goo blog サービス終了のお知らせ 

goto_note

西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

翼の効果

2009-01-29 | その他あれこれ
・形態シンポの要旨作成に向けてのデータ整理。ヤチダモのタネ飛ばし実験では、種子の翼をはさみで切り取って散布するとどうなるか?という、さらにアホな実験もやっている。ちなみに、このデータは全く公表されていない。同じ母樹のヤチダモ種子60粒を半分に分けて、30粒は翼を切り取り、半分は翼をそのままで交互に散布した上で、飛翔時間と飛翔距離を調べている。



・この実験では、翼ありと翼なしの種子を交互に飛ばしているので風速の影響もキャンセルされ、散布順と散布距離のグラフを描くと、見事にジグザグとなっている。むろん、よく飛んでいる方(偶数順)が”翼あり”で、奇数順が”翼なし”というわけだ。平均距離では、翼あり:8.1mに対して、翼なしは 3.6mで有意に”翼あり”が大きい(当たり前だけど・・・)。これだけ翼の効果があるからこそ、”どんな翼にするか”、というのが問題になるというロジックは強引・・・だろうな。

・250文字程度で試験地内の動植物を紹介するというコーナーの記事。最初はシメノウチというカエデ園芸品種について一通り書いてみたのだが、カエデ科の園芸品種そのものについて詳しくないので、どうも自信がない。Tさんからアオキはどうかというアイデアを頂き、Yさんの研究成果を踏まえた記事を書いてみる。かなりマニアックな記事になりそうだが、人によっては興味を持ってくれるかも・・・。もう少し推敲する必要あり・・・だけど。

・2月初めに茨城の十王町の育種センターにお邪魔することになった。その際、ついでにプレゼンをさせてもらえることになったのだが、何を話すべきか・・・。針葉樹の標高に対する適応の話をしようと思うのだが、いくつかの研究成果がバラバラで統合されていない。自分自身でも何がどこまで進んでいるのか整理する必要がある。新しい論文ネタも組み込んで話の流れを作りたいのだが、いやはや時間が・・・。

マスクをするということ

2009-01-28 | フィールドから
・苗畑でスギの雄花を観察。かなり膨らんできたが、まだ指ではじいても花粉は放出されない。花粉が飛び出すのも時間の問題である。既に薬は飲み始めているが、そのうち、マスクをしないといけない時期になってきた。花粉予防には必要不可欠なマスクだが、いつまで経っても好きになれない。



・ポータブル・ハードディスクとミラーリング・ソフトの組合せが、ようやくまともに動くようになった。今までも1ヶ月に1回程度のバックアップは取っていたのだが、これで重要なデータのバックアップができそう。

上野の科学

2009-01-25 | その他あれこれ
・上野の国立科学博物館へ。家族は既にみんな一度ずつ行ったことがあり、当方だけが初めての入場。入場料は大人600円だが、子どもは無料。地球館と日本館に分かれており、地上3階、地下まで驚くほど充実した設備。至るところに剥製があるのだが、その数の多さと展示のきれいさに圧倒される。360度のシアターを観ることを子どもから薦められていたのだが、確かにこのシアターの浮遊感は面白かった。



・マニアックだけど、熱帯の樹高50mの1本の樹木(マメ科)の樹冠から採取した昆虫展示が面白かった。樹冠で殺虫剤を噴霧し、傘を逆さにしたようなトラップを林床に敷き詰めて落下昆虫を採取している。さすがに国立科学博物館はやることがすごいねえ。日本館2Fには、フタバスズキリュウの展示があった。小学生の頃は化石が好きで、フタバスズキリュウの名前は記憶に刻まれていたわけだが、こうして現物を見るとやっぱり感動である。



・上野動物園でみんなの人気者だったパンダ剥製の特別展示もあった。そういえば、子どもの頃、ずいぶん並んでパンダを見た思い出がある。日本館では、稲の品種改良に関する展示もあった。それにしても、国立科学館は一日中遊んでいられる素晴らしいところだ。今回はパスしたフロアもあるので、今度またゆっくり行きたい。

春の気配

2009-01-24 | その他あれこれ
・近くの公園に遊びに行く。ムクドリ(?)が芝生で何かをつついている。この時期、何があるのだろう?今日は雪らしきものが舞っているせいか、人が少ない。くるりと公園を回ると、梅のつぼみがほころんでいる。生き物の活動がほとんどないように思えるのだが、確実に春は近づいている。



・形態シンポに向けて、ヤチダモ散布実験データの再解析。前回はきれいなデータが揃っていた3回の分しか解析しなかったわけだが、色々と実は他にも仕掛けていた。風向風速データを時間別に整理して、Rで解析。飛翔時間と散布距離について、種子の重さ、面積、形の対称成分でどのくらい説明できるかを調べる。



・前回は風のデータがきちんと整理していなかったが、風速データを加えて一般化線形モデルで解析すると、飛翔時間には風の強さは関係なく、散布距離は風が強いほど伸びる傾向がある。嬉しいことに、飛翔時間と散布距離の両方に形成分(尖り)が有意に効いているようだ。ようやく、シンポで使えそうな結果となってきた。

・しかし、かつてのデータセットを再解析しようとすると、Rを使っていなかったころのものはデータがばらばらで、構造を思い出すだけでも大事である。やはり、基本データセットを整備しておくことは重要である。

標高別試験地の論文構想

2009-01-23 | 研究ノート
・今日のゼミでは、Oさんによる富良野のGISデータ基盤の整備の話がインパクトがあった。当方が富良野にいたころには、実用レベルにはまだ時間がかかりそうだったGISだが、施業レベルでの浸透が進み、研究サイト・データとしても使えるデータが相当に充実している。とりあえず、アカエゾマツ各サイトの環境データとしても使えそうなデータが整備されているようで、後日、具体的な相談をできることになった。

・標高別試験地の論文構想についてOさんと1時間ほど打合せ。解析の方法、用いる図表、イントロとディスカッションのロジックなどを整理。議論するうちに、論文としての位置づけもクリアーになり、ようやく書けそうな気がしてきた。もう少しデータを整理して再解析をする必要はあるが、やっぱり議論することは大切である。久しぶりに論文ノートの本領発揮となるか・・・。

論文への反応

2009-01-22 | その他あれこれ
・会議缶詰。3つもの会議を終えると、それらの資料が分厚い冊子になっている。道理でかばんが重いはずである。林学会要旨〆切り直前で、いくつかやりとり。自分がどの発表と関係しているのか整理しておかないと、後でまとめるときに苦労しそうである。

・ヒノキ論文について、お世話になっていた熊本の篤林家の方々から、論文に対する感想を頂いた。この論文は、熊本県阿蘇地方のヒノキ品種の品種間の遺伝的関係とその原産地を推定する、という内容である。想像以上に品種間で遺伝的に類縁関係にあるということ自体は、品種成立の経緯と照らし合わせてみてもリーズナブルだと思うのだが、原産地推定の方はマーカーの解像度と原産地候補を全て網羅できているか、という2つの問題をはらんでいるのは無視できないところである。

・それにしても、英語の論文にもかかわらず、このような反応を頂いたことに驚きつつ、篤林家の方々の熱い想いに感嘆。こうした感想を拝見すると、論文を出すということの責任を感じる。しかし、現場の方々から、このように論文に対する反応があるというのはやはり嬉しいことである。

憂鬱な季節

2009-01-21 | その他あれこれ
・自慢にならないが、重度の花粉症である。さすがにまだ花粉は飛んではいないようだが、既に鼻が少しおかしい(乾燥?ハウスダストに反応??)。ということで、耳鼻科を受診して、薬をもらう。朝、夕、寝る前など複雑な時間設定なので、混乱しそう。点眼薬と点鼻薬も頂いたので、少し安心。

・北海道のシラカバに比べると、スギの花粉飛散は早いので、早めに対策を講じないとえらいことになりそうなので・・・。関東近辺のスギ花粉量はそれほど多くないという予報のようだが、いずれにしても、憂鬱な季節が近づきつつある。

・思わず引き受けてしまった査読あれこれ。今回はいつもと比べて、ストレスが少ない。それぞれに勉強になるところもあるし、変な英作文で悩むことも少なそうである。今週は会議ウィークなので、通勤時間で査読処理を進める。満員電車で英語の論文を読むのは辛いが、とにかく進めるしかない。

GIS事始

2009-01-20 | フィールドから
・当試験地にてGIS講習会。本日は、各演習林から参加した受講者に、当試験地内に設定したプロットの周囲についてのGPSデータを取得してもらうとともに、一部の樹林地について、レーザーコンパスによる樹木位置図を作成する、というのが実習の内容。実習という形をとってはいるが、当試験地にとっては、GISを機軸とした試験地管理のためのきっかけとなる(はずの・・・)記念すべき日である。




・講義室で挨拶と概要説明後、早速現地へ。先日設定した各島の変曲点で30秒間ほど静止し、座標データの平均値を取得。最初は、少し押し気味のタイムスケジュールだったが、島ごとに手分けしてGPSデータ取得を始めると、あっという間に作業完了。GPSを日ごろから利用している参加者も多く、想像以上にスムーズに行った。

・樹木位置図の作成は最新のレーザーコンパスとPDAを利用したシステム。決して安くはないものの、一式揃えておくと強力なラインナップだ(近いうちに揃えたい!)。ところでPDAを利用する場合、データ取得後の操作はとっても楽だが、個体番号を入力するのが意外と時間がかかる。また、順調にいっているときはいいのだが、いったんトラブルがあると大変である。

・個体番号などが既に分かっている場合には、レーザーコンパスで測定後、方位と距離を紙に書くという従来型の方法も捨てがたかったりする(その後、入力する手間はもちろんあるのだが・・・)。などと感じてしまうのは、当方がアナログ人間である証拠であろう。むろん、測定するポイントの数にもよるんだろうけど・・・。

・今回の実習では、当初、見通しのよいG03だけについて、樹木位置図作成を計画していたのだが、急遽、見通しの悪いG01も樹木位置図の作成することに。結局、今回の講習でG01とG03の樹木位置図が完成。先日、当方たちで個体位置図作成を行ったG02と合わせれば、樹木見本林のかなりの部分の個体位置図が完成するはずである。いやはや、本当に有難い!

・今回の講習会では、NさんをはじめとしてGIS作業部会・受講者の皆さんに大変お世話になった。これを機に一気にGISを機軸とした樹林地、個体管理を進めて、研究サイトとしての魅力を高めたい。それにしても、今回の実習マニュアルなどは実に素晴らしい。日ごろ、何気なく利用しているGPSだが、基本を押さえる必要があることを痛感。何事も基本が大事ですなあ・・・。

葉緑素

2009-01-19 | フィールドから
・GIS講習会を明日に控えて、その準備。天気が回復して暖かくなった。3人で明日、GPSデータを取得するコースを確認しつつ、変曲点にピンクテープをつける。現在、10箇所の島に分けているわけだが、この分け方はそれなりに機能しそうである。変曲点をどこまで細かく取るかというのは性格が出そうな感じだ。GPSの精度がどのくらいまでいくのか(囲んだ島が交差したりしないかどうか・・・)、楽しみである。



・見回っている最中に、自然定着したらしい斑入り個体のとある枝の1本が完全に薄い黄色になっているものを発見。写真だとよく分からないが、下のほうでつながっている。これも枝変わり・・・なんだろうか?。妙に気になるところだが、自然界では淘汰されてしまうのだろう。こういう枝って結構あるのかもしれないねえ・・・。

リスニング

2009-01-18 | その他あれこれ
・昨日と今日はセンター試験。東京界隈は悪天候にならずに、何よりである。ところで、朝日新聞によると、英語リスニングでは結構な頻度でトラブルがあったらしい。トラブルのあった会場の試験監督は大変だったろうな、とつい同情してしまう。

・ところで、当方もずいぶん英会話から遠ざかっている。今年は森林学会のシンポ(なんと英語)でコメンテーターをしたり、6月には国際シンポに参加する予定なので、少しは”英語が聞ける耳”になっておきたいところだが、やはり地道に努力するしかないよねえ。

・お年玉付き年賀状の当選番号が新聞に載っていないと思ったら、1月25日が抽選日だった。以前は、15日に抽選して、16日の朝刊に載っていたと思ったんだが・・・。ちなみに1位は、液晶テレビとか、国内旅行とか、なかなか魅力的な景品である(当たらないかな・・・)。

・苗畑で成長経過を調べたヤチダモの遺伝子型データをUくんから送ってもらったので、早速、解析を始める。”遺伝解析と苗畑実験の組合せ”というのは、初期の頃から暖めていたアイデアだったが、ようやくその答えに迫ることができそうだ。まだ解析途中だが、果たして何が見えてくるか・・・楽しみ!