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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

春は足元から

2009-03-12 | 研究ノート
・午前中、電源の保守点検ということで、3時間停電。停電になると、やや薄暗いのは仕方ないとして、暖房がないとこの時期は寒い。防寒着をもこもこに着込んでの作業。電話も子機は使えないし、パソコンも使えない。



・部屋にいても効率が上らないので、野外にでて、クロマツの挿し木準備。外は暖かい(が、花粉が飛んでいる)。挿し床に鹿沼土を詰めて、ミスト室に運ぶ。ふと道端に目をやると、オオイヌフグリが可憐な花を咲かせている。春は足元からやってきている。思ったよりも早く電気は回復し、ほっとしたのだが、普段、いかに電気に頼っているかが思い知らされた。

観戦ふらふら

2009-03-11 | 研究ノート
・日曜日はサッカーとバスケの試合があり、観戦のはしご。なぜに同じ日にあるのだろうか・・・。しかし、サッカーは2勝1分で2位、バスケットは3勝して優勝と応援のしがいがある結果だった。こちらは相変わらずの運動不足だが、観戦だけでふらふらになった。

・標高別試験地の解析。標高の代わりに年平均気温、年平均湿度、最大積雪深、暖かさの指数などを説明変数にして樹種ごとに解析し、AICの合計値でどの環境要因が説明力が高いかを検討。生存率と成長で説明力が高い要因が異なり、なかなか興味深い結果になった。

・来週はドタバタになることが分かっているので、今のうちに学会のスライド準備もしておかねば・・・。環境要因を説明変数にすることで、それなりに面白い知見が得られてきたような気がする。成長については二次回帰をするのが分かりやすいようだ。ふうむ、やっぱりあきらめずに、解析することは大切である。

青い鳥

2009-03-06 | 研究ノート
・昨晩、重松清著の「青い鳥」を読了。最初は不思議な設定だと思ったのだが、じわっと心に来るいい小説だった。「大切なこと」という言葉が身にしみた。ちなみにこの小説は映画化されるらしい。

・3月年度末になって、いろいろと調べ物などが押し寄せていて、何から手をつけてよいのか分からん状態である。様々なものが電子化されるほど、事務作業が増えるのはどうしてなんだろうか。パソコンのし過ぎか、年頃のせいなのか、最近、肩こりがひどい。肩をすくめて一気に落とす運動をちょくちょくしている。

・地がき論文について図まわりを思い切って改訂しようということになり、Iくんとやりとり。当方の論文では、全体的に結果の記載が不十分になりがちである(一方、イントロは長くなりがち)。シンプルなことと不十分なことは違うわけで、その辺を改善していかねば・・・。

雪のひな祭り

2009-03-03 | 研究ノート
・ひな祭りだというのに東京は雪の予報。考えてみると、今まで降らなかったのが不思議なくらいである。雪が降り出す前に、とヒノキ採種園のラベル付け替え作業。こうしたラベルの取替えというのは育種をやっていく上では重要かつ大変な作業である。

・イヌガシなる樹木が見たいという問い合わせがあったのだが、全く対応できなかった。カシといってもいわゆる”ドングリ”ではなく、クスノキ科シロダモ属の常緑広葉樹。よくよく調べてみると、2林班5小班に(少なくともかつては)あったらしい。花がないとシロダモと区別するのは難しいかも・・・一度現物で確かめねば。

・地がき論文改訂。一応修正が完了したが、なかなかすっきりとしない。イントロはまずまずだと思うのだが、プレゼンが今更ながらイマイチのように思えたり、逆に、今までどおりでいいかと思ったり・・・。もはや迷いの森に入っている気がしてきたので、いったんIくんに送る。

・標高別試験地についても学会に向けた準備が必要。結果らしきものを文章にしてみる。丁寧に書いていくとそれなりに発見もある。何となく見ているのと、文章に書きおこすというのは全く違った作業である。

・Qstを具体的なデータから算出することを考えてみる。と、ここで分散分析がよく分かっていないことが露呈。ネスト分散分析は基本から勉強しておかないと何をやっているのか、わからなくなりそう。これを機に確認しておかないと・・・。

・我が家に帰ってみると、なぜか子ども二人が本日同時に乳歯が抜けていた。喧嘩ばかりしているのだが、やっぱり(?)似ているってことか・・・。

地がき論文、修正

2009-02-26 | 研究ノート
・久しぶりに地がき論文の修正作業を行う。イントロと考察を中心にもう一度大きく構成を考える。一度、記憶が途切れてしまっているので、復活させるまでに多大なる時間を要してしまった。今更ながら、解析について気になるところがあり、自分でやり直してみたり・・・。

・当試験地の歴代の業績についての調べもの。2時間ほど格闘してはみたのだが、なかなか全貌を掴むのは難しい。それにしても先人達は実によく論文を発表していて驚かされる。意外な人が意外な業績を残していたりして、ちょっとした発見もある。

水位計データ

2009-02-23 | 研究ノート
・朝から雨が降っており、外作業は断念。Qst関連の論文を読み込む。生態学会誌に総説があり、理解に役立った。QstとFstの比較をするにはFstをいかに正確に求めるかがポイントになるらしい。が、こいつは奥が深い。

・湿地でデータを回収した水位計の電圧を水位に変換する作業。マニュアルではなく、1枚のメモ紙のようなものがぺらっと入っており、電圧と水位の関係が図示されている。忘れないようにメモしておくと、水位(センサーから水面までの距離cm)をY、電圧をX(V)とすると、Y=50(X-1)という関係にある。つまり、電圧が2Vならば水位は50cmというわけだ。

・後は土壌表面からセンサーまでの深さを引けば、土壌表面から水面までの距離が計算できる。ということで早速試してみると、何となくそれっぽい値が得られた。これが本当ならば、前山下湿地は水面が土壌表面のすぐ下にあるようで、実は地下水位がかなり低そうである。13林班と上湿地はあまり変わらないようで、感覚的には合っている。

・10日くらいで20cm近く上下しているのが本当だとすると、結構地下水位というは変動があるのかもしれない。ふうむ、あのロガー・・・意外(?)といけてるのかもしれない。春先のデータが楽しみである。

トドマツ交雑論文、受理!

2009-02-19 | 研究ノート
・会議ウィーク。会議の合間にRestoration EcologyのManaging editorから嬉しいメールが届いた。おっと、ついにトドマツ交雑論文がアクセプト(!)である。Restoration Ecologyという雑誌には、いつか自分の論文を載せてみたいと思っていたので、久しぶりにこいつは嬉しいニュースである。

・この雑誌に初稿を投稿したのは10月9日、マイナー修正の結果が届いたのが12月20日だから、悪くないペースである。しかーし、最初の雑誌に投稿したのは2008年1月31日なので、そこから考えれば実に1年以上かかっている。こういうとき、ブログ内検索をしていると、いかにこの論文を通すまでに苦労をしたかが分かる。”簡単に通る論文なんてない”ってことだよねえ。

・しかし、最初の雑誌の審査結果はリジェクトだったものの、いい雑誌だけあって極めて重大なコメントがあった。振り返れば、そのコメントがあったからこそ今日のこの日があるともいえる。そう思うと、そのときのReviewerには大感謝!である。こういう瞬間には、自分が論文を査読するときにも、どんな結果であれ、論文をImproveできるようなコメントを書きたいと思うわけだが、これがなかなか難しかったりするのである。

気合のデータ整理

2009-02-17 | 研究ノート
・標高別試験地のデータ解析続く。GLMMに変えてみると、なるほどAICは劇的によくなる。ただし、樹種によっては反復をランダム効果にする意味がそれほどないものもあり・・・。二次曲線で回帰する場合と直線回帰する場合を比較した結果は、GLMとほぼ同じ。ちなみに温度を説明変数にした場合には、あまりAICは良くならない。試行錯誤する中で、大体固まってきたというか、これ以上は仕方ないというべきか・・・。

・アカエゾ打合せに向けたデータ整理。エクセル・データセットを力技かつ気合で整える。とにかく毎木データだけでも何とかしなければ・・・。今までどうも蓄積が高すぎると思っていたら、当方の計算ミスだったということがようやく判明。いくらなんでも700m3を超えるわけはないか・・・。

・どうにかこうにか、データ整備が進み、同時に記憶もよみがえってきた。改めて眺めてみると、アカエゾがあるサイトはいずれも樹種が偏っていて、0.25haでみれらる樹種数(DBH>6cm)は十数種であることが多い。特に、湿地林は樹種が極めて限定され、4-8種しか胸高直径が6cm以上の樹木がみられない。

・個体密度を計算してみると、中径木(26cm以上)のアカエゾマツでも結構な密度で、中には100本/haを超えるところもある。集団自体の面積は小さいのだが、それにしても高密度である。やっぱり具体的な数値がでると実感がある。

トドマツ交雑論文、再修正

2009-02-16 | 研究ノート
・トドマツ交雑論文の審査結果が戻ってきた。今回はさらにマイナーな修正だったので、指摘事項を反映させて改訂稿を作成。例によって投稿ステップでは少々手間取ったが、何とか投稿完了。後は祈るのみである。

・いつしか時間が過ぎてゆき、気がついてみれば夕方・・・。20日のアカエゾ打合せのためのデータ確認。しばらくデータを触っていないと恐ろしいほどに忘れていることに気づかされる。毎木調査データについては途中までやりかけたまま放置されているような。ううむ、我ながら情けない。

・こちらもなかなか進まない標高別造林試験地の論文執筆。とりあえず、イントロのロジックを考える。学術的な背景から応用的な背景へと進める、という話にはなっているのだが、どうしても強引さが否めない。他の論文を見るとさらっとうまく流しているものもあり、もう少し検討が必要である。

突然R講習

2009-02-13 | 研究ノート
・弥生にて会議。会議と会議の間で、突然、R講習をみんなにすることに・・・。Rをダウンロードするところから始まり、CSVファイルのデータを渡したりと、かなりドタバタで始まる。

・普段の学生部屋で講習したために、最初はみんなの顔が見えないために、なんだかうまく説明できなかったのだが、徐々にRを動かしてもらううちに、なんとなく講習らしくなった。やっぱりヒストグラムが簡単に描けるというのは、それだけで素晴らしいよねえ・・・。

・例によって最初は少し、データ読み込みと作図をして、後はいきなりGLMという無茶な内容であるが、”なんかできそう”と思ってくれれば大成功である。本当は作図だけでも単独でやった方がいいんだろうけど・・・。

・今回の講習はあくまで”とっかかり”ということだが、最近の学生たちの適応能力はなかなかたいしたものなので、演習林内で徐々にR人口が増えてくれることを期待したいところである。