・久保さんと練さんから既に改定稿に対するコメント、修正案が届いている。結果と考察では、やはりこちらの勘違いで変な方向に行っていたのを軌道修正していただけたようで、なんか進んだ感じ。午前中、倒木更新関連の生態的な論文を読んで、考察などを補強する作業の下準備。一気に、8編の論文を印刷して、片っ端から読む、ノートにメモ、うんうんと考える、原稿に反映させるためのアイデアを再びメモ・・・といった具合。
・これまでは、同じ遺伝マーカーを使った親子解析や遺伝構造の論文を中心に見ていたが、トドマツ、あるいは倒木更新を生態学的に検討した論文を読むと、また違った角度から結論が見えてくる。こうした縦と横の糸をつむぐ作業が論文執筆ではかなり大事だ、と思う。倒木もあればいいというわけではなく、腐朽の程度によって、条件が異なり、実生密度が大きく違う、といった論文や、ササの密生度によって倒木のトドマツ更新への相対的重要度が異なる、といった論文が役に立ちそう。
・Suzuki et al. (1987)とHiura et al. (1996)を読むと、トドマツ齢構成のデータが掲載されている。今回の小径木(DBH:5-20cm)が70年前後というのは、これらと比較して妥当な値であることが分かった。また、倒木上の実生や稚樹の年齢も同様である。一方、今回はデータを取っていない成木の年齢はかなりばらつくようだ。Suzukiら(1987)ではスタンド1では1-100年生までは逆J字型だが、100-120年生がほとんどなく、122-195年生に小さなピークがある。スタンド2では逆に1-158年生まで典型的なL字型分布を示し、1個体だけが245年生である。Hiuraら(1996)では、大部分は150年生までで連続的だが、200年生以上も認められている(最大249年)。高さ10m以上の個体の年齢は、プロット内では平均94.7年生で、その周囲では104年生(33~187年生)である。
・こうしてみると、成木の年齢はスタンドの履歴などによってかなり異なるものの、小径木のサイズでは、成木サイズと世代が入れ替わっていない、という本研究の結果は必ずしもおかしくはない・・・と思われる。Kubota et al. (1994)が指摘するように、トドマツは閉鎖林分内でも緩やかに成長し、ギャップ形成を”待つ”戦略をとっているのであれば、林分内のギャップ形成によって個体間競争が加速して、間引き効果が起こるというのは矛盾しないのではないだろうか・・・。つまり、成木サイズと小径木サイズはほとんど世代は同じで、定着後の攪乱の歴史が空間的、遺伝的な構造と結びついている、という流れでいいような気がしてきた。
・午後に、久保さんにアップロードしていただいた原稿を午前中のメモに従って改訂。3時半ごろまでかかり、改訂終了。WinShell、LaTexの細かいルールがまだ分かっていないが、とりあえずアップロード、お二人に連絡。いよいよ改訂作業も大詰めになってきたようだ(といいんだけど・・・)。明日の札幌往復で、細かい表現をさらにチェックすることにしよう。
・これまでは、同じ遺伝マーカーを使った親子解析や遺伝構造の論文を中心に見ていたが、トドマツ、あるいは倒木更新を生態学的に検討した論文を読むと、また違った角度から結論が見えてくる。こうした縦と横の糸をつむぐ作業が論文執筆ではかなり大事だ、と思う。倒木もあればいいというわけではなく、腐朽の程度によって、条件が異なり、実生密度が大きく違う、といった論文や、ササの密生度によって倒木のトドマツ更新への相対的重要度が異なる、といった論文が役に立ちそう。
・Suzuki et al. (1987)とHiura et al. (1996)を読むと、トドマツ齢構成のデータが掲載されている。今回の小径木(DBH:5-20cm)が70年前後というのは、これらと比較して妥当な値であることが分かった。また、倒木上の実生や稚樹の年齢も同様である。一方、今回はデータを取っていない成木の年齢はかなりばらつくようだ。Suzukiら(1987)ではスタンド1では1-100年生までは逆J字型だが、100-120年生がほとんどなく、122-195年生に小さなピークがある。スタンド2では逆に1-158年生まで典型的なL字型分布を示し、1個体だけが245年生である。Hiuraら(1996)では、大部分は150年生までで連続的だが、200年生以上も認められている(最大249年)。高さ10m以上の個体の年齢は、プロット内では平均94.7年生で、その周囲では104年生(33~187年生)である。
・こうしてみると、成木の年齢はスタンドの履歴などによってかなり異なるものの、小径木のサイズでは、成木サイズと世代が入れ替わっていない、という本研究の結果は必ずしもおかしくはない・・・と思われる。Kubota et al. (1994)が指摘するように、トドマツは閉鎖林分内でも緩やかに成長し、ギャップ形成を”待つ”戦略をとっているのであれば、林分内のギャップ形成によって個体間競争が加速して、間引き効果が起こるというのは矛盾しないのではないだろうか・・・。つまり、成木サイズと小径木サイズはほとんど世代は同じで、定着後の攪乱の歴史が空間的、遺伝的な構造と結びついている、という流れでいいような気がしてきた。
・午後に、久保さんにアップロードしていただいた原稿を午前中のメモに従って改訂。3時半ごろまでかかり、改訂終了。WinShell、LaTexの細かいルールがまだ分かっていないが、とりあえずアップロード、お二人に連絡。いよいよ改訂作業も大詰めになってきたようだ(といいんだけど・・・)。明日の札幌往復で、細かい表現をさらにチェックすることにしよう。