・樹木園直行。ブナ調査から1日開始。ずいぶんと開芽が進み、北海道・東北地方はほとんど芽が動き始めている。中にはステージ2(全体の20%以上が開葉)も出てきた。ブナの芽吹きは本当にきれいで、これに魅せられている研究者も多いのであろう。播種床のヤチダモも、いつまでも芽が動かないなあと思っていたら、よくよく見るとだいぶ開きそうな感じになっているものもある。最初の立ち上がりをきちんと捉えることは重要なので、引き続き注意深く観察する必要がある。

・職場に到着。喫煙所にて一服中の梶先生から、「花が咲くときには葉も早めに開くんだぜ」、という重要なコメントを頂く。現在観察している産地試験地以外にも、近くに植栽しているものがあるので、そちらも開花状況だけはチェックする必要がありそうだ。
・さて、トドマツ原稿修正。倒木数、子供数、子供の年齢などを結果に移す。そのほか、練さんから読んでみて、と言われていた論文にも目を通して、引用することにする。Troupin et al. (2006) Mol Ecolでは、イスラエルのPithulim山のアレッポマツ(Pinus halepensis)のデモグラフィックな遺伝構造を調べている。この集団は、天然集団とは5km、人工林からも最低1kmは離れている隔離集団で、元の起源が1944年時点ではわずかに5個体に由来するが、2000年にはあっという間に2000個体を超える集団に拡大したことが過去の航空写真から明らかになっている。
・アレッポマツは地中海沿岸に天然分布するが、乾燥抵抗性も持つ、荒地に強い先駆樹種的なヤツらしい。成熟するまでの期間はかなり短く、7-10年だという(カンバで言えば、シラカバ的と言えるか・・・)。このマツでは、Nathanらのグループの一連の仕事が有名だ。種子トラップ・データとMechanistic modelで推定された種子散布距離は平均20m以下で、風や動物による二次散布は報告されていない。また、アリやげっ歯類(ネズミ?)による密度依存的な捕食圧がかかること、実生間競争の影響により、距離依存的、密度依存的な死亡が確認されており、母樹からの距離が離れるにつれ、実生密度が低下するにつれ、生存確率が急速に高まることが示されている(Nathan & Ne'eman 2004).
・アレッポマツの場合、風散布型の針葉樹にしては種子散布距離が短いことから、繁殖個体が低頻度に分布する場合(すなわち、本論文で扱っている集団)、当然、若い集団では強い構造が認められるかと思いきや、実は初期(1960年)のコホートには構造がなく、ステージが上がるにつれて(1973年コホート)構造が強まる、という予想に反する知見が得られている。特に、なぜ初期に構造が生じないかというところが面白い。
・Troupinの修士論文で定着した稚樹の親子解析をやったところ、平均散布距離が100mを超えるという結果がある(n=47なので少々あやしい)。こうした結果と合わせて考察がなされており、種子散布距離だけではなく、定着に関わる密度依存的な捕食とか不均一な定着サイトの存在が遺伝子型をランダム分布させている、というような内容(だと見た)。いずれにせよ、この修士論文がどうにも気になるんで、イスラエルに向けて修士論文の別刷り請求をe-mailで出してみる。PDF化してくれていると話が早いのだが・・・。いずれにしても、アレッポマツ関連の論文についてはもう少しきっちりと読解する必要がある。
・昨日の宿題。なぜかプロット図の下に子供の数を標記させるのがうまくいかない、ということで再び飯島さんの手助けを借りる。データフレーム化ができていなかった、のが全ての敗因。データハンドリングまわりはまだまだ修行が足らん。重なっているところは後で修正する必要があるが、一応、完成に近づいたようである。いやはや、もう少し自由自在に操れるようにならねば・・・。

・職場に到着。喫煙所にて一服中の梶先生から、「花が咲くときには葉も早めに開くんだぜ」、という重要なコメントを頂く。現在観察している産地試験地以外にも、近くに植栽しているものがあるので、そちらも開花状況だけはチェックする必要がありそうだ。
・さて、トドマツ原稿修正。倒木数、子供数、子供の年齢などを結果に移す。そのほか、練さんから読んでみて、と言われていた論文にも目を通して、引用することにする。Troupin et al. (2006) Mol Ecolでは、イスラエルのPithulim山のアレッポマツ(Pinus halepensis)のデモグラフィックな遺伝構造を調べている。この集団は、天然集団とは5km、人工林からも最低1kmは離れている隔離集団で、元の起源が1944年時点ではわずかに5個体に由来するが、2000年にはあっという間に2000個体を超える集団に拡大したことが過去の航空写真から明らかになっている。
・アレッポマツは地中海沿岸に天然分布するが、乾燥抵抗性も持つ、荒地に強い先駆樹種的なヤツらしい。成熟するまでの期間はかなり短く、7-10年だという(カンバで言えば、シラカバ的と言えるか・・・)。このマツでは、Nathanらのグループの一連の仕事が有名だ。種子トラップ・データとMechanistic modelで推定された種子散布距離は平均20m以下で、風や動物による二次散布は報告されていない。また、アリやげっ歯類(ネズミ?)による密度依存的な捕食圧がかかること、実生間競争の影響により、距離依存的、密度依存的な死亡が確認されており、母樹からの距離が離れるにつれ、実生密度が低下するにつれ、生存確率が急速に高まることが示されている(Nathan & Ne'eman 2004).
・アレッポマツの場合、風散布型の針葉樹にしては種子散布距離が短いことから、繁殖個体が低頻度に分布する場合(すなわち、本論文で扱っている集団)、当然、若い集団では強い構造が認められるかと思いきや、実は初期(1960年)のコホートには構造がなく、ステージが上がるにつれて(1973年コホート)構造が強まる、という予想に反する知見が得られている。特に、なぜ初期に構造が生じないかというところが面白い。
・Troupinの修士論文で定着した稚樹の親子解析をやったところ、平均散布距離が100mを超えるという結果がある(n=47なので少々あやしい)。こうした結果と合わせて考察がなされており、種子散布距離だけではなく、定着に関わる密度依存的な捕食とか不均一な定着サイトの存在が遺伝子型をランダム分布させている、というような内容(だと見た)。いずれにせよ、この修士論文がどうにも気になるんで、イスラエルに向けて修士論文の別刷り請求をe-mailで出してみる。PDF化してくれていると話が早いのだが・・・。いずれにしても、アレッポマツ関連の論文についてはもう少しきっちりと読解する必要がある。
・昨日の宿題。なぜかプロット図の下に子供の数を標記させるのがうまくいかない、ということで再び飯島さんの手助けを借りる。データフレーム化ができていなかった、のが全ての敗因。データハンドリングまわりはまだまだ修行が足らん。重なっているところは後で修正する必要があるが、一応、完成に近づいたようである。いやはや、もう少し自由自在に操れるようにならねば・・・。