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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

カフェ好きなるがゆえに

2008-02-29 | 研究ノート
・午前中、Kさん、Iくんとアカエゾマツ局所適応の打ち合わせ。学会発表や論文作成のための筋書きを考える。形態、生理、アロザイム遺伝変異と発散しっぱなしだったデータをまとめることができるかどうか・・・。とりあえず、主題がようやく見つかった(ような気がした)ので、それに合わせて来期の活動方針もようやく決定された。極寒の調査となった今回だが、今日は急にあったかくなった。ま、お二人が札幌に戻る道路が安全なのは何よりである。

・午後からPCRをしてあったライラックの電気泳動。さらに、バンドはさらに気合が入り、ほぼ自信の持てる結果が得られた。ただ、DNA鑑定という代物は、はっきり決定できるがゆえに非情なところもあり、関心を持つ人々の”思い入れ”を打ち破ってしまうこともままある。結果報告をするときには、慎重にしないといけないだろう。

・唐突だが、当方は民間のY社に勤めたことがある(なぜか営業職!)のだが、そのときの同期のY氏は脱サラ後、静岡県の磐田でカフェ&スイーツ「ニコ」というお店を奥さんとともに営んでいる。一度、訪ねていったことがあるのだが、お店のセンスが素晴らしく、珈琲はもちろん、パンとお菓子も美味しい。近くにいれば、毎週のように行っているであろうカフェである(お近くに行かれた時には、ぜひ訪ねてみてください)。ちなみに、ニコのブログは写真がたくさんあって、コメントも楽しい。



・今回、子供の幼稚園の友達に渡すためのクッキーをニコでお願いしたところ、素敵なパッケージに入ったクッキーが届いた(1セット@200円)。美味しそう!こうした贈り物は、後に残らない食べ物が”粋”だと思う今日この頃で、色んな場面で使えると思う。不思議なもので、そう思い始めると、なにやら楽しみが増えたような気になる。お菓子の贈り物、皆さんもよかったらぜひ。

体感気温

2008-02-27 | フィールドから
・直営生産チームに協力したもらい、アカエゾマツ湿地林(上と下)の樹高、樹冠幅などの調査に行く。午前中は我々だけで調査し、お昼時にKさん、Iくんと合流するという計画である。今回は平らな湿地林だけにあっという間に終わるのではないかと思われたが、なんと昨日は行けた前山ゲートまでの車道が雪の吹き溜まりによって通行不能になっている!

・麓郷方面はさえぎるものがないせいか、雪は吹き抜ける風にただただ吹き寄せられてホワイトアウト状態である。吹きすさぶ風に目が痛い。たまたま一緒になったミズナラ調査隊と顔を見合わせると、「ほんとに今日やるの?」的な視線が交錯しているような・・・。とりあえず、無理やりジープでモービル設置場所まで取りに行き、車は入り口まで戻して再びモービルで調査地まで行くことになった。ということで、前山下湿地についたのは既に10時半ごろである。

・この湿地林を冬に訪れるのはおそらく初めてであるが、相変わらず、太古の風情をかもし出している。原始の森とでもいいたくなるねえ・・・。



・湿地につくとそれほど風も気にならなくなる。確かに、樹形は他のサイトとは違うように見えるが、これを樹高や樹冠幅はうまく表現できるのであろうか・・・。時折、強い風が吹くと、樹木に吹き寄せられた雪がふわっと舞い上がり、幻想的な風景になる。



・お昼時に合流してみんなで上湿地調査をしていただいている間に、当方とKさんと二人で11林班までの道をあらかじめ踏んでおくためのモービル往復。新雪をモービルで運転するのは難しい反面、慣れてくると気持ちいい・・・かも。思った以上にふきだまっていて、トラバース的な走行をせざるを得ない場面もあったが、そこは研修の成果、なんとか”はまらず、とまらず”走りぬけることができた。




・モービル往復を終えて戻ると、既に調査は完了している。改めて上と下を比べると、林分全体の活力(健全度?)みたいなものがだいぶ違うようだ。下ではかなり更新もしているようだが、上ではほとんど認められないし・・・。

・次のプロットの蓄積調査を終えると既に3時半過ぎである。寒い中、ご協力いただいた皆さん、お疲れ様でした。しかし、今日の体感気温の低さはただものではなかった。8時半ごろから子供を寝かしつけると同時に、そのまま就寝となってしまった。

隠れテーマ

2008-02-26 | フィールドから
・庁舎前のヤチダモ大木(雌)は毎年かなりの種子をつける。現在、種子散布時期のようで種子がさかんに落ちている。何気なく眺めていると、枝先に小鳥が群がっている。よく見ていると、種子をつついているようだ。ヤチダモ種子を鳥が食するというのは初めて見た。Mくん、Fくん、Oさんたちと双眼鏡などで調べるうちに、その鳥の名前は「ウソ」であることが分かった。それだけ餌に困っているということであろうか・・・。



・13・14林班の検討会。途中までは車でポイントに寄りながらの検討。楽でいい反面、面倒だからとスキーをはかずに済まそうとすると、どうしても道からプロットを眺めることになる。思った以上に、林内の様子や穴の感じなどがよく分からないというデメリットもあるわけで・・・。



・倒木更新によって成立した一列の群。これを写真に撮ろうといつも思うのだが、なぜかうまく感じがでないんだよねえ・・・。

・この辺りは標高650mから700m程度の平らな場所であるが、エゾマツ、トドマツ、ダケカンバを主とする疎林が続く。風害を受ける前は、全然違う林相だったんだろう。ただ歩くには楽しいところだが、「更新が悪く、本数が少ない」という取り扱いの難しい森林が続く。

・その上、”湿地がかっている”上に粘土質という、地拵えも難しい場所も多いらしい。最終まとめで、自分なりの意見を述べるがうまく説明しきれずに沈没。その後、ぐるりと議論が回った後で、ベテラン職員のOさんが同じ内容のことを言うと、不思議なことに、なぜかみんな納得したようである。

・時期尚早だったのか、経験の違いか・・。言葉を生業としている当方にとっては情けない限りだが、少し引いたところから眺めると、これはなかなか面白い光景でもある。同じ内容でも人によって、受け入れられるどうかが異なるか否か、というのは司馬遼太郎が名著「竜馬がゆく」を書き綴る中での隠れテーマでもあり、当方にとっても興味の尽きないテーマである。

ヒノキ論文、投函

2008-02-25 | その他あれこれ
・終日、チェーンソー講習を受ける。以前、一度受けた覚えがあるのだが、正式な記録として残っていない。ということは、途中で抜けたりしたのであろう。しかし、改めて講習を受けると色々と確認できて、なかなか有意義であった。講師が当機関の技術スタッフということもあり、講義途中でいちいち質問できたことも非常に有難かった。

・午後から合宿横の伐倒木の玉切りなど、実技講習。足場の確保と立ち位置を決めるのが案外と難しい。左足と右足の置く位置が悪いせいか、妙に手に力が加わってしまう。90度傾けてチェーンソーを使う場合(つまり横向き)、なかなかアクセルを握る手に力が入らなくて難しい。うまい人がやるのを見ると、いとも簡単に扱っているのだが、まだまだ訓練が必要である。

・Hくんからトドマツ更新論文の修正原稿(第3弾)をついに投稿したという連絡を受ける。国家公務員としての多忙な業務の最中、よく頑張っていると感心。こちらも、ついにヒノキ論文を仕上げて、コピー3部とともに投函。いまどきOld fashonな投稿スタイルだが、今回は妙に和む作業であった。ヒノキ論文を執筆するために持ち運んでいた引用文献をファイルに仕舞うと、ようやく一段落した気持ちになる。

・ライラック品種分析の続き。なぜか8サンプルにした途端にうまく行かなくなったので、DNAを調整しなおして再び6プライマーで分析。今度こそ、びしっと決めたいところである。

・6時から小学校に行き、バスケットの新チーム名を選考する作業。思った以上にアンケート結果はばらついている。人気の高かった名前の中から、2つにまでは絞り込むことができた。しかし、最後の2つは選考委員会の中でも真っ二つだったので、最後は総会で話し合って決めることになった。どちらにしてもいい名前であるが、最終的にどちらに落ち着くのかだろうか・・・・団旗更新も楽しみである。

参観日

2008-02-24 | その他あれこれ
・今日はバスケットの6年生大会ということで子供は旭川の当麻へ。色んな学校の6年生が集まり、学校の枠を超えてゲームをしながら交流しているそうで、なんとも楽しそうである。当方は幼稚園の父親参観へ。毎年、趣向を凝らしているこのイベントだが、今年の目玉は買い物ゲーム。5つのお店に分かれて、それぞれに趣向を凝らした商品を考えている。

・前半はお店当番ということで、子供と一緒に呼び込み。紙で作ったお金(10円)を出して、品物(箱とかで子供たちが自作した作品)を買うというイベントである。売り子になると、やはり”売り切れ御免”の札を出せるように、子供たちも一生懸命。全部売れるとみんなで飛び上がって喜んでいた(実は、当方も嬉しかったりして・・・)。

・後半は買い物。5つの店を次々と訪れながら、買い物をする。人気商品はあっという間に売切れてしまうので、どれを選ぶかが一瞬の判断が重要である。10個ほど品物をゲットして、なにやらすごい買い物をした気分になった。セールを制覇(?)したときって、こんな気分だったりするのかも・・・。



・車を停めたところには、ヤチダモやオオモミジ(?)の種子が雪の上に落ちている。樹上を見れば、ヤチダモ種子はだいぶ落下しているようである。どうやら思っていた以上に種子散布は遅くまで起こり、2月中旬から3月くらいの積雪期にかなりの種子が落下するようである。

新雪と吹雪き

2008-02-23 | その他あれこれ
・伸びっぱなしになっていた髪を切り、ようやくすっきり。後ろ髪が首にかかるとうっとうしくて仕方がなくなってしまう。髪を切るという行為は、当方にってのストレス解消の一種である。

・午後から子供たちを連れて富良野スキー場へ。今日は朝から重たい雪が降っている。スキー場でも細かい雪が降っており、条件は新雪。今まではすいすいと滑っていた子供たちもこの条件には悪戦苦闘。頭から雪につっこんだり、へんなところでこけたり・・・。それでも、徐々に対応してしまうのだから、適応能力たるや、たいしたものである。

・3本目になると、いよいよ雪が降りしきり、目を開けているのも辛くなってきた。スピードを出すと、顔に雪が当たって痛いくらいである。いうことで、3本滑ってあっさり本日のスキーは修了。地元スキーヤーは悪天候には弱い。

実験三昧

2008-02-22 | 研究ノート
・引き続きライラック分析。スクリーニングは無事に進み、いくつかめぼしいプライマーも見つかってきた。ここで安心して放置すると、何かよく分からない原因によって、途端にダメになったりする。そんなわけで、ここは一気にけりをつけたいところだ。集中すると不思議と実験もうまくいくようになるもので、バンドも次第に”気合”が入ってきているように見える。



・ちなみに、4サンプル/プライマーのこの画像だと、6種類のプライマーの結果が表示されている。見ての通り、左から2番目と4番目は増幅していない。左から5番目はうっすらと増幅するも単型なので使えない。3番目は一見多型だがたぶん不安定。1番左と1番右が候補ということになるが、おそらく1番左は識別には微妙(にダメ)なので、1番右だけが最終的に残るのではないか、というのが当方の長年(?)の勘(職人技か・・・)である。

・北方林業に投稿中だったエゾノウワミズザクラの原稿が、軽微な修正で受理(?)ということで戻ってきた。しかし、専門用語をもう少し分かりやすく書かないと、一般読者には分かりにくい、ということで・・・。指摘を参考にしつつ、速攻で直して編集部に差し戻す。4月号掲載予定だそうで、平沢湿地林関連の初レポートとなりそうである。

・北大のKさんより川渡行き間際のトドマツ種子散布論文の修正案に対する返信メールを頂く。当方の修正案では、直したつもりのURLアドレスが修正されていなかった。直した記憶があるのだがおかしい・・・。次いで、Lさんと電話相談。今度はLさんに送ったはずのファイルが届いていないとのこと・・・。当方の健忘症なのか、はたまた、何らかのトラブルに巻き込まれているのか・・・。

・プライマー・スクリーニングは順調に進み、ついに、60プライマーから(強引に?)12のプライマーを選んだ。8サンプルでいよいよ本格的な識別のためのPCRをかける。さて、どんな結果が出るか・・・ここが一番の楽しみである。実験室にこもって、”チップ詰め”なんぞをいたしていると、次第に頭が真っ白になって”無の境地”に近い状態になれる。ついぞ忘れていたこの感覚・・・。やり始めると面白いねえ、実験は。

鹿寝床

2008-02-21 | フィールドから
・実習下見ということで、樹木園へ。鹿道をトレースしながらポイントをGPSで落とすと同時に写真を撮影していく。食痕もササだけではなく、タラノキ、ニセアカシアなど”とげとげしい”ものもよく食べている。トドマツ人工林の下には少しずつはなれて”寝床”がある。実は、まともに鹿の寝床を見たのは初めてだったりするのだが、なるほどまさに寝た痕がくっきりと残っている。



・K林長からは鹿の剛毛はぽっきり折れるんだ(カモシカは折れない・・・だったか?)、などという豆知識を頂く。Iさんの説明どおり、かなり樹冠が密生し、積雪量が少ないところに寝床は多い。何頭が寝たかを数えることもできるそうだが、今朝寝たのか、あるいは3日前なのかといった同定は難しいようである。

・つくばのTさんの指摘を受けてのヒノキ論文の考察改訂。品種の産地問題について、一つの論文の結果を加え、これまであまり触らなかった考察パートにも手を入れて、組み替えたりしているうちに、意外にも大幅改訂となってしまったので、もう一度共著者に送ることに・・・。

・ライラックのRAPD分析。久しぶりの品種鑑定的なお仕事(懐かしのハゼノキ品種識別を思い出す・・・)。まずは、60プライマーから有効なものを選び出し、徹底的に再現性を確認して結論を出そうという戦略。サンプル数も少ないので、順調に行けば順調に終わる予定。たまたま訪れたOさんとともに、まずは12プライマーのチェック。妙にあたりはずれが多いのが気にかかるが、とりあえずスクリーニングは成功しているようである。

受難スネイク

2008-02-20 | 研究ノート
・トドマツ種子散布論文が一段落したので(してないけど・・・)、放置され気味であったヒノキ論文の修正作業に取り掛かる。本当に辛い目にあっているこの論文だが、前回の審査を受けて明らかに良くなってはいる(と自分では思っている)。後は細かいところを直していくだけだったはずなのだが、その時間すらとれずに、ここまで経ってしまったというわけである。

・10時半ごろまでかかって、ようやく修正が一通り完了。今回は手ごたえアリ、な感じである。一度プリントアウトして、再チェックしてから共著者に送ることにする。3月7日に所内技術職員向けのDNA研修2(パート1は一体全体いつごろだったか・・・)を行うことになったので、その準備もかねて久しぶりに実験室に入る。もはや、チップやチューブの置き場所なども忘れており、末期的な症状。

・前回、見事に失敗したライラックの分析にかかる。DNAと酵素を変えて4パターンでPCRにかける。これでダメならプライマー劣化が原因ということになるんだろうが、原液がないのでそうなると一巻の終わりである。オートクレーブにチューブをかけようとすると、何かひものようなものが入っている。何気なく取り出すと、ひからびた蛇(!)であった。大きさ70cmほどの小型の蛇だが、見事に干物になっている。



・まさか誰かが蛇の燻製をつくろうと思ってやったわけではなかろう。暖かいと思って入ったのが運のつきだったか、受難の蛇である。それにしても、いやはや、すごい光景だった。これを樹木園のAさんが見たら、卒倒していたことであろう。

・ゲルを作成しつつ、午後から再びヒノキ論文の最終調整。いよいよ細かい表現を直し、ようやく自分としては投稿バージョンまで到達した(と思う)ので、改訂のポイントをまとめつつ、共著者に送信。ワードに図表を貼り付けると途端に重たくなってしまうのが、申し訳ないところである。

・電気泳動と染色が終わり、いよいよUVイルミネーターでバンドの確認。今度は染色はうまくいっているようで、中央付近がびしっと輝いている。ほほう、高い方のTaqだけで増幅が起こり、安い方のTaqではダメダメ感を増している(というか、全然増えてない)。必ずしも、プライマーが原因というわけではなかったが、DNAは作り直したほうが断然良くなっているので、やはりこの劣化も響いていたようである。とりあえずある程度の原因が分かったのはよかったが、これからどうするか・・・、もう少し検討の余地ありである。

正念場

2008-02-19 | 研究ノート
・トドマツ種子散布論文の改定稿作成。一つ一つの指摘に対して、コメントを作成しながら修正を加えていく。解析をやり直したこともあり、細かい数値も変わっている。こういうのもちゃんと直しておかないと、痛い目にあうのは先刻承知である。ロジックとしては大きく変更していないはずだが、Parentageの方法をこと細かに記載するのが一番大変かつ重要な作業となりそうである。

・2月と3月の予定がびっしりと入る。例年より綱渡り感が増しているような気もしたりして・・・。午後からNくんの原稿チェック。だいぶ前に預かっておきながら、全く時間がとれずにここまで時間がかかってしまった。イントロを大幅修正、マテメソ、結果、考察なども入れ替えたりと。ざっと直したところで、いったん修正案を著者に差し戻す。

・トドマツ原稿改訂の続き。とりあえずコメントに仮に入れていた修正箇所のページと行も変動したので、それも踏まえて少しずつ修正。まだいくつか検討しなければいけない部分があるが、このまま行くと暴走しそうなので、一通り修正した後、いったん共著者に連絡。もうしばらく、修正作業の正念場が続きそうである。

・バスケットの新チーム名について、期日までに合計46件の応募があったので、団員に良いと思われるチーム名を3つ選んでもらうようなアンケートを配る。アンケート結果は25日までに集約され、3月1日の臨時総会では晴れてチーム名が決まることになった。