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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

トドマツ交雑論文、投稿

2008-01-31 | 研究ノート
・トドマツ交雑論文が投稿に向けた最終段階に差し掛かった。今朝、もう一度、全体をチェックしてついに投稿。しかし、ワード・オンリーというところも珍しい。結局のところ、2日間がかりで投稿となった。しかし、何とか1月までに投稿という目標が達成できた!お世話になった皆さん、ありがとうございました。とにもかくにも、賽は投げられた。早々に戻ってこないことを祈るのみだ。

・トドマツ交雑論文に関連するということで、後生大事に持ち歩いていた論文の束をいったん、Dリングファイルに仕舞う。これをすると、一仕事終えたという気になる。気持ちが落ち着いたところで、トドマツ種子散布論文の改訂作業に入る。先日、戻ってきた今回の審査では、いくつか重要なポイントは突きつけられているものの、久しぶりに”リジェクトじゃない!”ポジティブなコメントである。しかし、これらの指摘にちゃんと答えていかないと厳しい沙汰が待っているわけで。

・エラー率を1%にした上で、審査者の強い推薦にしたがってCERVUS3.0を動かしてみる。なるほど、自殖のチェックボックスは分かりにくいところに隠されている。しかし、CERVUS2.0と違って、両親ともに分からない子供の親子解析がちゃんとできるところはえらい。解析が終わった後に、”ぴろん”という音がでるようになったのもえらい。いくつかのバージョンでトライしながら、結果を比較するうちに、だんだんと癖みたいなものが分かってきた。審査者の指摘に根本的に答えるためにはもう一工夫必要だろうか。

・アカエゾマツの高山帯から採取した種子の整理と100粒重、充実率の測定をTさんにお願いする。母樹内でも種子サイズが結構違うそうで、なかなか面白そう。トドマツの場合、人工交配では無受粉でも種子の殻は何の問題もなくできていた(無論、中身は入っていない)。面白いのは、無受粉の種子の方がカラのくせに、重量が大きいことである(殻が厚くなる)。なぜかは分からないのだけど、ちょっと面白い現象である。

クマゲラの頭突き

2008-01-30 | フィールドから
・麓郷方面が道が開いているので、2005年に4林班に設定したニレの試験地2.25haの個体確認に行く。結局、昨年は忙しくて、結局、ちゃんと調査できなかった。この試験地では、50×50mのプロットが9個設定されており、胸高直径以上のハルニレとオヒョウが全個体識別され、既に個体位置図ができている。



・この試験地は実に平坦なために、久しぶりに行くとプロットの前後関係がまるで分からなくなっている。記憶のなんと危ういことだろうか・・・。また、雪でNoテープが隠されていたりして、思いのほか個体探しに戸惑った。調査が完了したのは、なんと12時前である。しかし、有難いことに、ほとんどNoテープは落ちておらず、全個体を発見できた!この間に死亡したのはわずか数個体で、シカの新たな被害もごくわずかであった。鹿柵がこれらの結果に影響を与えているのかどうかはよく分からない。



・これらのニレ全個体は実はすでにDNAを抽出しており、一部はタイピングもしてある。しかし、色々と先にやることがあったりして、ひどいことに、先送りされ続けている。ま、個体のラベルは大丈夫で、ほとんど食われていないことが分かったので、まずは一安心というところだ。無謀にも野外で食事をしていると、クマゲラの食痕を発見。改めて考えてみると、体にしては巨大な穴である。こいつらの頭突きは、さぞや、すさまじいことであろう。

メインテーマ

2008-01-28 | フィールドから
・エゾマツの事業用種子のストックがいよいよ少なくなったので、将来的なエゾマツの採種園造成に向けて、採種園を構成する精英樹(?)候補木を選抜することになった。天然林からの選抜は、現実的になかなか難しい(接ぎ穂を取るのが困難、老齢なために活着が悪い)ということで、思い切って、造林係が調査している6つの古い造林地の中から候補木を選ぶことになった。



・古い造林地を選んだのには他にも理由があり、天然林ではあまりにも環境や年齢が不ぞろいなので、選抜した個体が本当に遺伝的に良質なのかどうか分かりにくいのだが、造林地ならば少なくとも年齢が一緒(しかも環境も類似)なので、成長の良い個体は遺伝的にも優れている可能性が高い(あくまで確率の問題だけど・・・)というわけ。さらに言えば、既に、富良野に植えられて数十年は経過していることから、一種の自然選択を受けた結果だとも考えられる。したがって、その次代も成林する確率は高い確率が高かろうと考えたわけである。





・今日は、関係者とともに何はともあれ現地を確認しようということに相成った。要領を確認しつつ、一次選抜と称して、ピンクテープを巻いていく。選抜の基準は、他と比べて成長が良いことと、通直性が特に高いこと、また、ヤニや傷などの欠点がないこと、である。考えてみると、育種を専門にしていながら、最も重要なステップである”選抜”という作業をまともにやったことがなかった(実に新鮮だった!)。最初は戸惑いながらの作業だったが、よく考えてみれば、当方の技術スタッフにとっては、日ごろの業務は一種の選抜作業である。一度、目が合ってくれば作業はとんとん進む。





・68林班の造林地では、モモンガの食痕があった。どうやらエゾマツの若枝をもぎり、その芽を”がじがじ”と食っているらしい。巣はどこにあるのかが分からなかったが、芽は贅沢に頂芽だけを食っている。なかなかのグルメである。そういえば、西の沢ではマカバの枝にオジロワシがじっと留まっており、動物相の豊かさを実感させられた。

・結局、3林分で30個体強を選抜。少々、林分によって選抜強度が弱い(甘い基準?)ところもありそうだが、採穂するときにもう一度確認しながら選定することにする。全体の目標から言っても、最初は少し緩めに選び、検定をしながら徐々に絞り込んでいくのがよさそうだ。とはいっても、採穂、接木、採種園造成まで、まだまだ手探り状態が続きそうである。

難関、ハの字

2008-01-27 | その他あれこれ
・今日は所用があってバスケ応援は休み。用事が終わった後、子供を連れてスキー場へ。前回、少しターンを覚えたはずだったのだが、やはり”ハの字”ができていないので、スピードをコントロールできてい。暴走しながら何度か転んでいるうちに、すっかり恐怖感がつのってしまったらしい。スキーの腕(足?)は、2歩進んだと思ったら、3歩ほど後退した感じである。やはり基本ができていないのが問題だろうということで、来週は一度レッスンを受けることに・・・。

・トドマツ交雑論文の英文校閲がいきなり戻ってきた。早(というか、ちゃんと見たのか・・・)。こちらの準備が追いつかないかも。慌ててジャーナルのホームページで投稿規程を読む。ほほう、1種を対象にしたような論文や記載的な論文は載せないよ、とかかなり高飛車なことを書いているな。要するに、保全生物学的に重要な命題に答えていないと、エディターリジェクトが来るよ、ということらしい。

・バスケットが終了したらしく、メーリングリストで試合結果速報が来る。去年の第一シードAチームとは66対9で大敗。何にもさせてもらえなかったのだろうか。一方、ライバルKチームとは44対32で接戦をものにしたらしい。ということは、既に3勝である。このリーグでこの成績は素晴らしい!おめでとさん。

バスケ連勝

2008-01-26 | その他あれこれ
・バスケット冬季大会。当方のくじ運のせいで、厳しいリーグに入ってしまったわけだが、今日・明日、来週と3日間の大会である。午前中は用事があったので、2試合目にあわせて会場に向かう。と、途中でバスケットのメーリングリストから試合結果速報が送られてくる。え、去年の優勝チームに勝った?勝ったの??途中まで1点を争うようなシーソーゲームだったが、最後は20対31で勝利したらしい。何でも、当FチームがRチームに勝ったのは歴史的にも初めてらしい。

・会場につくと、当チームは既にアップ中。今度も強豪のCチーム(昨年のシード)。さすがに動きは機敏である。第1Q、第2Qはもつれる展開だったが、第3Qで一気に引き離す。いつの間にか、ウチの得点パターンができている(というか、ウチのチームって背が高かったんだ)。最後は相手チームが自滅したりして、終わってみれば43対15で危なげなく勝利。目立たなかったが、ディフェンスも走り負けていない。いやはや、これらの相手に2勝してしまうとは・・・。

・こうして勝利で終わると、旭川からの帰り道も元気が出るというもんだ。最初、リーグの対戦チームたちを見たときには、げげっと思ったもんだが・・・。そう、くじ運に負けていてはダメなのだ。自分が実力をつけて運を吹き飛ばすようにならないと。成長著しい子供たちに教えられた一日であった。

アカエゾ湿地林樹冠調査

2008-01-25 | フィールドから
・昨日の雪はたいしたことがないという話だったので、予定通り、13林班に樹冠調査と新個体群のサンプリングに行く。土木さんが林道を再度除雪してくれたので、舗装道路よりもよほど走りやすくなっている。本当に有難い!13林班では、休憩バスに車を停めて、そこからは湿地林まで歩き。ピンと張り詰めた空気の中、ダケカンバの大木は威勢堂々たる風格をしている。



・麓郷地区から調査地方面を見上げたときには吹雪いている様子だったが、現場に行くと存外風もなく、むしろ晴れ上がってきた。むろん、外気温は寒い。寒い証拠に、”ダイアモンドダスト”が美しく輝いている(写真だとなかなか伝わらない、残念・・・)。



・霧氷をつけた木々の冬芽も陽に照らされるときれいである。湿地林の樹冠長(4方位)と樹高測定では、土木生産係の皆さんに手伝ってもらい、樹冠測定3名と樹高測定2名、野帳1名の6名体制で測定開始。当方はあぶれてしまったので、写真を撮ったり、なんかウロウロしていた(本当は個体探しをする予定だったのだが、みんなのスピードが速すぎて必要なかった)。



・パワープレイの息が合ってくると、調査はさくさくと進み、1時間強であっという間に完了(土木生産係の皆さん、有難うございました!)。時間を見るとまだ10時半である。午後からやる予定だった、新個体群のサンプリングの作戦を変え、いったん、ナンバリングとDBH測定、GPS座標取得を行う。車までぐるりと回るコースで、ちょうど12時すぎに終了。



・天気も穏やかなので、Tさんと二人、外で弁当を食べようということになる。途中までは良かったのだが、徐々に寒さが身にしみてきて、「ううっ、寒!」。なんかシャリシャリするなと思ったら、ご飯が凍っているではないか。車に戻ってみると外気温はマイナス11度。やはり、この時期の外食(?)は無理であった。

・午後からサンプリング。既に個体を決めているので、今度はカマつき樹高棒でサンプリングしてもらって、それを袋につめるだけ。冬の調査のよいところは足跡が残るところで、どのように動けばいいかがはっきり分かる。結局、アカエゾマツ20個体を2周したわけだが、こちらの方が効率的であった。花芽を見るために少し高い枝も落としてもらう。うん?これは雄花ではないだろうか、とするとこれは雌花か?27cm程度の個体でも花芽らしきものがついているので、これが本当に花芽ならば期待できそうだ。

・帰ってきて、サンプルの整理と調査データの入力。こういうの早くやらないと忘れてしまうんだよね。花芽らしきものをカッターで切ってみる。しかし、”花芽らしきもの”は小さくて、本当に花芽なのかどうかがなかなか判断できない。やはり実体顕微鏡が必要である。とりあえず、水挿しして、来週にでももう一度解剖してみることにしよう。研究のためだけでなく、苗木生産にとっても、今年の”アカエゾマツ豊作”には期待したいところなのである。

トドマツ交雑論文、英文校閲へ

2008-01-24 | 研究ノート
・Iくんから戻ってきたトドマツ交雑論文の考察を読む。なるほど、SLAやNAのパートは遠交弱勢の遺伝的な要因よりは前に持ってきたほうがよいようだ。しかし、このままだと、”売り”である交雑によるパフォーマンス低下の話がえらく後に出てくることになってしまう。そもそも、交雑危険性に関する章はこんなに前にある必要があるのか、などと色々と考えた末に、最初のパラグラフに交雑によるパフォーマンス低下があったことをきちんと述べるようにした。さらに、交雑危険性に関する章は最後から2番目のところに移動し、今回は人工交配を用いて交雑後のパフォーマンス評価を行ったが、自然状態では起こりうるのか、というように主題を明確にすることに・・・。

・最初のパラグラフの出来がイマイチのような気がしたが、煮詰まってしまったのでいったん送信。すぐにIくんからの電話で、方針を確認し、本研究の目的を最初にきちんと定義した上で、local adaptationの部分は思い切って削ること、新たに加えた開花期のズレに関する考察はイントロとマテメソに全て移してしまうという方針を決定。すぐさま作業にかかり、30分ほどで終了。ようやく、これまで少しもやもやとしていた考察の流れがすっきりした。やっぱり議論しながら方針を固めていくのが一番大事である。また、思い切ったパラグラフの移動は、こうした流れをすっきりさせる上で、しばしば有効な手段となる。

・ちょっと論文執筆が落ち着いたので、放置されていたアカエゾマツ針葉の形態写真の整理。4集団を加えたのだが、それらの写真は撮りっぱなしになっていた。まずは個体番号をつけて、1年生・2年生シュートと3年生シュートと1年生シュートの横からの画像に分けていく。前山の湿地以外のところの針葉形態がちょっと変な感じ(薄い)である。とりあえず、撮影し忘れたサンプルがないことを確認して一安心。アカエゾ調査隊ではいろんなことが起こるからねえ。

・さらにIくんとやりとりを行った後、校閲前の微修正。ワードにしてみると、やはり複数形のミスとかが残っている。ワードの英文校正機能は本当に秀逸である。ワードで検出されたミスをTexに反映させる作業をしばらく行う。せっかくTexで美しい体裁を作ったのに、最後はワードに直して校閲に出さなければならないところが悲しい。ようやく作業が一段落したところで、ようやく英文校閲に出すことができた。今回の論文の着手は11月19日だったので、論文執筆開始から校閲に出すまで、2ヶ月とちょっとの計算になる(もちろん、その前に既にかなりの解析を終えていたわけだけど・・・)。うーん、順調だ。ま、問題はここからなのだが、とりあえずは一段落。

・明日のアカエゾマツ調査についての下準備。道具、野帳などをチェックする。荒れるといわれていた天候もそれほどではなかったが、明日はどうなるか・・・。山の天気は分からないわけだが、久しぶりの調査は楽しみである。

スタックからの脱出 パート2

2008-01-23 | フィールドから
・13林班で新たなアカエゾマツ小集団が見つかったというお話を頂いたので、とにもかくにも、現地を見せてもらいにいく。今年の生産現場はこの付近ということで、前山方面はかなり奥地まで車で行くことができる。アカエゾ調査隊にはラッキーな話である。それにしても、ほぼ孤立無援(?)と思っていた湿地林の近くから、アカエゾマツの集団が出てくるとは思わなかった。



・今回は測量中にアカエゾマツの集団が発見されたとのことである。この付近は、トドマツ、ミズナラなどが多く、場所によっては更新も良さそうで小径木もそれなりに見られる。もしかすると、27林班のように砂礫質なのかもしれないが、もちろん、この雪の下なのでは今は分からない(普段はササがすごいらしいけど)。少し林道から入ると、なるほどアカエゾマツがぽつぽつと現れる。30-40cmくらいのサイズが多いが、小さいものも、また60cmを超えるような大きいものもある。全体として、優占することはないが、あるところには5-6本が固まって出てくる感じで、測量線上はずっと途切れることがない。



・それにしてもいい天気である(明日は荒れるらしいが・・・)。こうした天気の中で、雪のかぶった針葉樹を見ると、実にカッコいいなあと思う。林業的な実際の”取り扱い”という観点では難しそうな山だが、こうして見て歩く分には楽しい山である。一通り見せてもらったところで車に戻り、13林班の湿地林も見に行く。雪の時期のこの湿地林を見るのは、今回がはじめてである。相変わらず、不思議な雰囲気をかもし出している。



・問題の発見された新集団だが、せっかく道が開いているので、とりあえず遺伝解析用のサンプリングだけはしておくか、という気になってきた。サンプリングさえしてしまえば、後はいつでも分析はできるわけだし・・・。さらに13林班のアカエゾ調査個体の樹高と樹冠長の測定についても、前倒ししてやりたい、ということで後で相談することに・・・。

・帰り道、後100mでゲートというところで、ちょっと”ぼやっ”としているうちに、路肩にタイヤを落としてしまい、いきなりのスタック。焦ってバックしようとしたところで、昨日のモービル講習の残像が頭をよぎる。そう、雪の時には慌ててふかすと深みにはまるので、まずはタイヤの周りの雪を掘るのであった。こんな場面でも有意義なモービル講習!幸い、アルミスコップがあったので、雪をえっちらと掘ってみるが、思っていた以上にはまっている。



・見かけ上は平らなのだが、実は沢に近い部分の林道は下が固まっておらず、いったんタイヤがはまると、後は制御不能のまま突っ込んでいってしまった、というわけだ。などと冷静に分析している場合ではなく、どうにかしないと・・・。ジープは体重が重いので、もはや一人では無理(というか、ますます沢の方に落ちそう)だと判断して、恥も外聞もなく、「どなたか無線を拾える方、応答願います(意訳:誰でもいいから助けてー)」という無線を送る。幸い、スタック時間(?)がよかったのか、近いチームが無線に応答してくれて一安心。



・助っ人3名が到着し、ロープを使って引っ張り挙げてもらい、無事、スタックからの脱出に成功。いやあ、助かりました(というか、ご迷惑をおかけしました!)。幸い、人も車も無事であったが、こんなところでスタックするとは・・・。やはり今年の運勢”平”は伊達ではなかったようで・・・。しかし、林道をなめてはいけませんね。心して運転しないと。皆さんも雪道運転にはお気をつけて。

スタックからの脱出

2008-01-22 | フィールドから
・午前中、スノーモービルの内部講習会。樹木園にほとんどの職員が集まり、ベテランからの説明を受けながら実際に走行練習をする。練習コースにはパイロンが設置され、S字、トラバース、坂道など、教習場さながらである。モービルは体重移動がとにかく重要なのだが、なかなかうまくは曲がってくれない。どうしても、アクセルの吹かし方がおそるおそるだと、ますます深みにはまってしまう。体重も頭で考えていると、逆になっちゃったりして、我ながらへたくそである。

・ひとしきり講習を行った後、みんなで見ている前で初心者のテスト(?)があり、当然のように指名されてしまう。このメンバーに見つめられて一人でテストを受けるのは、非常に緊張するわけで、トラバースの最中におしりがずるずる下がったり、S字で大回りしちゃったりで、いやはや、全然である。K林長も、お約束どおり(?)、パイロンに突っ込みそうになっていた。それに比べて、技術職員は見事なものである。



・最後に深雪にはまる”スタック”からの脱出方法を習って終了。しかし、スタックするのを”はた”から見るのは面白い。もがけばもがくほど、見事なぐらい、深みにはまっていく(どっかで聞いたことのあるようなフレーズ)。スタックから逃れられないと思ったら、無理しないで、雪を掘ったり雪を踏みしめて周りを固めたりした上で、思い切って角度を変えれば脱出できるとのこと。なんだか、実生活でも含蓄がありそうな対処法である。

・現場では、いつも余裕がなくて、なんとなくモービルに乗っていたので、今回の講習は当方にとってはもちろん、みんなにとっても非常に有益だったと思う。もはや、冬季調査には欠かせない”アイテム”だけに、きちんとした知識と技術が不可欠なのは言うまでもない。説明やコース設定などの準備は、実はとっても大変だったのではなかろうか・・・。ご苦労さまでした。

・午後から、まずはトドマツ更新動態に関する論文と回答書のチェック。さすがに前回がっちり見ただけに、あまり大きく直すところはないようだ。とりあえず気がついたところを修正し、共著者に送信。ついで、ヒノキ論文の大改訂作業。審査結果を受けて、ほとんど全面改訂となった。色んな雑誌に投稿しようとしているうちに、何のために研究をしたのか、という肝心の研究動機をしっかり書くことが見えなくなっていた。今回は初心に戻って、という感じだろうか・・・。自分の中では、それなりに納得できた気がする。

・続いてトドマツ交雑論文の改訂作業。Iさんのコメントを元に、イントロと考察に、高標高と低標高の集団が遺伝的に分化し、自生標高に対する適応に至る理由として、集団間の開花フェノロジーのズレに関する記載を加える。この開花フェノロジーのズレについては、交雑論文の中で触れていたと思い込んでいたのだが、それは相互移植試験の論文の方だった(思い込みって怖い・・・)。当機関の技術職員で樹木のフェノロジーを詳細に調べた重要な文献、佐々木(1983)森林文化研究とアンデスの広葉樹の標高別遺伝変異に関する文献、Premoli (2003) Journal of Heredityを引用に加える。やっぱり、他人の冷静な指摘って有難い。

国際免許証

2008-01-21 | その他あれこれ
・国際免許証を取得するために年休を使って旭川の運転免許センターへ。必要なのは、免許証、パスポート、印鑑、4×5cmの写真、印紙代2650円である。面倒な手続きが必要かと思ったら、あっという間に完了。30分ほどであった。しかし、ジュネーブ条約の関係で、ドイツとスイスでは使えるかどうか分からないとのこと・・・。不透明なままだが、とりあえず準備の一つは終わった。雪の時期の旭川往復は疲れるが、ちょこちょこと買い物ができてよかった。

・といいつつ、実は休んでいる場合ではなく、森林学会の要旨締め切りが明日に迫っている。共同発表になっている3件について、修正案を作成してメールで送信。これで大枠は終了、であろうか・・・。ほどなくして、筑波のIさんからトドマツ交雑論文に関するコメントを頂く。統計解析も大きな問題がないということで一安心。頂いたコメントを考慮しながら再チェックした上で、英文校閲に出すことにする。今度こそ、いい結果を期待したいところだ(と、いつも言っているような気も・・・)。