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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

ブナの花?

2007-04-29 | フィールドから
・今日も上の子はバスケットの試合である。が、当方はブナの開芽調査があるので、付き添いはお休み。妻、下の子に付き合ってもらって、休日ながらブナ開芽調査。だいぶ芽は伸びてきたが、まだ開芽とはいえない状態である。いつもの定点観測の写真はこんな感じ。



・と、ここで、高千穂の1個体(No10)に、妙に丸っこい芽が着いていることに気がつく。最初は単なる個体差か、あるいは虫こぶかと思ったが、剥いてみると花らしき組織が。いわゆる葉の芽とは剥いた感じが全く違う。雌花だろうか・・・。ステージがもう少し進めばはっきりするだろうが、今年は少々開花も見られるかもしれないということで、一つ楽しみが増えそうだ。



・一通り調査終了後、カラマツ林の下層にてノラニンジンを摘む。フィールドハンター(?)O氏の情報はさすがである。山菜自体はそれほど好きではないのだが、こうして摘むのは楽しい。我が家にて、食べきれるくらいの少量を摘んで、収穫の喜びに浸る。



・おっと、また新しい花が咲いている。黄色でこの感じは、ユリ科のキバナアマナであろうか・・・。訪れるたびに新しい花が迎えてくれるようで、全く飽きないところである。



ホームページ開設の巻

2007-04-28 | その他あれこれ
・旭川のA小学校にてミニバスケットの春季リーグ。家族全員でバスに乗り込む。DVDを観ることができるほどの豪華バス、なかなか快適である。第一試合,昨年までは強豪であったTチームとの対戦。1、2Qまでは接戦だったが,3Qからじりじりと点差が広がる。緊張しているのか,当チームの動きは硬く,惜しいところでゴールが入らない。一方,相手はいいところでロングシュートが決まり・・・、結局、31-40(?)で惜敗。見ているこっちが歯痒くなるような展開。もうちょっと,何だけどな・・・。

・試合内容のせいか,指導者陣からは少々厳しいお言葉。気合を入れられている間は,子供達はしゅんとしている(ように見える)。が,着替えてお弁当の時間になると,既に完全に立ち直っている(そりやそうか・・・)。当方も,待合室の端っこで、下の子供に早めのお弁当を食べさせる。子供達は,おかずを交換したり,披露しあったりと実に楽しそう。下の子も,かなり早めの時間にかかわらず完食。自分が運動しているわけではないが,見ているだけでも(実は結構,声援も体力を使う?)おなかがすいてきますなあ・・・。

・ところで,話が突然飛ぶけれど,飯島くんのヘルプのおかげで、念願であった当方のホームページ(:goto-lab)が先日より立ち上がりました。これから少しずつ改良する予定で,今のところは,プロフィール,業績,研究内容など型どおりの内容である。もっともホームページはあまり真面目に更新するつもりはなく,研究ノートとしてリンクさせた本ブログの更新を従来どおりやっていく予定。結局、@wikiなる無料サーバーを利用しているのだが,広告もそれほどうるさくないし、とにかく簡単である。今まで手をこまねいていたのは何だったのか!?Wikiのお手軽感ときたら,ほとんどブログ並・・・ですね。

・第二試合は、目下、旭川地区では最強と噂されるAチームと対戦。しばらく善戦するも,力の違いは歴然としている。相手がゾーンディフェンスからマンツーマンに変わると,かなり走らされる。とはいえ,後半はむしろ挽回した・・・ともいえるか。随所にいいプレーも見られた。結局,ダブルスコアーにはなったものの,全く勝負にならないというわけではなかった。明日こそ,頑張って欲しいところだ。学校到着して、買い物などが終わると家路に着くのは既に5時。ううむ、くたくたである。

エゾマツの需要と供給

2007-04-27 | フィールドから
・旭川の林産試験場にて、エゾマツ研究会。総勢70名のうち、30名は当機関からの参加。林産試験場は昭和25年設立され、林産試験を中心に行う80名以上の研究者からなる巨大な研究機関。まずは講義室で、話題提供を受ける。

・一つは名寄市のクロエゾ人工林についての説明。以前、エゾマツ研究会で現地検討した場所が風害で倒れたとのこと。人工林は1929年、2000本/haで植栽。下刈りは1929-1939まで16回、6回の間伐が入っている。写真を見る限り、かなり生育がよいらしいが、風倒被害は相当なものであったらしい。

・もう一つ、道立林産試の佐藤さんからクロエゾ人工林の材質特性についてのお話。先の風倒被害木を調査したとのことだが、結局、天然クロエゾと人工林のクロエゾでは、年輪幅は大きく異なるものの、材密度、圧縮強さ、曲げ強さなどはそれほど変わらない。クロエゾ人工林の材質は決して悪くないので、これから使えるようになるといいですよ、という力強いお言葉であった。



・道立林産試の場内を見学した後、場所を移して麻生木材工場の視察。クロエゾを挽いている現場を見たのだが、65%がトドマツ、30%が北洋材で、扱っている量は全体の5%未満だとか・・・。この工場では、枕木の取り扱い量はハンパではなく、元々、枕木生産と坑木生産で会社を興したそうである。単線、複線、引込み線、その間などで微妙に枕木の大きさが違うのが面白かった。

・お話を伺う限り、エゾマツ材についての潜在需要はあるが、供給体制が全くなっていないことがよく分かる。色々と議論する中で、やっぱり今からでも造林をしていく必要があり、そのためには苗木を生産する必要があること、その前に種子を確保する必要があること、さらにその前に母樹林の指定が必要があることを感じた。川下を見て、川上の必要性が強く感じられたのは、ある意味、収穫であった。

フキノトウの花

2007-04-26 | フィールドから
・昨日の夕方は、北海道大学の飯島くんにD論の内容(エゾマツとトドマツの倒木更新)を分かりやすく勉強会で話していただいた。両名にはそのまま宿泊していただいて、今日は雨交じりの中を案内。まず、直営現場に行く。標高800mを越えているので寒い。エゾマツ疎林を穴を広げるように伐採し、樹群単位で管理しようとする試み。そのせいか、伐出される材はなかなか粒ぞろい。それなりにいい値がつくんではなかろうか。



・しばらく見たのち、ストライプ状に伐採し、低密度植栽する現場を見る。現在は切り倒された木々が折り重なっている状態。30m幅なので、ずいぶん空けたようにもみるが、両脇のエゾマツの樹高が大きいので案外天然更新も期待できるかも・・・。乾燥のモンダイはそれほど大きくならないかもしれない。



・渋谷先生と択伐施業について雑談。蓄積ベースの従来の基準では、蓄積は保たれるものの、サイズ構造が崩れてしまう、というのは当方の意見と一致している。しかし興味深かったのは、樹高が高い木があると他がそれに追いつくために伸びるのだが、いったん”小さい森”にしてしまうと、勢ぞろいして止まってしまう、という垂直方向のお話。確かに、空間利用としてはDBHよりも樹高に注目する方が理にかなっている。

・久しぶりに岩魚沢保存林に行く。雪が薄くかぶっており、なかなか歩きやすい。かと思うと、ごそっと足元が抜けたりして・・・。この時期、普段は乾いている林床が氾濫して小さな川のようになっている。こうした攪乱は種子散布にも大きな影響を与えていそう(特に、水に浮く種子については・・・)。



・飯島くんとは”倒木ふぁん”としてのマニアックな会話。さすが、一目見ただけでこの倒木は皮がむけて、実生が辛そうな倒木ですね、などと適切なコメントを頂く。と、突然、渋谷先生がテレビで”山菜採りおやじ”がフキノトウは雌雄異株で、雌雄で味も違うし、雌が先に咲く、ということを言っていたというのを思いだし、「えー、そんなことがあるの?」と騒然と(?)なる。岩魚沢では、どうも雌しかないようで・・・。


・樹木園では、ブナ産地別試験地などを見ていただく。やっぱり産地試験地は見れば分かるので、インパクトが大きいようである。と、ここでもフキノトウが気になってしまう。うっ、この花は色が違う。明らかに雌とは違うようだ。これが雄か・・・と思ったら、おしべのなかにめしべらしきものが・・・。ということは両性か??つまり、”雌性両全性異株”というのが正解であろうか・・・。身近な植物なのに知らないもんである。しかし、”山菜おやじ”の観察眼はすごい!

<右が雌、左が両性(だと思っている)>

ラベルは大事

2007-04-25 | フィールドから
・富田くんのブログに、今回のカーネル個体差の解釈に関する批判が掲載されている。遺伝マーカーで行う親子解析(特に種子散布)では、種子散布量だけでなく、定着生存までを含んだ結果を見ているわけなので、解釈に気をつけなければならない、というのは全く同感。ただし、今回の場合には、(セーフサイトの存在とか実生の生存力に依存する)母樹ー実生(稚樹)カーネルを推定しているのではなく、種子散布そのもののカーネルを推定している(はず・・・)。

・つまり、倒木の有無とか質などは考慮した上で、種子散布カーネルそのものを推定しているので、必ずしも富田くんの指摘は当たらないはず・・・。うーむ、本当にそう考えていいものか・・・。結局、元のデータは倒木の有無に依存しているわけで、データ数の限界も考えると、いかに考慮しているとはいえ、結局、倒木の有無や質にかなり引きずられている可能性は否定できない(ような・・・)。個体差というよりは、風当たりみたいなものも含めて、個体+おかれた状況の”複合環境差”とでもいうべきものに相当のバリエーションがある、と捉えたほうがいいのかもしれぬ。いずれにしても、個体差うんぬんを議論するのは、用語の取り扱いも含めて要注意、といえそうだ。



・本日はブナ開芽調査日。まずは古い方の産地試験をチェック。お決まりの場所から写真撮影をする。よく見ると、個体番号が消えかかっていたので、木材チョークで書いたり、落ちてきた枝を整理したり・・・。こうした細かい作業は後々の作業効率を大きく変えるのである。しかし結局、ブナの開芽はまだまだ。しかし、今年は西日本のブナの枝曲がり(雪害?)がかなり目立つ。こうしたことは長期におかないと分からないことである。しかし、今春はそんなにひどい雪はなかった気がするが何でだろう??



・10時半より、再び若手職員2名のサポートをいただきながら、ヤチダモにラベル付け。1つ1つチェックしながらの作業なので、案外進まない。が、一度付けてしまえば、後の作業はうーんと正確(しかも楽)になるはず。これなら、正確なデータが取れそうだ。12時前にきっかりと終わる。予定通り。樹木園では新しい花が咲いている。イチゲの仲間かと思っていたが、調べてもらったところ、やはり「キクザキイチゲ」。なるほど。


モデル解釈とWinShell整備

2007-04-24 | 研究ノート
・札幌出張。根室本線の電車の中で久保さんから送っていただいたトドマツ母子モデルの原稿を広げる。先日の久保さんからの詳しい説明で,ある程度は理解していたはずだったのだが,昨日の練さんとの電話打ち合わせでは当方の圧倒的な理解不足が露呈している。何はともあれ,モデルをしっかり理解しないことには(他人に説明できるようにならないと・・・)どうにもならん。てなわけで,改めてじっくり読むと今回のモデルのポイントと図表の意味がようやく理解できる。

・本モデルでは,母親jが倒木kに残した子供の数をポアソン分布で表現している。パラメータの名前と意味がなかなか結びつかなかったのだが,原稿をじっくり読んでようやく頭に入る。不思議なもので,式や図表に日本語の注釈を書いていくと理解できる。このモデルでは,母樹の種子生産力,倒木の定着しやすさ,倒木の生存確率,母樹ごとのカーネルのパラメータにそれぞれランダム効果が入っているのだが,種子生産力はともかくとして,倒木の定着しやすさ,生存確率,母樹ごとのカーネルのパラメータに“とんでもない”くらい個体差がある,という結果が得られている。

・“倒木の質”に測定しきれない個体差があることは観察でも感じていたのだが,今回の解析における一番のトピックは“散布カーネル”なるものは,母樹ごとに相当違うらしいということだ。これまでのモデルでは散布カーネルは全母樹共通という暗黙の仮定がおかれているのだが,この結果を見ると個体差を無視することは難しいかもよってことが言えそうだ。

・生物学的に考えてみたとき,この個体差を生む要因とはなんだろう??考えられる要因を列挙してみるか・・・・。

1番目:樹高の個体差。樹高が高いほど種子は遠くに飛ぶだろう。今回,DBHはオフセット項になっているが,樹高のデータはない。つまり,DBHは大きくても寸詰まりな個体がいる?

2番目:種子のついている場所の高低さ:Nathanら(2002)Natureによると樹冠近くから舞い上げられた種子が長距離散布されるとされている。したがって,個体によって樹冠の上部にしか着かない個体と,下枝の方まで着ける個体がいる,すなわち種子の放出高に個体差がある?

3番目:風通しの違い:風通しがいい個体はより遠くに飛ばせるが,周囲の個体が密接している個体はなかなか遠くに飛ばない?

4番目:種子の面積,重さ,形:ヤチダモの種子散布実験(Goto et al. 2005)で示したように,種子の面積,重さ,形によってその飛翔能力は異なり,しかもそれらは母樹間で違う?

 などといったところか・・・。こうして考えてみると,個体差を生じる要因も結構ある。

・いつもの寄り道の後,10時半すぎに久保さんの研究室着。まずは当方のパソコンでのWinShellの実装具合をチェック。やはりPDF化で問題発覚。この後は久保さんによる環境改善作業をほとんど呆然としながら見守る。うむ,よく分からないが,飯島くんのご尽力によりLaTexがそれなりに(?)うまく導入されていたために,あまり大きな問題にならなかったらしい。途中,図のみがコンバートされないなど,エクスプローラ特有(サーバー特有?)の問題が発生していたようだが,この辺りの研究は(この辺りの研究も・・・)お任せする。文献参照環境のBibTex周りも整備していただき,いつもながら実に頼りっぱなしである。

・WinShellテクニックはおいおい身に着けるとして,肝心の中身に関する打ち合わせ。まずは論文の方向性だが,遺伝構造を最初に出して,そのテンプレートとなる散布,定着,生存のプロセスを実生と稚樹の母親解析と階層ベイズモデルで行うという流れにしたいという練さんの要望を伝える。遺伝構造解析の部分は本質的には色々な問題を含んでいそうだが,遺伝構造から類推できるコトには限界がある,だから親子関係から詳細にプロセスを追う必要があるって流れでいきますか・・・ということで了解を頂く。以前,自分で作成したレビューコメントに対する回答案を元に再構築することになりそうだが,論文の展開としては遺伝構造パートを前に持ってくる前のパターンに逆戻り。

・こうして,大きな流れをあっさり変更することになったのだが,全体として論文がよくなるためならば,こうした改訂作業は全然苦にならない。むしろ,どうやって具体的な作業を進めるかだが,現段階の当方の原稿とモデリングパートの統合+LaTex化は久保さんに引き受けていただけることに・・・。こちらとしては,必要な図表のデータ,文献のbibファイルをアップロードさせていただくことにする。このままでいくと図7枚,表4枚くらいになりそう・・・。というところまで詰めていくと,なんだか急に進んだような気がする。先は遠いが,ようやくイメージができつつある。

・北大構内のハルニレは有名である。当方としては,当然,開花が気になってしまうのですが,おや今年も花が着いている?むむっ,というよりもむしろ豊作年では・・・(札幌のニレはいつも花が多いのは確かだが・・・)。そういえば,岩魚沢と4林班の2プロットで行っているニレ類の遺伝研究は完全に置き忘れ去られているな。個体位置図,開花データ,成木DNA抽出,母樹別種子のDNA抽出,一部の遺伝子型決定,までは終わっているのだが,その先が全く進んでおらん。取り掛かれるのは今年の冬(?)くらいであろうか・・・。

・午後より“北海道の林木育種”の編集委員会。50周年記念誌(本)の執筆内容や体裁について議論。編集担当者は,自分の身に降りかかってくる“モンダイ”だけに,いつになく熱い(?)討議が交わされる。当方からは先日作成したウダイカンバ原稿をたたき台として用意していたのだが,用意したものは作成するべきものとは方向性がまるで違うらしい,ということだけは分かった。5月25日の総会+記念集会では,当方も話題提供者の一人に祭り上げられており,エゾマツの資源保続に関する話題提供をすることになる。話題提供をすると,もれなく雑誌の原稿依頼も付いてくる。うーむ頭がくらくらと・・・。

スーパーマツ(?)

2007-04-23 | フィールドから
・道立林業試験場の黒丸さんと内山さん、樹木園スタッフとともにグイマツ雑種F1の測定。このグイマツ雑種F1は只者ではなく、スーパー雑種F1である。何がスーパーかというと、成長と通直性ということになのだが、母樹は一般組合わせ能力が高く、自家不和合性が高い2母樹に絞込み、花粉親はカラマツ精英樹(複数、オープン交配)と決められている。戦略としては、極めて単純明快で分かりやすい。この試験地では、父親をDNAマーカーで特定してしまうというおまけ(?)まで付いている。これをやっているのは東大の井出先生の研究室の学生である。



・3班に分かれて測定。植栽時の樹高とその後に伸びた後の樹高を測定。さすが、スーパーというだけあって、70cm近く伸びているものある。普通は移植したら、その年はほとんど伸びないものなんだが・・・。当班では最大が165cm程度。しかし、他の班では2mを超えたものもあるという。おそるべし、スーパーマツ。


 
<写真では65cmに見えるかもしれないが、資源を無駄なく使うために1mは省略されている>

・若手2名に手伝ってもらって、苗畑ヤチダモのラベル付け。今年まで育てて、今秋には収穫し、乾燥重量を測る予定。今年も開芽フェノロジーをきっちりみるので、ラベルは必須である。「1時間以内には終わる」と豪語した割に、昼食までにできたのは135個体程度。総数1100本以上あるのに、これではいつになったら終わるんだ(全く計画が甘かった・・・)。さらに、3cmくらいしか大きくなっていないやつらは、すぐにラベルが取れそうだ。



・樹木園にて昼食後、梶先生から「ブナの葉が今週中に開く予感(?)するから見てね」、というメールを頂いたので、一応チェックに行く。古い方のブナ産地試験地の方は、もうしばらく動かなそうな気配。しかし、温度が一気に上がると危ないから、やはり、1日おき調査は始めるしかなかろう。一方、梶先生が集めたもう一つの産地試験地の集団は個体サイズが小さいせいか、はたまた産地のせいか、かなり芽が膨らみ始めている気もする・・・。うっ、全部やると心に決めたものの大丈夫か・・・!?


・樹木園では福寿草がところどころに咲いている。薄い青はエゾノエンゴサクである。何とも可憐な花をつける。控えめなところがいいのだが、かなり集まらないと目立たない存在である。



・午後から、ようやくペースをつかむことができ、ラベルつくりは一気に進み、700本を超えた。小さい個体の場合、クリップを変形させて固定することでラベル抜けも解消できそう(クリップってこんな使い方もあったんだ・・・)。”振り返るとそこに道がある”って感じはなかなか気持ちがいい。しかし、1本1本にラベルがついていると、いかにも「研究やってるぜ!」みたいな感じがしていいもんだ(実際やっているんだけど・・・)。父性解析が終わってからデータをつき合わすのが楽しみである。



街角樹木園とファイアーエコロジー

2007-04-22 | その他あれこれ
・連日の練習試合。本日は当校に2校を迎えて終日の予定。富良野小学校に行く途中でふと図書館前のマツが気になる。この球果は山火事で温度が急上昇したときに開いて,種子散布が起こるタイプ。おそらく,Jack pine(バンクスマツ)ではなかろうか。なんでこんな面白いマツが街角にあるのか・・・。街角の樹木園もよくよく注目すると,意外と面白い。



・8時に体育館を開けていただき,会場設営準備。子供たちも集合しており,皆さんきびきびと手伝ってくれる。9時にゲスト校が到着する予定だったのだが、8時20分には既に1校が到着してしまう。よかった、8時に開けてもらっておいて・・・。やっぱり1時間の余裕は必要である。

・第一試合,旭川の強豪N小学校。1Qは勝っていたが,2Qくらいから徐々に押され始める。最終的には18-28で惜敗。それなりに“いい試合”はできるようになったが,いい試合ができることと勝つということはだいぶ意味が違う。一つの壁にぶつかっているともいえそうだ。

・来ていただいた旭川地区のゲスト2校同士の対戦をみていると,動きの機敏さが際立つ。しかし,いちばん違うのは気迫であろう。だいぶレベルが違うようにも見える。いずれのチームにも、先生の怒号ともいうべき檄が飛ぶ。すごいね,全く。

・第二試合は、当チームが一転していい動きになる。気合も前面に出てきたようだ。第2クオーターも最後に盛り返し、最後まで優位性を保ったまま44-31で勝利。こんな強いチームにも勝てるようになったのか、と思うと同時にこれなら最初の試合も何とかなったのでは!?という気になる。ま、とにかく最後が勝利で終わると、一日の疲れが吹っ飛びますねえ。

梅酒、侮るべからず

2007-04-21 | その他あれこれ
・本日は,世代交代したバスケット新メンバーの初の対外練習試合。我が家の子供が最高学年となったのに伴い,当方もなぜか“会長”なる重役を拝命せざるを得ない状況に・・・。ううむ,これまでの人生で一番のエラソーな役だ。しかしその職務内容の実態は,当方が思うに、おそらく・・・“御用聞きかかり”。バタバタと動き回り,色んな人にお願いをして回っている,といった具合。ある意味,本務と変わらないような気もしたりして。

・美瑛の総合体育館での練習試合1回目。全体に動きが硬い感じ・・・だが,それなりに得点が入る。上手くなったのはむしろディフェンスかも。終始,優位を保ち,快勝。やや声が足りないものの,初試合を勝利で飾れたのは幸先よいスタート。2試合目も勝利。5年生メンバーの躍進も目立つ。6年生もうかうかしてられませんな・・・。



・美瑛では,例によって土井酒店に立ち寄る。お目当ては“梅酒”。実は,2ヶ月ほど前から梅酒の美味しそうなのが並べてあり,気になっていたのである。「(飲み口が)すっきりしたヤツはどれですか?」と聞くと,「梅酒だから全部甘いです」とばっさり・・・。愚問。それでも,ややドライな感じはこれ!ということで勧めていただいたものをチョイス。一升瓶で約2580円なり。黒糖仕込(?)ということで確かに甘口だが、不思議なことに、さっぱりした飲み口。これなら料理とともに・・・いけますねえ。

冬眠からの目覚め

2007-04-20 | フィールドから
・早めの受診が効を奏したか、珍しく薬が効いたようで、ずいぶん具合がよくなる。本日は最後の現地検討会ということである。この付近は、天然林択伐が少なく、人工林の間伐が多い。しかし、最近は人工林の間伐も結構な収入になる(3年前とはえらい違い)。となると現金なもので、検討にも力が入る(ような気もする)。

・しばらく車で移動しながら検討した後、スノーシューを持って、モービルで移動。ほとんどのモービルを使用したので、12~13台になったのではなかろうか・・・。エンジンをいっせいにかけると、どこぞの族が集結しているのかっといった風情である。日当たりのせいもあるが、山の中はまだまだ雪が残っている。もうしばらくササの上を自由自在に歩ける期間が残されているようだ。



・この付近は、標高360~400mの低標高なのだが、シラカバ、ウダイカンバ、ダケカンバの3種が入り乱れて生えている、というちょっと変わった場所である。また、標高の割りにはエゾマツやアカエゾマツもそれなりにあり、地質的にも少し変わっているのかもしれない(基本的には溶結凝灰岩とのこと)。

・ストローブマツ造林地があちこちに見られる。ここでは、伐出道に対して斜め方向に3m伐採で6m幅残し、といった列状間伐を行うことに方針が決まる。素人考えでは、伐出道に対して垂直方向に列状間伐を入れたくなってしまうのだが、斜めの方が伐出がスムーズになるとのこと。勉強になる。

・58年生の比較的古いエゾマツ造林地。0.7haという規模であるが、それなりによく育っている。年代からして、おそらく山引き苗を使ったものであろう。ここでも低標高でエゾマツ造林が成功している!こういったエゾマツ造林地はあちこちにあるので、それらを網羅的に調べて成功・失敗の事例をまとめるといいよね、といった話をする。うまくいけば、エゾマツ造林の総説論文が書けるのではなかろうか。北海道では、エゾマツ資源保続に対する気運も盛り上がりつつあり(27日にはエゾマツ研究会という有志の現地検討会も予定されている)、時期的にもいい頃合である。



・カラマツ造林地は、25%の定性間伐をすることになる。最近、カラマツの材価はかなり好調のようだ。それにしても、相変わらず、グイマツ、カラマツ、チョウセンカラマツの見た目の違いがよく分からない。こんなことでは駄目なんだけど、どうも最初の入り方がよくなかったのか、苦手意識があるんだよね。

・今日は、エゾリスに出会った。いつ見てもかわいいやつだ。さらに、後半では熊の足跡も・・・。ついに、彼らも起き出したか・・・。昨日の朝のものらしいが、案外とでかい。爪の跡もくっきりである。と、上空にはオオタカが滑空している姿が・・・。何とも優雅で、皆、検討していることを忘れてうっとりと眺める。山は寝ているようだが、既に春は始まっているのである。そういえば、もうすぐ4月も終わりだ。こーしちゃいられない・・・。



・検討会の最後に、「アカエゾマツの研究を今年もやるので、GW明けに花が咲いているかどうかチェックして、咲いていたら教えてください」、というお願いをする。そろそろ今年くらい豊作が来てもいいくらいタイミングである。こういうときには、いろんな現場に入っているスタッフがいて、色んな情報が集まるので本当にありがたい。花が咲いたら種子を採取しねければ!今年は高所作業車をレンタルすることも考えてみよう。