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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

大雪山系の冠雪

2007-09-30 | フィールドから
・地元の子供たちを連れて大麓山登山(公開事業の一つ)。今日は晴天で頂上まですっきりと見渡せる。1000mから登山開始。登山口まで休み休みの歩行。1200mから頂上までは登山道で、一人ずつが通れる道になっている。途中、Oくんのナキウサギ調査用の自動撮影装置を発見。林道を狙うアングルのものは見事にシャッターが切れた。ちゃんと動いているようで一安心。回収した時にどんな動物が写っているのか、楽しみだねえ(当方の足もその一枚だけど・・・)。



・ようやく山頂に着くと、ニュースで聞いたとおり、なるほど初冠雪の大雪山系はうっすらと雪化粧。これまた、なかなかいい景色である。しかし、山頂はやはり気温が低く、長い時間は居ることができない。記念写真を撮って、早々の下山。1100mまで降りたところで食事。山の上で温めたきのこ汁が美味しかった。



・昼飯後に寝ていたら、子供たちから「ひげ」が”ムーディ○山”に似ていると言われてしまう。当人とすれば心外なのだが、最近、ひげがうっとうしかったのも事実だ。それにしても最近、売れない芸人に似ていると言われることが多いような気が・・・なんでだろ?

Texエラー

2007-09-29 | その他あれこれ
・地がき論文の修正を続ける。最後は子供を自転車で遊ばせながら、青空の下で原稿をチェック。夕食後の作業でTex修正は完了したはずなのだが、どういうわけかエラーが消えなくなり、DVIファイルを見ることができなくなった。調子がいいときはいいのだが、いったんダメになるとどうしていいか分からんというのがLaTexの辛いところである。簡単なミスだと思うんだけど・・・。

・空に浮かんだ雲の合間が馬みたいだ、という子供の言葉に妙に感心したりして・・・。雲そのものが何かに似ているってのは考え付くんだけど、合間の空をイメージできるのはさすが発想が自由だ。

タネの話

2007-09-28 | 研究ノート
・昨日から対応していた学生実習が終了。今年の学生達は実におとなしかった。IPOS後だけにその印象が余計に強かったのだろうか。林道に倒れていたオオバボダイジュのタネを採取。これで、ヤチダモ、カエデ、シナの3種の風散布型種子が揃った。オオバボダイジュのタネは翼が付いて、実にうまく回りながら散布される。散布後は丸い種子は自然と離れてしまうようである。今度の講義では、これらの種子を使って、ミニ散布実験を行う予定である。



・いろいろありまして、なんか全然進まないままに本日終了。帰り際に「ヒョウ」が降ってきた。相変わらず天気が安定しない。それにしても「ヒョウ」とはねえ・・・。

中秋の名月

2007-09-26 | 研究ノート
・最近、朝晩の冷え込みが厳しくなった。大雪山系では早くも初冠雪があったらしい。そろそろストーブの準備をしないといかん。ちょっと前までの暑さは一体何だったんだろう。せっかくの晴天だが、こういうときに限って室内でたまった仕事をこなす。

・地がき論文改訂作業、考察を大きく変更。全体として、まるで別人になったといった風情。ひとしきり修正原稿を眺めて、再び飯島くんに送付。今回の修正はかなり手ごたえがある。そのほか、エゾノウワミズザクラ、トドマツ標高別、北海道支部大会発表のための原稿修正、図表作成など。なんか、色んな原稿が手元にあるなあ。あっという間に5時過ぎ、時間が経つのが早いこと・・・。



・帰り道は既に夜道である。芦別岳のシルエットが藍色の空に浮かび上っている。ふと見ると、富良野市街地の夜景も見える。日が落ちるのが早くなった。スポーツ店で注文していたデジタルタイマを受け取り、学校へ。子供たちに初披露。これを使って、もっと強くなってくれい。やけに月が明るいと思ったら、中秋の名月らしい。納得。

文系と理系

2007-09-25 | 研究ノート
・Hくんの択伐林におけるトドマツ更新動態に関する論文の修正原稿を共著者間でじりじりと改訂する。こちらが考案した新たな考察がうまく伝わっていないことが判明し、その部分を修正して原稿を送付。これで最終修正原稿となるか・・・。

・地がき論文改訂をこれまたじりじりと進める。考察の一部をイントロに移してみるというアイデアを思いつく。こうなると、イントロをうまくまとめられるかが問題となりそうである。図表についても使用・非使用を考える。改訂作業は明日の午前中が勝負だ。

・今日から新たな実習である。3時過ぎに麓郷に行って、実習のオリエンテーション+自己紹介。いつも思うことだけど、理系と文系で森林に対するセンスは違わないようだ。当方も理系だけど、実は文系に進むかどうか真剣に考えたことがあった(いまだに文系っぽい気もするけど・・・)。何はともあれ、4日間の間に何を感じるか、学生たちの感性に期待したいところである。

試合疲れ

2007-09-24 | その他あれこれ
・芦別へバスケット練習試合に行く。Cチームの合宿+練習試合に参加させてもらう形式。8時45分開場、9時半から試合開始である。芦別総合体育館はプロのバレーチームも練習に来るほどの設備である。こんな施設が富良野にあったらねえ・・・。

・試合本番である。ここのところ、学芸会などで練習ができていなかったわけだが、子供たちの調子に”もろ”に反映されてしまっている。実力的には決して負けていないはずなのだが、全くボールが手につかず、パス・ミス、シュート・ミスを連発。一時は8点差まで詰めたが、じりじりと差をあけられ、23-40で敗退。

・第二戦はMチーム。GWでは勝っているとあって、子供たちもどこか油断していたようだ。しかし、Mチームは実力をぐんぐん伸ばしていた。特に7番は背も高くシュートをほとんど外さず、結局、一人で36点も入れられた。というわけで、この試合もいいところがほとんどないまま、53-25のダブルスコアで敗退。

・試合応援には何度も行っているが、これほどまでにいいところを出せなかった試合も珍しい。唯一、ミニゲームに出場した選手の中で、成長を感じさせる選手がいたのが救いか・・・。10月7日の大会までに、気合を入れなおさんと、話にならん。何にも動いていないんだけど、明日からの仕事を前にどっと疲れた。とほほ・・・。

いつもの美瑛

2007-09-23 | その他あれこれ
・連休二日目。ちょっと出掛けてみるか、ということになり、久しぶりに美瑛へ。ここ3年くらい美瑛は通過するだけで遊びに行っていなかった。まずは、珈琲を購入するために、美馬牛のGoshへ。店が出来た頃から通っていたのだが、子供の出産祝い返しに訪れて以来のご無沙汰。看板犬”ゆすら”も昔通っていた頃はやんちゃで当方が遊んであげると大騒ぎしていたものだが、ずいぶんと落ち着いてしまった。こちらも歳を取るわけだよ。珈琲、カルモシモサカを購入。ちなみに、ここのパンはハード系がうまい(値段もいいけど・・・)。



・久しぶりに”新栄の丘”に行く。かつては、お客さんを案内するときにはよく連れて行ったものだが、最近はとんとご無沙汰。天気もいいせいか、相変わらず広大な景色。もっと感動しなくちゃいけないんだけど、さすがに長年住んでいるとこの景色にも完全に慣れてしまっている。



・美瑛の国道沿いのレストランで昼食を取る予定だったのだが、あまりのお客の多さに断られる。しっかし、ここのフレンチの値段は高い。冒険するのもかなり勇気が必要である。ガラリと趣向を変えて、麦の丘でラーメンを食す。味噌ラーメンは我が家にとってはちょっと味が濃い目。例によって、お酒とパンをゲットして帰宅。もうちょっと距離的に近いといいんだけどねえ、美瑛って。

憧れガラパゴス

2007-09-22 | その他あれこれ
・ふらっとの水泳教室に連れて行き、自分も泳ぐ。今日は25mを10本(平泳ぎ)と2本(クロール)。ランニング・ハイというほどではないにせよ、1週間に一度泳ぐっていうのは運動不足解消によい。子供の方は少しずつではあるが、水に慣れて顔をつけるのもだいぶ平気になってきたみたい。バタ足がなかなかできないようだけど・・・。

・午後から散策に行く。栗拾いはまだ早く、虫捕りはもはや遅い。しかし、今はきのこのシーズンだ。カラマツ下を散策すると、落葉(ハナイグチ)が見つかる。カラマツの林床から顔をのぞかせた落葉きのこは宝石のように輝いている。



・いよいよ玉葱収穫は本格的になっている。倉庫には玉葱が詰められた巨大コンテナがずらっと。壮観である。

・図書館で借りてきた名著、「フィンチの嘴」を読み返す。この本は、生物が好きな人にとっては憧れのガラパゴス諸島を舞台として繰り広げられた小鳥”ダーウィンフィンチ”にまつわる驚くべき進化研究が生き生きとつづられている。

・こうした研究の物語はしばしば退屈になりがちなのだが、この本では、グラント夫妻を初めとする研究者達のフィールドワークだけでなく、ダーウィンの逸話が織り重なり、絶妙なタイミングで話が展開されていく。フィンチの生態が面白いだけでなく、様々な自然選択に対して驚くほど急ピッチに展開される”進化”が目に見えるものだ、ということを証明している。

・進化研究であるにもかかわらず、フィンチの研究で使用している最も重要なツールのは”ノギス”である。嘴のサイズを0.5mm単位で正確に測ることの大切さが指摘されているのが印象的である。実はこの本を読むのは二度目である。しかし、現在進行形のアカエゾマツの局所適応の研究にも通じるところがあり、違った意味で新鮮な想いをもって読むことができる。

不快指数

2007-09-21 | 研究ノート
・ここのところ湿度が異様に高く、部屋も何だかべたべたしている。北海道の快適な秋はどこにいったのであろうか・・・。職員による植え付けが運よく昨日で終了したので、夕方までの時間が確保できた。来週からは実習なので、貴重な時間である。ということで、滞っていた地がき論文の考察をひたすら修正。結局、”全文書き変え”みたいになってしまった。

・PDF化してイントロから再読すると、あちこちに”ほころび”が生じている。結局、3時半までかかってしまったが、解析方法の変更に伴う論文のポイント改訂はだいぶ形作られているみたいな気がする。標高と微地形の効果についての考察もだいぶ座りが良くなった(と思う)。後は、本番の図表に修正してもらってから、もう一度、重要な関連論文を読み直しながら、手直しをする必要がある。

・Tくんとシナノキ萌芽データの打ち合わせを行い、ようやく最終的なデータが固まった。新たに、ジェネット単位で発生シュート数に及ぼす要因を解析してみる・・・。おっ、今度はいい感じ。伐採前の萌芽幹の数が多いと、伐採後にも多くのシュートが発生する、といえそうである。やはり萌芽のしやすさは遺伝的に決まっている部分も多いようだ。樹種間の違いも明瞭で、解析はジェネット単位が中心にするのが良さそうである。


岩魚沢のハリギリ

2007-09-20 | フィールドから
・京都からハリギリ葉(と葉についている病気)のサンプリングに来た阪口くん達を連れて、岩魚沢へ。阪口くんは、ハリギリとハリギリの生葉に寄生するハリギリ褐班病菌の系統地理、ホストの遺伝的多様性と寄生率に関する研究を全国規模で行っている。北海道では、ここ富良野を皮切りに、さらに10箇所(?)くらい周る予定らしい。今年は前山方面ばかりなので、久しぶりの岩魚沢は実に新鮮である。試験地内の個体密度は低いことが予想されていたので、中央部付近の比較的多いプロット周りを中心に歩く。かなりの悪天候が予想されたが、幸いなことにそこまでひどくはならずに済んだ。これまた同行した津田さん効果だろうか・・・。



・この病原菌は、葉に褐色の斑をつくるので、素人でもすぐに分かるようになった。岩魚沢のハリギリは、ほとんど全個体がこの病気にかかってはいたが、その程度はかなり軽微である。本州では葉が真っ黒になって落ちるような個体もあるらしいので、それから考えればたいしたことはない。以前、二次林のハリギリがなぜか枯れていくという話を技術スタッフから聞いたのだが、この病気と関連するのだろうか、ちょっと興味がある。

・岩魚沢森林内のハリギリは下枝が枯れ上がっていて、12mのカマつき樹高棒でも太刀打ちできないのが結構あった。発見だったのは、葉がデカイせいで遠近感がおかしくなる、ということである。いつもの感覚だと、”この枝なら届く!”はずなのだが、カマは空を切り、枝葉は1mほど上にある。やっぱり葉が特大サイズだからなんだろうか。



・ハリギリの中にはDBH80cmを超える特大サイズもある。こうした個体の幹はえもいわれぬ風格が漂っている。樹皮の切れ込みとデカイ葉が揺れているのを見ると、まるで恐竜がでてきそうな錯覚を覚える。太古の浪漫をなぜか感じてしまう大好きな樹種、である。