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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

プレーリー緑化

2008-04-30 | 研究ノート
・うっ、丸々一週間も日記を書くのをサボってしまった。なんでこんなにせわしないのか、未だにペースをつかめていない。ちなみに、GW前半は福岡・長崎に帰省していた。飛行機を羽田ー福岡にしたので、博多から長崎へは特急かもめで向かう。かもめといえば博多に勤めていた頃にも出張でよく利用していたのだが、かなり”レトロ”なイメージだった。今や”ソニック”になっており、シートも革張りで実に快適である。



・長崎に一泊した後、嫁さんの実家である北九州へと今度は高速バスで向かう。九州の高速バスは実に充実しており、値段も安い。ところで、あまり知られていないと思うのだが、北九州の魚は旨い(工業地帯のイメージがあるけど・・・)。久しぶりに絶品の刺身を頂いたり、博多ラーメンを堪能したり、朝食にうどんを食べたり(博多はうどんもうまい。もちろん、ごぼう天うどん)、旧友にあったりと忙しい日々であった。



・さて、4月末日ともなると、当試験地もいよいよ緑が濃い。木漏れ日を受けていると、なんだかのんびりした雰囲気に浸ってしまう。が、無論、のんびりしている場合ではない!。午前中、どうにかこうにか、諸事を片付けつつ、講義準備。一応終了・・・。

・午後から手伝ってもらって、アオキの人工授粉で使用した袋を外す。もはや、花の時期は完全に終わっている。幸い、袋の中で折れたりした花序はなかったのだが、将来、実になる部分はほとんど変化がない。多少ふくらんでいるように見えるのは当方の希望的観測というヤツで、コントロールである無受粉の花序も同じくらいのふくらみがあるような、ないような・・・。ともかく、オープンの枝も花数をカウントしているので、あとはどのくらいが実になるかを調べるだけである。



・最近、non-localとlocalの交雑ポテンシャルを調べるという目的で、フェノロジー観察を行ったような論文がいくつか出ているようだ。Selbo & Snow(2005)Restoration Ecology13(3): 441-447では、北米オハイオ州の保全緑化プログラムで使われる多年生草本Andropogon gerardiiの商業的種苗と自生集団の開花フェノロジーを調べた結果、フェノロジカルな不一致はないので交雑可能性は否定できないとしている。

・それにしても、こんな草本の開花フェノロジーとか調べたら、花粉症患者には辛いことになりそうである。当方も人事ではなく、樹木の開花調査とか身をいじめつつやっているわけだが・・・。それにしても、Restorationと一言で言っても”欧米”のものはスケールがかなり大きそうだ。やはり、チャンスを見つけて、一度は現場を見に行ってみたいところである。

マングローブ

2008-04-22 | 研究ノート
・朝から講義準備。今週も使える時間は意外と少ない。9時半ごろからLさんとGさんとのマングローブ会談。当方のモデルパートの説明はまだまだ不備がありそうで、宿題となる。イントロにはこちらで注文を出し、それぞれに宿題を抱えて終了。

・原田光著の「林木の集団遺伝学入門」は内容がコンパクトにまとまっていて、テキストとしてはぴったり。というか、改めて読むと当方が勉強になる。やはり、林木での例が挙げてあると、具体的なイメージができる。

・飯島くんからトドマツ交雑試験の再解析結果(途中経過)が届く。親の平均値からの有意なズレはDBHのみで認められる(遠交弱勢)。ほとんどの形質は平均値と有意に変わらないという結果なので、「雑種強勢は起こっていない」ということだけは確実にいえそうだ。集団間交雑で雑種強勢が起こったとする論文をよく読んでみることにしよう。

若葉の頃

2008-04-21 | フィールドから
・午後から学生実習が行われるということで、概要説明の準備。こういう機会でもないと、なかなか沿革とかを覚えることができないわけで・・・。パワーポイントで資料を作成するも、改めて各所の特色を一言で語ろうとすると案外難しい。研究室も横断的になっているので、その辺りも整理しないと。2時ごろ、実習にぽつりぽつりと集まってきた学生を相手に、演習林と当試験地の概要説明。パワーポイントはもう少し改良が必要だが、やはりあった方が説明しやすい。



・20分ほどで説明終了。畑には技術スタッフが待ち構えており、既に準備万端である。学生たちは、技術スタッフ指導のもと、1時間半ほど畑と戯れる。本日は種蒔きと床替えということで、これも当試験地の歴史として刻まれていく。4時過ぎに無事終了。今日は寒くもなく、暑くもなく、風もなく・・・、絶好の日和だっただけに、のんびりした雰囲気が漂っている。

・実習終了後、試験地の半周ほど案内するのについていく。当方は今日は勉強するだけと思って(大人しくして)いたのだが、つい余計な説明をしてしまう。と、マツの種子ができるのは受精してから2年かかるという話をしたら、学生からどうしてそんなに長いのか(長くてなんかメリットがあるのか?)、という質問。

・こうした”素朴な”にあたふたするのは今に始まったことではない。マツ類の受精遅延については、色々と細かな研究例もあるようだが、どうしてかといわれると難しそうである(単に原始的だからか・・・?)。”何で?”という質問は案外深いことが多いわけだが、これも盲点であった。

・ひとしきり案内した後、それにしても、試験地内の樹木の名前自体を自分がちゃんと分かっていない、ということに改めて気づいたので、実習終了後、Sさんに低木類の樹種名を教えてもらう。どんどん進むといつの間にか20種くらいになる。最近は、言われた端からどんどん忘れてしまうので、デジカメで撮影し、忘れないうちに名前をメモする。



・印象に残った樹木をいくつか・・・。ニガキの新葉をいわれるがままに口に入れて噛んでみたら、本当に苦かった(これは鮮烈であった!)。エノキ、エゴノキ、ムクノキの見分けがかなりあやしい。常緑低木も怪しいのだが、シロダモだけは新芽が(枯れ下がっているんじゃないか?)というくらい、だらんと垂れ下がるので、この時期だけは分かりそうである。


ひばりが丘

2008-04-20 | その他あれこれ
・郵便局前でバスを待っていると、傍らにはぺんぺん草が・・・。久しぶりに見たような気がする。切れ目からたくましく育っている。



・花バスにのってひばりが丘の探検へ。花バスはマイクロバスで、どこまで行っても100円。


・ひばりが丘は田無とはまた異なる上品な(?)雰囲気である。路地にも色々とこだわりの店がありそう。パルコ内で買い物少々。地下にはQueen's 伊勢丹が入っており、食料品は充実している。スティック・スイーツの店でお土産を買って帰宅。

・ひばりが丘駅で”パスモ”を購入。これでバス、西武線、地下鉄がタッチするだけで改札を抜けることができるようになった。来週も3回は弥生に行くので、活用する機会は多そうである。

ハナミズキ

2008-04-19 | その他あれこれ
・子供と少し離れた公園に行く。子供は自転車、当方は小走りで・・・。田無では街道沿いの街路樹としてハナミズキがよく植えられている。最近人気だとは聞いていたが、白とピンクがあり楽しませてくれる。しかし、そろそろシーズンも終盤といった風情である。





・役場を過ぎたところで近道をしようと斜めに小道を入る。が、なぜか予想した大通りにでない。ぐるぐると歩き回って完全に迷ってしまった。と思った途端、一度来たことのある子供が「こっちだ」と走り出す。ようやく公園到着。ここならば、思う存分、自転車で走り回れる。



・帰り道、子供は自転車なのでスイスイと行くが、こちらは散々歩き回った後なので遅れがちになり、”待ってくれー”状態。大きな看板、西東京名物”かりんとう”。かりんとうって名物だったのか、一度、試してみよう。

濡れ落ち葉

2008-04-18 | その他あれこれ
・昨日は森林科学セミナーでの講演。当方が第一回のスピーカーだったわけだ。始まるまで、どのくらいの人数が出席するかもよく分からんかったわけだが、7号教室がいっぱいになるほど。各研究室の”ドン”が来るとなると、学生は来ないわけにはいかんわけで、驚くほどの出席率である。

・今回は、トドマツの相互移植と交雑試験を無理やりつなげて復元生態学的な話題提供をしたのだが、発表後、学生の皆さんからも質問や指摘をいただけたのはうれしかった。当方の不勉強もあって、冷や汗をかきつつ、セミナーは何とか終了。造林部屋にて学生の皆さんも交えて打ち上げ。やはり1時間近くもしゃべった後のビールはうまい。

・朝起きてメールをチェックするとConservation Biologyからの返事。何となく感じた不吉な予感は当たり・・・。うーむ、ここまで来ていながら、リジェクトとは残念。少なくとも、editorリジェクトがスパムメールに振り分けられて、気がつかずに捨ててしまった、という最悪のシナリオではなかったわけだが。当方の気持ちを代弁するかのように雨が降る。最近は、合羽を着て職場に行くのが普通になってしまった。強い雨風のせいでクスノキの新葉が落ちている。色とりどりで、まるで落ち葉のようだ。



・朝からLさんとGさんが連れ立って訪れて、マングローブ論文の相談。結果に使用する図表がようやく固まってきた。ずっと議論しているうちに、思っていた以上に面白い結果のような気がしてきた。当方からはモデルの説明などで分担。最後に、Gさんから「先生は北海道から来ているんですか?」という、おとぼけ質問を受ける。こらこら、先週も打ち合わせたでしょうが・・・。「ずいぶん頻繁にくるなあ」とでも思っていたのであろうか。

・午後から弥生に行く道すがら、Conservation Biologyからの審査結果を読む。基本的に、樹木で異なるエコタイプ間の交雑試験を行ったデータ自体は貴重だという点はうまく伝わっていたようだ。しかし、Outbreeding depressionの定義が根本的に甘く、今回の解析では検出できたことにならないという部分がもっともクリティカルであったようだ。これは完全に当方の責任だが、やはり親同士の平均に比べて有意に低いことを示さないといかんようだ。参考文献も紹介してくれているので、もう一度勉強しつつ、イントロも変更して仕切りなおしである。

カメムシの逆襲

2008-04-16 | 研究ノート
・終日、田無である。雨が続いたが、アオキの人工交配の袋は無事であった。花がだいぶしおれてきて、袋がけが必要なのもあとしばらくであろう。じたばたと書類作成など。意外なほど時間がかかってしまう。あっという間にお昼。



・明日に迫るセミナーの準備。練習しつつ、細かいところを直していく。



・やはり、一日、田無にいると落ち着く・・・はずなんだが、部屋に入り込んだカメムシがぶんぶんとうるさい。意を決して、厚手の軍手をつけてむんずとつかみ、窓の外へ。ほっとしたのもつかの間、またもやブーンという音。うっ、まだいたのか・・・。

・またもや厚手の軍手でつかもうとしたが、素早く逃げられてしまう。さらには、飛び立った後に、こちらに突然向かってきたりして焦る。何もしなければほっとくんだが、飛んでいる音が少しスズメハチに似ていて、落ち着かない。ううむ、手ごわい。残されたにおいにも閉口しつつ、今更ながら、樹木園の苦労が思いやられる。

天気予報

2008-04-14 | 研究ノート
・天気予報がよく当たるような気がする。やはり、観測ポイントや観測者が多いせいなのか、精度が以前とは全く異なる気がしてならない。「午前中雨で午後から晴れる」といった、時間的な予報も結構正確だったりするのである。とはいえ、降ったからどう、というものでもなく、合羽を着て自転車で行くだけのことである。

・なぜか全くジャンルの異なる3つもの原稿を同時並行的にチェックすることになる。こうした論文チェックも抱えていないときには全然なかったりするのだが、不思議とシンクロするものだ。そういえば、自分で論文を書く場合でも、投稿したタイミングはズレているのに、早く投稿した雑誌の審査が遅れたりして、同時に近いタイミングで審査結果が次々と送られることがよくある。

・職場から帰ろうとしたとたんに、にわか雨。見事なタイミングである。しかし、夕焼けを消すほどの勢いはなく、「春雨じゃぬれていこう」という気分。花粉症の当方にとっては、雨が降っている間はマスクをしなくても大丈夫な時間が確保されるわけで、恵みの雨ともいえる。

2008-04-13 | その他あれこれ
・天気予報どおり、朝から霧雨が降っている。ここのところ、天気が安定しない。バスで田無駅まで行って、アスタで買い物。バスの時間に合わせて行動しているわけだが、車がないと行動パターンがずいぶんと変わるようになった。

・午後から雨が上ったので、近所の公園にて再び自転車練習に付き合う。必ずのように犬を散歩している人が通りかかるのだが、この辺りでは”芝”が多い。犬が飼えるとよかったのだけれど、ペット可能なアパート/マンションになると実に極端に物件がなくなってしまうんだよねえ(総じて高いし・・・)。

・4月17日のセミナーでの発表準備。ストーリーがうまく流れていないようで、妙にプレッシャーになりつつある。トドマツ標高別相互移植と交雑の話を元に、応用的な話題を提供する予定だがなかなか難しい。来週は、水曜日を除いて、全て弥生に行くことになってしまった。満員電車が憂鬱である。

自転車再挑戦

2008-04-12 | その他あれこれ
・購入したまま玄関に仕舞いこまれていただった緑色の自転車をついに引っ張り出して、再び、近所の公園で練習。最初、後ろから押してあげることで直線は乗れるようになった。ここまでできるようになれば、コツをつかむのはあっという間。いつの間にか、細いところもすいすいと乗れるようになり、本人も大満足の様子。



・公園の隣は小さな屋敷林のようになっていて、やはりアオキが生えている。アオキは本当にどこにでもあるねえ・・・。ここでも花が咲いており、つい気になって眺めてしまう。お、全く花弁に色がない個体を発見。普通の個体と比べるとその色のなさが際立つ。ほとんど注目されることのない地味な花なのだが、注目し始めると、アオキの花弁の色や形の変異は結構面白い。



・田無駅で妻と上の子供と待ち合わせ、中華でランチを食べる。ちょっと裏通りにあるので分かりにくいのだが、3種類のランチはそれぞれ驚きがあり、なかなかのものであった。実は、この界隈は食のレベルが高いらしく、ぱっと入っても外さないことが多い。ちょっと冒険しては撃沈していた富良野時代とはえらい違いだ。店探しはまだまだ楽しめそうである。

・ちょっと足を伸ばして新宿まで。まだ駅の近くのデパートをうろうろとする程度だが、それでも結構楽しい。当方は着る機会が増えるということで、グリーンレーベルにてスーツを新調。現在持っているダークグレイの色違いで、実にオーソドックス。家族もそれぞれ春物を購入。たまのショッピングは気分転換には最高である。