrid vigorが認められるものがある。しかし、F2になるとエピスタシス効果でパフォーマンスはほぼ例外なく落ちる、という非常にきれいな結果である。

・興味深いのは、Agrostemma githagoの結果だ。スイス産とドイツ産では親世代は同等のパフォーマンスを示し、F1も同程度である。ところが、F2になるとガクッと落ちる。したがって、親世代の相互移植だけでは計り知れない仕組みがあるということになる。ううむ、奥が深い・・・。

・ところで、この論文を読んで、ヘテロシスを誤解していたことに気が付いた。親世代の自国産のバイオマスの平均値をP1、他国産の平均値をP2とすると、ヘテロシスの効果があるという場合には、親同士の平均値(0.5×P1+0.5×P2)として求められる期待地に比べて、F1のバイオマスの方が有意に大きいことを言うようである。

・Hufford & Mazor(2003)では、遠交弱勢という用語はもう少し広義に使っているようだが、本来はF2世代以降のエピスタシス効果によるパフォーマンスの低下を示すことが多いようである。トドマツ交雑論文でも、用語には注意する必要がありそうだ。トドマツの場合、むしろ、この期待値とほぼ同じところにF1の値が落ちているので、ヘテロシスは起こっておらず、Dilutionが起こっているとするのが正しい解釈で、F2以降についてはやはり「やってみないと分からない」と考えるのが妥当かもしれない。それにしても、やっぱりちゃんとした論文を通読せんといかん。

雪国の暮らし

2007-11-28 | 研究ノート
・窓の外では雪がしんしんと降っている。雪国だ。講義資料をTexで作ろうとしたのだが、bibファイルの一つの文献のページの”-”が全角になっていただけで、Tex自体がこけてしまった。その原因を追究するだけで、大変なことになり、Iくんも巻き込んでしまった。相変わらず基礎的なところでこけると全く復旧不能となるのが、当方の実力である。しかし、講義資料くらいだと最初からイメージがしやすいワードやパワーポイントの方がいいようにも思えてくる。要は使い分けることが大事なのであろう。

・うどん屋におにぎりを持ち込んでカレーうどんを食べると、実に腹いっぱいである。一向にペースの上らない講義準備はどうしたものだろうか・・・。ううむ。投稿論文執筆ゼミの方も、既に配布資料は”本”みたいな状態になっているので、かえって使いにくい感じ。ということでこちらも、パワーポイントでスライドを作成するべきであろう。ううっ、間に合うのか・・・。

・午後から講義準備、再び。やはりワードで作成した方が早かった。もう少し文献や資料集めが必要だが、明日にはなんとかなるであろう、といい調子でやっていたら、3時から交通安全講習だということであたふたと作業を終える。交通安全講習では雪道の運転の注意など。確かにスリップは怖いよねえ・・・。講習の最後に、薬物や出会い系サイトの危険などについて、ためになる(?)お話をして頂いた。そちらの方が印象に残っている人も多かったりして・・・。

・講習前後までバタバタしていた科研申請の書類チェックだが、5時半過ぎになるとぱたりと人が途絶える。もしかするともしかするのか(意味不明)と思い立ち、Iさんと各人の状態を確認してみると、いつの間にか当方のところから全員が巣立っていったようだ・・・。大きくなって(採択になって)、戻って来るんだよー・・・。

卒業間近

2007-11-26 | 研究ノート
・富良野駅でIくんをピックアップして職場へ向かう。雪の時期は列車のトラブルも絶えない。早速、各種打ち合わせ。トドマツ交雑論文についてお互いの役割分担と方針確認。こちらは順調で、一気に勝負をかけたいところである。考察についても方針はほぼOKなので、後は関連文献集めが一つの仕事である。

・集めるべき文献は、遠交弱勢とヘテロシスに関する論文、ストレスを受けた環境産のものが早く開花する論文、樹高とDBHの関係に関するアロメトリー的な論文、といったところである。既にいくつか候補があるので、それぞれに集めていけば見えてきそうである。直接関係なさげな別の角度からの文献のレビューが考察を面白くするためには重要なんだよね・・・。

・投稿論文執筆講座でも、いくつかTeXがらみの問題がIくんのおかげで解決した。非常にしょうもないことなんだが、こういう打ち合わせで一気に進むようになる。ついでに、本講座のレジュメも図入りで作成してみる。EPSファイルさえ作ってしまえば簡単である。

・科研奨励研究は締め切り間近。ということで、例によって、色んな書類をバタバタと見ていく。それぞれにだいぶアトラクティブになってきた。現時点で2名が卒業した(はず・・・)。明日が勝負、か(!?)。

初滑り

2007-11-25 | その他あれこれ
・昨晩は大学の後輩で、札幌在住のIくんが嫁さんと子供を連れで遊びに来てくれた。子供は1歳7ヶ月ということなんだけど、愛嬌があって、めちゃくちゃかわいい。ということで(?)、昨夜は色々と話しながら少々飲みすぎて、Iファミリーが帰った後も、今日は一日ぼーとして過ごしてしまった。

・真駒内に住んでいるとのことだが、家の近くの美味しいパン屋で購入してきたというパンをお土産にもらったので、早速、朝食に頂く。なるほど、かりっとして香ばしい。家の近くに美味しいパン屋があるってのはうらやましい。大事な要素だよね。



・午後2時くらいから家の前の通りで、子供にスキーを履かせて縄跳びロープで引っ張る。去年は一人で降りてくることができなかったので、今年は何とかマスターしてほしいところである。しかし、ハの字にして雪を押さえる感覚がなかなか教えても伝わらない。やっぱり山で転んで自分で学ぶしかないのかもしれんなあ。

魅惑のボジョレー

2007-11-23 | その他あれこれ
・5時起床。お茶だけ飲んで5時半ホテル発。目覚ましテレビで大塚さんが言っていたとおり、風が強くて体感気温は低い。こんなに早い時間なのに山手線はそれなりに多い。山をやる人とかもいるみたいだ。

・7時40分発の飛行機にもかかわらず満席。いくら連休だからといって、旭川に何の用だろ(余計なお世話だけど・・・)。機内で、トドマツ交雑論文の考察を考える。1パラグラフと2パラグラフはほぼ完成。もうちょっと時間が欲しかったくらいだ。McKay et al. (2005) Rest Ecolのレビューも色々と使えそうである。ただし、草本も含めて交雑F1のパフォーマンスに関する論文では、遠交弱勢とヘテロシスの両方の結果を押えておく必要がありそうだ。



・旭川空港では一面の銀世界に都会の人々は感動していたが、当方にとってはため息ものである。しかし、心配したほどの雪の量ではなく、車の上にはせいぜい15cmくらいしか積もっていなかったので、あまり問題なく発車できた。雪の量は、むしろ富良野の方が多かったようである。

・美瑛の土井酒店でボジョレーヌーボーを購入。夕食時に飲んだみると、上品ながら深みがあって、すごく美味しい。これまでスーパーなどで購入したボジョレーは酸味が強く、薄いと感じることが多く、ボジョレーってそんなもんなのか、と思っていたのだけど、あれは本物じゃなかったからだったのか。こりゃ、すぐになくなりそうである。

うどんの挑戦状

2007-11-22 | その他あれこれ
・東北では1日で1m近く雪が降ったらしい。Oさんからも季節はずれの大雪のニュースが・・・。旭川空港に置いてきた愛車ステラはどうなっているのだろうか?さすがに、雪下ろし道具は積んでいるのだが、スコップがないと車が掘り出せないかも・・・どうしよう。

・本日は朝9時半、午後1時、午後3時から会議3回。農学部ってこんなに先生がいたんだ・・・。初参加なので色々と面白かったが、挨拶なぞをしたんで少々気疲れ・・・。3時からの会議はさくさくと終わり、20分ほどで報告・審議事項は完了。本会議終了後、アカデミックハラスメントの講義(?)があった。どこかで見たことがある人だとおもったら、以前、富良野をご案内したことのあるK先生だった。飄々とした語り口で笑いを誘いながら、大切なポイントをきっちり押さえておられて感心しきり・・・。

・これまで気になりながらも素通りしていたうどんや”雅楽”で,てんぷらうどんを頂く。手打ちの太麺でしっかりとしたコシがあってうまい。ツユも薄味で好みである。メニューの表面には”挑戦状”(!)と書かれてあり,うどんの中のうどんと銘打っているだけのことはある。

・講義準備。投稿論文執筆ミニ講座のレジュメ(っていうか,本みたいになってきた)が大体完成。思ったよりも参加者が多そうなんで,どういう感じで進めたらいいか考えておかないといかんねえ。

Winter wonderland

2007-11-21 | フィールドから
・6時半起床。都心部は朝焼けに輝いている。それにしても雪がないって楽だねえ。旭川空港に戻ったときに車がどれだけ埋もれているかが当方の関心事である。

・午前中、トドマツ標高間交雑試験地の論文執筆を進める。不思議なことに、思いがけずぐぐっと進んでしまった。というわけど、Iくんにいったん送信し、TableとFigureの整理をお願いする。全体的に、すらすらといきそうな予感(甘い予測?)。

・東京ではクリスマスイルミネーションがあちこちで展開されている。当方のホテル正面でもきらびやかな飾り付けが華を添えている。富良野だと寂しい限りなんだけど、都会ではこれからクリスマス一色、なんでしょうねえ・・・。

東京生活

2007-11-20 | 研究ノート
・旭川空港から東京へ。順調に走行していたのだが、いきなり旭川空港直前で車がストップ。なんでこんなに動かないのかと思ったら、やっぱり2台による衝突事故。片方の車のフロント部分は完膚なきまでに崩壊していた。やっぱり雪道は怖いねえ。なぜか、林長車が当方のステラのすぐ後ろに居て、お互いに顔を見合わせる場面も・・・。

・飛行機は思いがけない(?)逆風らしく(予測しろよ・・・)、予定通り(?)20分の到着遅れ。この程度の遅れは想定の範囲内で、飯田橋のホテルに荷物を預けても、1時半には東大に到着できることがわかった。よほどのことがない限り、12月の講義も2時までには到着できるであろう。

・2時から論文の打ち合わせ。Restoration系(Conservation系?)で、現在執筆中のトドマツ交雑論文とも重なる文脈は多い。当方にとっても、色々と考えさせられて、いいトレーニングになった。それにしても、投稿論文を書くのに、皆さん、色んな方面で苦労している。やっぱり、投稿論文執筆ミニ講座は必要かもしれないねえ・・・。

・ノースフェイスのダウンを着ていったのだが、やはり季節感が合わないようで、電車の中はかなり暑かった。が、夕暮れが迫るにつれ、妙に寒くなってくる。東京でも既に木枯らしが吹いたらしく、暗くなるとともに不思議とダウンがおかしくないようになった。

・打ち合わせ後、ふらふらと弥生を歩いていると、あっという間にトラップされてしまった(半ば期待していたという話も・・・)。と、突然、D論審査のためのプレ・プレゼンを見せていただけることに。英語のD論を審査するのは、少々気が重かったのだが、今回のプレ・プレゼンによって、だいぶ内容を理解できた。育種の王道のような論文で、当方にとっては非常に楽しい内容であった。しっかし、日本で、このような内容のD論は最近ないかもしれないねえ、寂しい限りだけど・・・。

トドマツ交雑論文、執筆開始

2007-11-19 | 研究ノート
・いきなり白い世界になっている。車に積もった雪は5cmを超えている。いつかは来るかと思っていたが、やっぱり降るんだねえ・・・。ため息とともに雪を払い落とす。最初の運転は本当に怖い。そろりそろりと職場に向かう。

・出張命令とか色々手続きを忘れていたので、書類作成あれこれ。その他、連絡調整業務。落ち着いた後、しばらく講義準備。必要な文献や本のコピーを取ったり、図表をスキャナーでデジタル化したり・・・と。イマイチはかどらない。

・午後から、ついに交雑論文に着手。地がき論文のTexファイルを書き換えていくが、図表まわりとか、引用文献まわりが邪魔をしてなかなか完成版が見れない。ようやく、イントロの一部を書き込んでエラーがでなくなった。と、おおっ、相変わらず仕上がりが美しい(文章はめちゃくちゃだけど・・・)。

・今回は完成までどのくらいかかるだろうか。今回は、復元生態学的、保全生態学的な文脈でのアトラクティブさには、実は、自信(根拠はあまりないが・・・)を持っているんだけど、はたして・・・。