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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

アカエゾマツcommon garden test測定

2007-10-31 | フィールドから
・58林班に設定したアカエゾマツのcommon garden testの測定。これらは湿地産と高標高産の母樹別実生苗を単木混交し、そのパフォーマンスを比較できる仕掛けになっている。この試験地は当方が設定したもので、100本×12ブロックになっている。昨年同様に、樹高と根元径を測定。またもや、樹木園スタッフに手伝っていただいて、3組に分かれて測定。



・プラスチックラベルをつけているので、個体番号の識別は容易である。いつか、枝に付け替えるなどをしなければならないが、とりあえずは食い込む心配はなさそうである。昨年と比較する尾t、新たに枯死した個体は少なく、順調に生育している。成長のいいものだと、当年生シュートが20cm以上になっている。



・妙な”雄たけび”がするなあと思ったら、なにやら黒いものが飛行している。クマゲラである。鳴き声を聞くことはあるが、姿を見るのは珍しい。2回ほど飛行を見ることができた。さらに、これまた珍しいことに写真を撮ることができた。



・地拵えした後には、林縁部でトドマツが旺盛な更新をしている。分かっていたことだが、中央部では更新数は少ないので、林縁効果は絶大である。この付近の標高はトドマツの蓄積量が多い。こうした場所で、湿地産と高山産の子供たちがどのようなパフォーマンスをするのか、データを見るのが楽しみである。


50周年原稿執筆

2007-10-30 | 研究ノート
・北海道の林木育種50周年原稿の締め切りが迫ってきた。あまりにも気持ちが重いので、この辺で少し進めておくことにする。まずは、ヤチダモとアオダモの項目から。内容を大幅に書き換えると6ページに収まってしまった。担当ページ数は到底守れそうにないが、ヤチダモとアオダモでは育種がされていないといってよいので、どう考えても書くことがない。とりあえず、ほぼ原稿が固まると少し気分が落ち着く。

・SSRマーカーで調べたエゾノウワミズザクラのクローン構造についての原稿を久しぶりに修正。斎藤(1999)による伏条更新の文献などを加えると、かなり内容が深まってきた。やっぱりちゃんと下調べをしないといけないねえ・・・。こちらの方はだいぶ進んだような気がするのだが、もう一度、冷静に読み返してみる必要がある。

・50周年のカンバ類の原稿にも手をつける。よくよく調べていたら、北海道の林木育種でカンバ類特集をやっていたんだった(すっかり忘れていた)。この特集号は、今回の原稿執筆には大変役に立った。かつてはカンバ類の育種も精力的に進められた時期があったのだ・・・。とにかく今日は締め切りまでの時間に逆らうべく、ひたすらに書きまくった。仕上がり程度はともかくとして、我ながらよく書いた。

・4時ごろから、立て続けに、支部大会のプレゼンのチェック。全体の流れ、結論のポイントといった大きな視点から、フォントの大きさとか、書き込む文字の長さとか、言い回しなど、細かいところまであれこれと指摘。本番であがらないためには、後は練習を積むしかないわけだが、発表当人は今時期が一番きついところであろう。

カラマツ黄葉

2007-10-29 | フィールドから
・アカエゾマツ研究打ち合わせに備えて、ロガーデータの整理と解析。こうした径時的データというのは処理が難しい。本当はRでびしびしとデータマイニングすべきなんだろうけど、当方にとってはある程度までエクセルのピボット・テーブルを使って加工した方が楽。とりあえず、月ごとに平均気温と湿度をプロットすると、温度はもちろん標高にそって変化するが、湿度は必ずしもそうはいかない。

・標高別に相互移植した論文という条件で検索してみると、意外とたくさん出てくる。確かに、ここほどの規模は少ないようだが、分かっていたこと(だけど、単に無知で知らなかったこと)と分かっていなかったことを峻別してからでないと、論文は書けないなあ。

・午後から東大の実習。午前中までは、雨が降っていなかったのだが、当方が担当すると雨が降るというのはいつものとおり。しかし、学生達はなかなかの気合で、雨合羽などを準備していてくれている。興味深く実習を受けてくれていたので、こちらも気合が入る。ブナ産地別試験とトドマツ標高別相互移植試験は相変わらずプレゼンしやすい。



・ここのところの暖気で、カラマツの黄葉は意外と進んでいない。今だと、樹種による黄葉の進み具合の違いが明瞭に分かる。短い秋である。

川原とサッカー

2007-10-28 | その他あれこれ
・久しぶりに穏やかな一日である。午前中にステラのタイヤ交換をする。これでようやく安心である。先週は寒かったのだが、気候が変わったみたい。



・午後、河川敷へ遊びに行く。サッカーも最後だろうか・・・。紅葉ももはや終盤で、どちらかというと黄色と茶色が目立つようになってきた。もうすぐ10月も終わりである。



・サッカーに飽きると、今度は川で一遊び。もはや虫もいないので、落ち葉を川に流して競争する。夕日に輝く水面を見ていると、気分が落ち着く。

Hi-Tech C

2007-10-26 | 研究ノート
・原稿および発表の打ち合わせとチェックが続く。Hi-TechCの赤ペンをあっという間に使い切ってしまった。それにしても方角のせいか、居室が寒い。方々に連絡したりなんだりと、なにやら落ち着かない一日である。などといっている場合ではなく、Conserv Biolの審査を片付けないとまずい。50周年原稿はもっとまずい。しかし焦っても仕方ないので、一つ一つ片付けていくとしますか・・・。

・来週は時間を作って、久しぶりに実験をすることになりそうである。しっかし、久しぶりもいいとこだ。思いっきり忘れているんで、こういうときこそノートが重要になるわけだが・・・。我ながら、アナログだなあ。

Lat45

2007-10-25 | フィールドから
・北海道の演習林会議に出席のため、北大の天塩研究林へ。昨日は午後4時から会議、終了後、懇親会。2年ぶりの参加だが、今回は札幌や苫小牧、京大などが欠席していて少々さびしい。飲み会の中で、北大のT氏から、論文にはならないが年報には記載できる、現場職員の経験的な技術のデータベースを作る、という話を聞く。インターネット時代における技術の発信としては、確かに一つの大きな力になると感心しきり。



・本日は、天塩研究林のエクスカーション。まず、D1のKくんの火入れ調査区を見せてもらう。灯油バーナーで4箇所の林床を強さを変えて焼いている(町や消防署への連絡、防火帯設置、火入れ後の見回りなどは大変だったらしい・・・)。Kくんの実験は、昔から行われている”火入れ地拵え”によって、土壌条件がどのような影響を受けるかを科学的に検証する、というものである。ササの回復が想像以上に早く、火入れすれば、そう簡単にセーフサイトを作れる、というものではないようだ。これぞまさに、演習林ならではの実験である。ちょっとうらやましい・・・というか、かなり悔しい。Kくんには、土壌断面を簡単に作成できる工具を紹介していただく。これは”買い”だ!



・次は、30mのCO2フラックスタワー。ここが特徴的なのは、針広混交林にタワーを建てて、森林が存在する状態からCO2の収支測定を開始し、その後13haもの範囲を皆伐してカラマツを植栽することによって、伐採の影響と若齢林のCO2収支の変化を明らかにしていることである。さらに、森林全体ばかりでなく、自動開閉するチャンバーを用いてササ、土壌、カラマツの収支をミクロスケールでも押さえている。



・仕掛けが大きくて、ストーリーはシンプルなので、実にインパクトがある。とにかく30mのタワーの上から皆伐、植栽後を眺めるだけでも圧倒的である。タワーからは演習林の東側に広がる蛇紋岩地帯のアカエゾマツもよく見えた。そうそう、天塩演習林の広さは当演習林とほぼ同じである。東側は蛇紋岩、西側は褐色森林土にくっきり分かれており、西側の針広混交林では、トド、エゾ、カンバ(シラカンバとダケカンバが多い)、ナラ、シナ、タモなどが分布している(なぜか、色がさみしいんだけど・・・)。



・蛇紋岩地帯では、アカエゾマツは実は地表から実生が出現している。しかし、稚樹のステージまでは至っていない。葉の形態をさっと見る限り、あまり特徴的には見えない。成長もけっして悪くはないようである。





・エクスカーション中に北緯45度を超える。当方の最北記録更新である。それにしても、他の演習林を見せてもらうのは実にいい勉強になる。操作実験の規模の大きさには感銘を受けるし、山自体もとても面白かった。足寄のT氏の言葉を借りれば、”富良野辺りの中央部が一番richで、北に行くほどpoorになる”、ということが実感できる。richな森林を生かしたユニークな研究を展開しないとイカンですなあ・・・。



・最後に、天塩川の支流でサケが上ってきているのを生まれて初めてみた。既に、繁殖のピークは過ぎ、多くの個体が朽ち果てている。TVなどではよく見たシーンだが、”生と死”が静かに寄り添っている姿を見せつけられると、何かを感じずにはいられない。

支部大会、近づく・・・

2007-10-23 | 研究ノート
・いつの間にやら、北海道支部大会の発表が近づいている。なぜか同時期に技官研修もあるので、発表予定の4名の原稿を次々にチェックしていく。修正、返却、説明を繰り返していると、誰にどのような指摘をしたのか訳が分からなくなってくる。しかし、こうしたやりとりの中で、何か新しい知見が得られることがあるのが、論文執筆の醍醐味である(が、これが楽しいと思えるようになるまでには壁があるのであろう)。

・まあ、例年、この時期はこんな感じである。かなり頭がぼうっとしているものの、それぞれに原稿は確実に改善されている(はずである!)。今週末までに、細かい修正ができるくらいの段階まで進めたいところだ。

・そのほか、気になっていた宅急便の送付などを行う。明日は、中川までの長旅である。北へ。ひたすら北へ。帰り路に月が明るく輝いている。明日は晴天みたいで何よりである。この時期は峠がイヤだからねえ・・・。

ゼナの威力?

2007-10-22 | 研究ノート
・昨日は8時半には寝てしまった。が、いまだに疲れが抜けない。家族全員がのろのろとした月曜日である。色々とやらねばならんことがたまっているので、書き出してみると13項目にも及んでいる。気合を入れるために、ゼナを飲む。うかうかしていると風邪を引きそうだ。

・項目を眺めていると中でも重いのが、レビュー2件と北海道林木育種の原稿である。レビューの締め切りを確認すると、Conserv Biolが11月初めとやばい感じである。とりあえず、気になっていたメール等をどんどん返信する。

・締め切りが遅い方のレビューは方針が固まっているので、こちらから片付ける。ノートに書き出して、パソコンに入力。後は細かい部分を修正して明日には送ることができそうだ。締め切りが迫っていない(しかも、誰からも要求されていない・・・)”論文執筆講座のレジュメ”の一部をTeXに移す。基本的なところがまだまだ分かっていないねえ。しかし、それでも体裁はきれいなのがTeXのいいところである。

・それにしても天気がぐずついている。この時期、気分がめいる天気が続く。こういう日の調査は憂鬱だ、と思っていたら午後から雨が上った。筑波のTくんを迎えてミズナラサンプリング。事業区界林道沿いに300m程度おきにサンプリングしていく。出発したのが2時くらいだったので、あっという間に日が傾く。



・13林班のアカエゾマツの湿地林を見てもらって、岩魚沢に抜けて帰還。最後はライトをつけての走行。もはや調査できるのは4時までである。

合宿終了

2007-10-21 | その他あれこれ
・バスケットではじめての合宿。大雪青年自然の家に1泊2日で行ってきた。午後から活動開始したのだが、青年の家ならではのスケジュールで意外と慌しい。これでもだいぶゆるくなったそうだが、国旗掲揚とかが残っているのはさすが(?)である。当方担当のゲームでは、タイムトライアル30(30秒を正確に測る)とか、勝ち抜けあっち向いてホイ、などで大盛り上がり。ここまでは良かったのだが、盛り上がりすぎて子供達の寝ないこと・・・。4時くらいまでおきていたんじゃないだろうか・・・。泊ってくれた方々もぼろぼろである。

・朝には掃除チェックがある。先生がたに予めチェックしていただいていたのでほとんど問題なかったが、トイレではトイレットペーパーを三角に折るように・・・との指導を受けた(何のために・・・???疑問)。本日は午前中練習し、午後から超強豪Nチームと練習試合。かなりスピードがついてきたはずなのだが、やはり一方的にやられてしまう。2Qはかなり追い上げたのだが、最後は余裕を見せられてのほぼダブルスコア。随所にいいプレーが見られるようになったとはいえ、強いところはやっぱり強い。

・メインイベントの合宿も終わり。6年生にとってはあと3週間。あまりの短さに嘆息ものである。子供達には、くいのないように精一杯がんばって欲しいねえ。

雪山登山

2007-10-19 | フィールドから
・昨日に引き続き、11林班、27林班、大麓山山頂付近の4サイトのロガーデータ回収と冬支度に行く。麓郷街道の紅葉はいよいよ深く、鮮やかである。インドネシアの留学生Bさんも大喜びで記念撮影。この時期、針葉樹の緑と広葉樹の黄色、オレンジ、赤のコントラストが見事である。



・晴天ではあるのだが、大麓山山頂付近にやや雲がかかっているので晴れるのを待つことにして、12林班のエゾマツ試験地の木枠設置とロガー(一部)設置。こちらはすんなりと終了。11林班も終了していよいよ山頂へ向かうが、雲はますます厚くなってくる。



・1100mからの最後の急な登りは既に雪道。もう一度、雪が降ったら行くことができなくなるところだった。危ない、危ない・・・ぎりぎりのタイミングである。登山道も既に雪道。滑るので、思ったよりも体力を使う。途中のカーブで休憩しているうちに、さらなる雲の塊が押し寄せる。今日は山頂からの大雪山系の眺望が絶景だと思ったんだが無念。



・山頂は信じられない体感気温。完全に雪山登山である。とりあえず、全データロガーは正常に動いており、無事に回収できた。データをちらっと見た限り、さすがに山頂は寒そうである(当たり前か・・・)。さてさて、じっくりと見るとしよう。