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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

桜の花びら散るたびに

2008-03-30 | 研究ノート
・子供と二人で近所の探検。この辺は小さい路地がごちゃごちゃに入り組んでいる。公園では桜が満開である。



・桜を愛でながら遊んでいると,花びらが“くるくると”落ちてくる。桜の花の命は短いねえと観賞に浸っていると,ふと変なことに気がついた。桜の花びらって“ひらひら”落ちてくるものではなかったか。



・樹上を見上げるとスズメが花をついばんでいる。鳥って桜の花も食べるのか・・・。よく見ると,花びらもあるが,大部分は花ごと落ちている。スズメだけではなく,ヒヨドリらしい鳥も盛んについばんでおり,なわばり争いらしきものをやっている。



・さらに突き進んでいくと,妙な雑木林が。コナラ?と思うと,イガのついたおなじみの実が落ちている。なんと栗林だ。これぞOrchardである。今はあまり使われていないようだけど,こんな都会(?)でもあったんだねえ・・・。1時間半ほどの散歩をすると,もう昼食の時間。やはり,車がない生活は足が達者になりそうである。


キミにもできる品種登録

2008-03-29 | 研究ノート
・学会最終日。本日は育種関連の研究会が二つ。当方はバイテク林木育種研究会の世話人になっているため,最後まで気が抜けない。前半の育種研究談話会では,精英樹をテーマにした発表で,歴史的な経緯が詳細に分かり,大変勉強になった。また,Mくんによる地域差検定林の話は分かりやすい上に,結構インパクトがあった。今度の講義では,早速,仕入れたネタを元に林木育種の話をするとしよう。

・バイテク林木育種研究会では,「品種登録」というおよそバイテクとは関係なさそうなネタであったが,想像以上にたくさんの人が集まってくれた。いつも,昼時に人が少なくなった後,午後から人が集まるのか不安になるのがこの研究会の辛いところだ。品種登録というのは,育種に携わった人ならば「一度はやってみたい」というイベントである。しかし,「なんか大変そう」というので、つい尻込みしてしまうわけだが,これを少しでも軽減したい、というのが研究会の趣旨である。

・最初に,全体的な種苗法の話や登録の要件の話題提供を頂いた後,それぞれの立場で登録をした人たちによる体験談(苦労話)を伺うという流れ。しかし,実際にやってみると,色んな準備が想像以上に大変だった上にトラブルが発生することもある、という話で,「キミにもできる品種登録」というよりは,「キミにもできる?品種登録」という感じ・・・。それでも,具体的に何を準備しておけばよいかとか,どのくらいの期間配布しない方がよいかとか,どうすれば登録できる可能性があるか(どのくらいの特性で既存品種と違いが認められればよいか),など具体的な情報が聞けて、参加者には非常に参考になったのではないだろうか。

・全体を通して,実際には大変な作業になりそうだけど,やっぱり一度は品種登録をしてみたい。本当は「売れる」べき商品を登録すべきところだろうけど,まずは特異な性質を持ったクローンでもいいから挑戦してみたい課題である。しかし,それには実行体制の整備と準備(特に,比較する既存品種と次世代ラメット)を着実にやっておくべきだと肝に銘じておくとしよう。お忙しい中,話題提供してくれた皆さんに感謝!である。

学会二日目

2008-03-28 | 研究ノート
・昨晩は夜遅くに床についてから,咳が止まらなくなって参った。相変わらず,花粉症はひどい有様である。ボロボロの状態で朝を迎えると,いきなりトラブルで自宅を出るのが遅れる。本当は、朝8:45までにファイルを提出することになっているのだが,明らかに間に合いそうにない。ということで、西国分寺で思い切って駅を出て,タクシーで現地に向かう。

・当方の方向音痴は今に始まったことではないのだが,焦っているとさらにひどくなることが発覚。Mくんにファイルを渡し,9時からの講演で座長となっている会場へ急ぐ。ようやく辿り着くと、既に,コーディネータによる説明が始まっている。息を切らせながら,座長挨拶。前途多難である。4課題の座長を行ったのだが,やはり分子生態分野では新しい切り口が欲しいと実感。ケース・スタディでは,どのくらいの規模で、どのようにやれば、どんな結果が出るか、というのが分かってきているだけに,逆にオリジナリティを求めるのは大変である。

・むしろ,いかに楽をして実態を把握するかを真面目に考えるとか,保全目的ならば,研究と実用を結ぶような実証的な研究が必要な時期だろう。と座長を終えて一安心している場合ではなく,発表会場に戻ろうとしてまた迷う。今回の発表内容はそれこそ分子生態学のセッションでやればよかったような内容なのだが,何しろマーカーを全く使っていないので異なるセッションの発表を行ったのだが,当方の1課題だけがかなり浮いた発表になってしまった。

・やはり,準備(練習)不足の感は否めず,最後のスライドを残して二鈴が鳴ってしまい,最後はかなり早口になってしまった。全体として,交雑の長期的な影響についてもう少し慎重な議論が必要ではないかというコメントを頂いたが,それは全くその通りである。発表後,つくばのUさんが面白かった,ということをわざわざ言いに来てくれて,それが一番嬉しいことであった。確かに,こうした材料を使っての遺伝解析はこれから重要になると思う。そのためにも,個体が生きているうちに,DNAのサンプリングだけでもやっぱりしておかないといけない,かもしれんなあ・・・。

リアルにまずい学会発表準備

2008-03-28 | 研究ノート
・一昨日に無事に荷物の運びいれが終わり,事後処理に追われていた。引越しを機に新調したものがたくさんあり,完全に経済感覚がおかしくなっている。エアコンとTVも新調したら,すごい買い物になってしまった。引越し直後の生活では、意外なものが出てこないものなのだが、今回、一番困ったのは”箸”。どこかにまとめて入れたのは覚えていたのだが、あちこちのダンボールをひっくり返してようやく夕食にありつくことができた。やっぱり入れたものの名前は書いとかないと・・・。

・この辺では日一日と春めく感じで、近くの桜はもはや満開に近い。ちなみに下の写真は妻が携帯で近くの小学校の桜を撮影したものである。携帯でも案外と綺麗に撮れるものである。



・写真で思い出した。ちょっと話が遡るが,富良野で活躍している写真家の石黒誠さんから,Mol Ecolカバー写真投稿用として,トドマツ倒木更新の写真をお借りする機会があった。本ブログでも,“倒木ふぁん”にとって,倒木更新の写真を撮影するのがいかに難しいか,という話題が何度か登場しているのだが,やはりプロの写真は違う(Kさんのブログでも紹介されていた)。なんというか,トドマツ実生の表情みたいなものが垣間見えて,同じものを見ても切り取り方によってこうも違うのか,とため息ものなのである。

・残念ながら,今回は倒木がはっきり写りこんでいないのと、健全なトドマツがびっしりと更新しているという写真がなかったので投稿見送りということになってしまったが,いつかカバー写真として投稿できるチャンスがあれば,また,お願いしたいと思える出来栄えであった。と、石黒さんのブログを見ていたら、富良野の40種の樹木の葉の写真を販売されていた。実は、現物を餞別に頂いたのだが、これは素晴らしい作品です。雨の日(?)に、北国に想いを馳せたい人はぜひ・・・。

・リアルタイムに戻ると,今日から森林学会に参加。田無駅まで自転車で行く。この付近は自転車道が実に狭く,“すれ違い不能”なところもある。もう少し安全なルートを見つける必要がありそうである。しかし,自転車で春の風を感じながら行くのはなかなか楽しい。田無からは,3-4分おき,2-3駅おきに細かく乗り継ぎ,北府中駅に向かう。乗り換え回数は多いものの,乗車時間は40分もかからず,運賃も片道350円と安い。実は自宅から学会会場はかなり近かった。やはり学会前に引っ越しておいて正解である。

・学会では、色んな人と合うたびに挨拶回りしている感じで、引越しの余韻か、何だかまだまだ足が地に着いていない感じである。学会会場からは5時過ぎに帰途につき、皆さんが懇親を深めている間に、TVの設定をするなど引越し残務処理を行った後、学会準備をしなければと思いつつ、”リアルすぎて似てない物真似”(好きなんだよねえ、この番組・・・)つい観てしまった。ううっ、大丈夫か・・・明日。

IKEA

2008-03-24 | その他あれこれ
・一昨日に自宅の引越しの荷物の送り出しを行い、昨日からは東京ホテル住まいとなっている。引越しでは近所の皆さんに手伝ってもらって、何とか完遂することができた。最後まで皆さんのお世話になって、本当に有難かった。ついに北海道を発つときには、色んな想いで目がうるんでしまった。




・既に新宿のホテルにて東京在住となっているわけだが、24日からしばし年休で、今度は引越し受け入れ準備である。今日は南船橋にある”IKEA"にリビングの家具などを買いに行った。今度こそ、シンプルな生活をしたいと思っているのだが、それにはスウェーデン製家具のこの店が評判なのである。



・南船橋に着くと、いきなりIKEAの巨大な店が目に飛び込んでくる。店には無料のキッズ預かりコーナーもあり、その徹底ぶりはナカナカのものである。あまりにも豊富な家具に目移りしながら、リビングの見せる収納を実現するために、書籍棚、ローボード、パソコンラックなどを色を統一させながら選んでいく。パソコンラックはどうしても椅子を使わない座卓タイプが良かったので、かなり時間をかけて選んだ。



・最初は会計などのシステムがよく分からなかったのだが、要するに巨大なストックルームから大型の家具も自分達でピックアップして、可能な限り、自分で配送するというのがIKEAのコンセプトらしい。それにしても、ストックルームの巨大さはもはや日本の感覚ではない。

・IKEAの良さをまだまだ活かしきれていない、と思われるが、それでも"いけてる”家具をいくつか選び、配送手配も完了。ホテル近くのヨドバシカメラでは、ガスコンロ、電話&FAX、オーブントースターなども調達。新生活がまた一つ楽しみになった。

終わりよければ

2008-03-22 | 研究ノート
・Mol Ecolに投稿していたトドマツ種子散布論文がついにアクセプトとなった。今回は、subject editorであるPetit氏のみが査読した後、判断してくれたようである。久しぶりに、I am happy to be able to inform you という言葉を見たような気がする。ついぞ忘れていたこの感覚。そうそう、これを味わうために論文執筆の苦行を行っているようなところもあるわけだよねえ・・・。

・現在の状況は、細かい指摘を直してFinal versionを送れば、acceptableというものである。今回、Petit氏は細かい指摘をPDF上でいくつもしてくれいて(これは今までに見たことがないほど丁寧な査読)、そのほとんどが当方が修正原稿で書き直したところである。それに比べると、Kさんの文章はほとんど修正されていない(1箇所だけ、内容的な指摘があったけど)。

・当方がメールを見たときには、LさんとKさんの往復書簡が既に行われており、当方はその最終チェックを行いつつ、Finalに近い状態にすり合わせたような格好だ。しかし、この論文も2003年の調査開始から実に長い時間と労力がかかったものだ。途中で気力がなえそうになるときもあったが、今まで頑張ってきて良かった。終わりよければ、全て良しである。やはり、あきらめてはいけないのだ。

・突然な人には突然だが、8年間居た富良野を去り、西東京市に異動することになった。実は現在、引越しの真っ最中で、昨日は研究室の引越しを完了し、本日の午後には自宅の引越し(荷物の送り出し)を行う予定である。8年間という時間の中では、途中、辛い時期もあったが、特にこの1,2年は仕事もプライベート(バスケットなど)もすごく充実していたと思う。

・何よりも、周りにいい人がたくさん居て、そうした友人や知り合いに支えられたお陰で、楽しく過ごすことができた。後から振り返ると、きっと宝物のような北国暮らしとなるんだろう。

・さて、本ブログですが、できれば東京に行って落ち着いたら、(装いも新たに)再開したいと思っています。相変わらず、マニアックな内容だと思いますが、お暇なときにでも見ていただければ有難いです。ではそれまで、ごきげんよう。

卒業式

2008-03-19 | その他あれこれ
・今日は小学校の卒業式。幸い天気もよく、歩いて学校へと向かう。富良野の小学校では、卒業する6年生は中学校の制服に身を包んでの出席である。父母の待合室から体育館に入ると、一年生の姿が真っ先に目に入る。こんなに小さかったか・・・。大きくなったもんだ、と感慨しきり。

・卒業証書は1人1人が壇上で校長先生からもらい、壇から降りて父母の席の前で、今度は受けとった卒業証書と手紙を父母に手渡す、という流れ。向かい合うと照れるのか、何も言わずに押し付けるようにして、子供は自分の席にもどっていった。

・お決まりの在校生へ贈る言葉と歌では、いつしか目頭が熱くなっていた。と、この辺から花粉のせいか、はたまた、二日酔いのせいか、目はうるうる、鼻はむずむず、ぐちゃぐちゃになってしまう。周りから見ていると、「すごい感激しているお父さん」という図になってしまったが、こちらは目と鼻を押さえるのに一苦労である。

・最後は子供は全員、目を真っ赤にしていた。富良野の子供は純情である。それを見て、こちらももらい泣きしてしまった。卒業式終了後は、友達や先生と記念撮影で駈けずりまわっていた。何はともあれ、6年間、無事に過ごせたのは何よりである。卒業、おめでとう。

冬眠からの目覚め

2008-03-17 | フィールドから
・65・66林班の現地検討会。平沢湿地林まわりである。平らだが、5km近くのロング・ウォークである。家を出るときには雨が降っていたので、カッパをチョイス。全身オレンジになってしまった。慌てて準備したせいか、肝心のデジカメを忘れてしまったので、本日は写真なしのフィールド報告である。

・しばらく造林地や前択伐林を見た後、いよいよ湿地林へ。K林長いわく、少しの標高差で林相ががらりと変わる。いわゆるヤチダモーハシドイ群集である。植生学的な記載も加藤亮介が1952年(だったっけ?)に行って以来、まとまった仕事が行われていないと思われるのだが、記載だけでも重要な仕事がいくつもありそうだ。

・しばらく湿地林を進むと、どでかい足跡。深く沈みこんでいることからもその巨大さが分かる。ご存知、ヒグマである。この暖かさでついに冬眠から目覚めましたか・・・。当方も、いい加減に冬眠から覚めて、論文受理の知らせを聞きたいところである。

・湿地林の取り扱いについての議論。これだけ特異な森林タイプでありながら、保存林は固定標準地の2.25haしか設定されていないので、せめてその周りも保存林に設定しようという意見を述べる。そのほか、林相区分の考え方などについても色んな意見が出て、まとまらないうちに12時を過ぎる。空腹のためか、皆、いいアイデアが出なくなったところで、いったん休憩で(?)昼食。

・その後、林班が変わって、さらに湿地林を進む。66林班の固定標準地の周りはさらにイイ(特にハンノキ大径木!)。これが春になるとエゾノリュウキンカが咲き乱れて、これまたえもいわれぬ雰囲気になるのである。保存林もある程度の面積で確保されて、当方としては希望通りであった。さらに、わがまま(?)なことに、固定標準地も拡大してもらえることになった。こうなると、平沢湿地林をフィールドにした論文をきちんと出さないといかん・・・よねえ。

・不思議なもので、部屋に戻ると、唯一、平沢湿地林を題材にしたエゾノウワミズザクラの著者校正が届いている。なんと、タイムリーなのであろうか・・・。北方林業の4月号に掲載されるそうである。

ベイジリアンな人々

2008-03-16 | その他あれこれ
・いよいよ暖かい日和である。福岡では生態学会が行われているのだが、今回はまるで参加していない。Kさんブログによると、Tくんたちのベイズ研究会も盛会だったようで、徐々に置いていかれつつある・・・。ま、統計解析に関しては、最先端の皆さんの頑張りの後を(かなり遅れながら・・・)、ついていきたいところである。

・なんだか鼻がむずむずして、目もうるうるする。明らかに花粉症的である。天気予報でも花粉の情報が見られるのだが、全国的には”非常に多い”という状況であるのだが、北海道に関しては”情報なし”となっている。おかしいなあ・・・。毎年、この時期はなぜかおかしい。

絵を描くということ

2008-03-15 | その他あれこれ
カフェニコに追加注文したクッキーが届いた。今度は1000円や500円のお菓子詰め合わせも頼んだのだが、シンプルなパッケージが洒落ている。



・朝から雨が降っている。本当に今年はこのまま雪が溶けてしまうのだろうか・・・。今春は、苗畑でエゾマツの播種試験を行っており、雪解けをコントロールするためのシートをかける予定になっていたのだが、当方がぼんやりしているうちに、かける時期が遅れてしまった。降雪機を使って、雪を増やすというアイデアも出たのだが、これだけ雨が降ってしまうとそのアイデアすらも難しくなりそうである。

・のどと鼻の調子が悪いので、耳鼻科へ行く。扉を開くと、そこには既に結構な人が待っている。まだ花粉は飛んでいないはずなのだが、花粉症に似た症状で通っている患者さんが多いとのこと。最早のケヤマハンノキがもう開花しているというのだろうか。いくらなんでも早すぎると思うのだが、確かに例年この時期になると、花粉症似の症状に悩まされているような気がする。

・待ち時間に佐藤多佳子著の「黄色い目の魚」を読む。”絵を描く”ということがモチーフになっている甘酸っぱい青春小説である。佐藤多佳子の小説は、多感な世代の荒削りで瑞々しい気持ちが行間から溢れていて、爽やかな気持ちになる。