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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

清水の舞台

2007-12-31 | その他あれこれ
・今回は、京都で年越しをするということになっている。京橋から五条までわずかに私鉄で360円である。JRだけでなく、色んな方法で行くことができるのはうらやましい。とりあえず、生まれてはじめての観光地、「清水寺」へ。あまりにも有名なかの地は、高校の修学旅行で”ふつー”は押えておかなければならないのだが、当方の出身校には修学旅行そのものがなかったのである!清水寺はモミジが実に多い寺であった。”清水の舞台”はその上に立つよりも、横や向いから見たほうが迫力があった。外国人観光客が実に多かったのだが、やはり日本人として一度は見ておくべき場所でろう。




・宿泊したホテルモントレ京都は烏丸御池という恵まれた立地にある上に、昨年オープンしたせいか、部屋もきれいでアメニティも充実している。この周辺はオフィス街のようだが、スターバックスと大きなブックストアがあるのがイイ。夕食はちょっと変な名前のおばんざい、「うしのほねあなざ」で頂いた。大晦日にもオープンしているところもえらいのだが、京都ならではの”おばんざい”の一つ一つが美味しかった。BAR志庵は、ホテル近くのマンションの1Fにある隠れ家的バー。シャンパンベースのカクテルも美味しく、つまみも自家製が多くて、しかも割安。お徳感のあるお店が多い。




・それにしても、京都は食文化が進んでいる。ふらっと入った店でも外さないといのは有難い。想像していたよりも、意外と悪くなかった紅白を観ているうちに夜は更けていき、ジャニーズのライブを見ながらの年越しと相成った。除夜の鐘の生音を聞きながら就寝。京都での年越しは実に粋である。

冬のカマキリ

2007-12-30 | その他あれこれ
・2日間遊びまくったので、拠点にしていた親戚の家の近所を散策。商店街は大阪の下町らしい雰囲気である。少し山手にある観音堂まで歩いていくと、階段のところに何とカマキリがいるではないか。富良野出身の子供にとっては、初めて見るカマキリ。当方にとっても、見たことがない種類のカマキリのようだ。虫を見たのは久しぶりだったんで、子供と二人で大いに盛り上がる。それにしても、まだ虫がいるとは驚きである。


季節はずれのサンタ

2007-12-29 | フィールドから
・昨日の雨も上がり、念願のUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)へ。入り口付近からすごい人である。ディズニーランドでいうところの”ファストパス”に相当するものがないと1時間50分待ちということだったので、やむなく4アトラクションのパスを2セット購入。年末価格なのか、1セット3000円である。入場料も5800円もするので、頭がくらくらするくらい、お金がかかる場所である。

・当方は乗らなかったのだが、ハリウッド・ザ・ドリームライドというジェットコースターはめちゃくちゃ怖い(らしい)。この手の乗り物には、滅法強いはずの妻が気分が悪くなるほどである(当方だったら、失神していたかも・・・)。



・その後、ET、ジュラシックパーク、スパイダーマン、バック・トゥ・ザ・フューチャーなどメジャーなアトラクションを楽しんだ。中でも、ジュラシックパークのアトラクションはなかなか面白かった。



・アトラクションは派手だけど、ディズニーランドと比べると、スタッフの笑顔やサービスとかはイマイチだ。コスト低減のためか、クリスマスと新年パーティが同じ飾り付けなのは仕方ないとしても、”サンタとの記念撮影コーナー”には全く人がいなくて、サンタさんが気の毒であった。いくらなんでも、この時期にサンタとの記念撮影は無理でしょう・・・ねえ。

かわうそ泳ぎ

2007-12-28 | その他あれこれ
・朝からいきなりの雨。本当はUSJに行く予定だったのだが、予定変更で大阪港付近の”海遊館”へ。考えてみれば、実に久しぶりの水族館見学である。水族館では、見学し始めてまもなく、ナンバリングをつけたサッカー少年団の団体に”来襲”される。子供の大阪弁が大勢集まると、”にぎやか”というよりも”騒音”である。海遊館は10年以上も前に建造されただけあって、今となっては少々古い感じが否めない。規模的にも昔は大きかったのだろうなあという感じ。ジンベイザメやマンタの泳ぐ様は良かったが、今なら品川とか沖縄の水族館の方が”旬”であろう。



・目玉となっているジンベイザメはともかく、ごく普通の水槽でなぜか同じ向きで”固まっている”メバルがおかしかった。アジやイワシが展示されている水槽ではマイワシとカタクチイワシがぐるぐると回遊しており、マイワシが口を大きく開けて泳いでいるのも笑える。



・「日本の森」コーナーでは渓流が再現され、絶滅したはずのカワウソが放たれている。”旭山動物園の白熊コーナー”をすごく小さくしたような趣向だが、カワウソが渓流魚を狙って泳ぎまくるのは想像以上のスピードで圧巻である。

空寄席

2007-12-27 | その他あれこれ
・旭川空港から大阪伊丹空港へ。機内ではJAL名人会で落語を拝聴。いくつかあるプログラムの最後は、桂南光による”ちりとてちん”。NHKの朝ドラでおなじみのネタであるが、ちゃんと聴いたのは初めて。旦さんと人のいい金さんが、知ったかぶりでいやみな隣人”タケ”に、間違って腐らせてしまった豆腐を、ありもしない珍味”ちりとてちん”と偽って、食べさせてしまうというイタズラのお話。タケの見事な”はまりっぷり”が楽しい落語である。最近、このJAL名人会を拝聴するのが旅の楽しみになりつつある。

氷の世界

2007-12-26 | 研究ノート
・マイナス20度。本日、富良野の最低気温である。たしかに、ゴミステーションまでの短距離でも、踏みしめる雪の音がまるで違っていた。こういう日は一点の曇りもないような晴天になる。芦別岳がヒマラヤ(?)のように輝いており、空知川からは水蒸気が立ち上る。雪国の醍醐味。本日、誠に勝手ながら”My仕事納め”なので、祝福されているような気持ちになる。



・朝一番にメールを見ると、トドマツ交雑論文がIくんから早くも戻ってきていたので、さらに再改訂を行う。イントロがくどい、ということで見直してみると、確かにくどい。自分ではまりこんでいると見えなくなる典型のようなもので、昨日の完成したと思ったものは幻であった・・・。ということで、増殖したイントロを削ったり、一部を考察に移動させたり、順番を入れ替えたりと・・・。針葉分析の目的も少しだけ修正すると、ようやく納まりがよくなった。再び、Iくんに送ってチェックしてもらうと、今度はうまく修正できたとのゴーサインを頂く。微修正を経た後、完成原稿をつくばに送信。

・放置気味になっていたエゾノウワミズザクラのジェネット構造に関する論文もようやく投稿できる運びとなったので、北方林業へ送る。年末の駆け込み投稿である。メールで送ってよろしいという許可が下りたので、大変楽になった。講義準備とD論審査。遅々として進まぬままに、部屋の片付けについかまけてしまいそうになるところを気持ちを奮い立たせて、講義での設問を作る。プレゼン用資料もちまちまと直す。

・唐突だが、Ritland (2002)が開発したMLTRというソフトが本当に大丈夫なんだろうか(マーカーの精度などによって妙なバイアスが生じないのか??)、という疑念を持ったので、今更ながらHeredityの論文をダウンロードする。Mixed mating modelとはずいぶん古くからある考え方だということ(当たり前か・・・)を改めて知る。こうした基礎勉強は思い立ったときにやらないと・・・。それにしても、Ritland(2002)の論文は一向に頭に入らない。自分のデータでソフトを動かしてみた方がいいのかもしれん。

・と、あまり進まぬまま、本年度の業務はこれにて終了。4時過ぎに職場の皆さんに年末のご挨拶。明日から、年休で珍しく関西方面での年越し予定である。出勤予定は新年の4日。ということで、メールなどは、しばらく反応できないかもしれません。 皆様、よいお年を。

しし座の運勢

2007-12-25 | 研究ノート
・投稿中の論文の音沙汰がないような気がしていたので、各論文の投稿日をもう一度チェック。最初のヒノキ論文は8月25日で、なんと4ヶ月も経過している。自分に審査依頼が来たときには期日を守っているのに、自分が投稿すると4ヶ月も放置されるのではたまらんので、編集部に確認のメールを出す。次の地がき論文は10月17日、トドマツ種子散布論文は11月11日、ウダイカンバ繁殖成功論文は12月20日である。ううむ、結局、全てが年越しとなってしまったか・・・。目覚ましテレビによれば、しし座の今日の運勢は最悪らしい。何でもやり残した仕事がのしかかってくるとか、なにやら今年を象徴しているような・・・。

・さて、トドマツ交雑論文の改訂作業にかかる。午前中から修正作業にかかるが、イントロ、マテメソ、結果、考察とそれぞれにかなりの部分を改訂したため、意外と時間がかかった。お昼をはさんで再び執筆作業。イントロの論理構成はだいぶ固まったようだが、考察に少々甘いロジックが残されているようである。しかし、自分自身で検討できる段階はほぼ終了したように思われるので、Iくんに返却して確認してもらった後に、筑波のこれまたIさんに見ていただくことにする。

・立て続けに、審査中のD論2つの修正パートが到着。昨日、指摘したばっかりだが、もう送ってもらわないと間に合わんという、お互いにタイトなスケジュールである。はい、読みます・・・。

・突然思い出したが、投稿論文執筆講座にゲスト参加していただいた東京のIさんのマルハナバチ的な(?)ホームページを紹介させていただく許可(?)が降りたのであった。ところで、なぜか本日登場した人物のイニシャルは全てIだ。ちなみに、朝一番にお電話を頂いたのも東京のI先生だった。ま、そんなことはともかく、このホームページ、全体的にバランスが取れていて、写真やデザインもとても素敵である。少しは参考にして、自分のホームページのレイアウトも改訂したいところ、なんだけど・・・。

クリスマス・ボーリング

2007-12-24 | その他あれこれ
・昨日はバスケットのボーリング大会。季節柄、クリスマス・ボーリング大会と銘打ったところ、48名が参加。みんな予定ない・・・のか?初の試みだったのだが、7チームに分けてのチーム対抗戦。ボーリングのスコアに加えて、「勝ち抜きあっち向いてホイ」とクイズ・ミリオネア的な15問の合計で順位を決めるという趣向。

・クイズでは、ちょっと難しい4択問題を考案。例えば、ジャニーズ嵐の中でAB型なのは誰?A.桜井くん、B.相葉くん、C.二宮くん、D.松本くん(この問題はちゃんと”分かった”小学生がいました)。とか、となりのトトロにでてくる”猫バスの足は何本?A.8本、B.10本、C.12本、D.14本(これもまた、ちゃんと考えて分かった小学生がいた)などなど。チーム賞だけでなく、ボーリングでの個人賞も設定したので、大いに盛り上がった。

・当方も久しぶりのボーリングで145と146という安定したスコア。自分の中ではほとんどベストといってよいのだが(実はガーターレーンに救われたという噂も・・・)、お父さん、お母さんの中にはつわものがおり、ベスト5にも入らなかった。ベスト5の中に、お母さんが2人いるんだから、すごいもんである。

・本日は、年末の大掃除もどき。普段は見ないフリをしていた部屋の隅を掃除すると、ちょっと恐ろしいことになっている。家族全員で取り掛かり、午前中で完了。ガサいれの中で、やり残した花火が出てきた。このままではごみにも出せんということで、雪の上で突然、真昼に花火。これまた、なかなか楽しかった。



・大掃除(?)に少々疲れたので、お昼は北の峰のそば”16文”に。納豆そばを頂く。久しぶりに行ったのだが、ここのそばもなかなかうまい。それにしても、子供が量を食べるようになった。そろそろ大盛りでも足りなくなりそうである。今夜はクリスマスイブ。サンタさんからのプレゼントが気になる子供達、である。

Stacy (2001) Amer J Bot読解

2007-12-22 | 研究ノート
・東京とんぼ返り。昨日は、ゼミと忘年会に出席。ゼミでは、光環境とアオキの繁殖様式の関係とか、「サイバーフォーレスト」なるものの紹介など、相変わらず多彩である。忘年会は、なんと浅草橋からの屋形船がその舞台。船からみる夜景も実にきれいで何とも風流ではあるが、時に少し揺れるのが”玉に瑕”か・・・。

・機内では、Stacy(2001)Amer J Bot を久しぶりに読んだ。この研究は、Waser & Price (1989) Evolutionの実験を高木種・大スケールで行ったものということができそうだ。対象樹種はSyzygiumとShoreaの熱帯の高木種2種(散布型はそれぞれ鳥と風)で、各樹種3母樹に対して、Syzygiumでは、自殖、135m、500m、1km、12km、Shoreaでは、自殖、25m、2km、10km、35kmと5つの異なる距離階級に分布する個体の花粉を人工交配させて、結果率、圃場での発芽率、実生生存率、1年生苗のサイズ、Cummulative fitnessを測定している。

・どのくらいの母樹-父親距離で子のパフォーマンスが良くなるかを検討したところ、自殖のパフォーマンスが低いのは当然として、近隣木との交配もパフォーマンスが落ちる。これはもともと遺伝構造があるため、二親性近交弱勢の結果だと考えられる。興味深いのは、いずれの樹種でも数kmの個体と交配したときにできた子のパフォーマンスが最もよく、数10km離れた個体との交配では子のパフォーマンスが下がることである。これをStacyは遠交弱勢と呼んでいるが、高木種で遠交弱勢が生じる証拠を提示した点で本論文は新しい。

・もっとも、きれいな結果が得られているのは結果率で、発芽率や1年生の生存、成長では、交配距離の影響は消滅している。振り返って、トドマツ交雑論文では、まず針葉樹で遠交弱勢(local x locaと比べての・・・)が認められること、19年という長期間が経過しても、その効果が消滅しないことであろう。論文の位置づけという点でこの論文はやはり重要だ。少し丁寧に引用することにしよう。

オーパ

2007-12-20 | 研究ノート
・昨晩、「開口健」の名著”オーパ”の高橋昇カメラマンが亡くなったというニュースを報道ステーションで見たので、本棚から”オーパ”を取り出して久しぶりに眺める。”アマゾンの釣り紀行”、と一言では片付けられないこの本の写真は、たしかに凄みのようなものが感じられる。文章も冴え渡っていて、本当にアマゾンに行きたくなってしまう本である。

・さて、見切ったと思っていた査読だが、ちゃんと読むと、やはり手をかけねば終わるはずもなく・・・。10時ぐらいまでかかってようやくコメントを書き終えて、編集者に送信。そんなこんなで、昨日とは打って変わって、スロウな一日である。とりあえずちまちまと講義準備。遺伝子頻度、ヘテロ接合度の算出のための設問作成に手間取る。しかし、”Introduction to Conservation Genetics”という教科書は、この辺の説明が実に分かりやすい。この本に載っているTarr et al. (1998) Mol Ecolのフィンチのデータを使うのが一番良さそうだということで、論文をダウンロードしたり、フィンチの下調べをしたり・・・。やっぱり生物の姿が分からないと、論文の内容もなかなか頭に入らない。

・投稿論文執筆講座の一部をWeb上にアップする。ついでに、講義で使用したプレゼン資料も掲載してみる。そんなことをやっている暇があったら、先にやることがあるだろう、と自分で自分に突っ込みを入れたくなってしまう。昔から宿題とかをやらなきゃいけないときに限って、急に机の片付けとか始めちゃたりしたりするんだよねえ。投稿中の論文に関する記述をだいぶ削ってしまったので、少々、物足りなくなってしまった。Webページにも書いたけど、「どうしてもフルの読本が見たい」という奇特な方(?)がいれば、お送りしますのでご一報を。

・長らく放置していた58林班のアカエゾマツの試験地の測定データを入力。この試験地は、実は(?)、湿地林(8林班,680m標高)と高山帯(9林班,1100m標高)の産地試験となっていて、環境の異なる産地間の比較ができる設計である(単木混交)。さくっとみたところ、2006年の段階では、根元径・苗高ともに、実は高山帯の方が有意に大きいが、2007年の段階では、根元径はやはり高山帯の方が大きいものの、苗高は湿地帯が追いつき、有意ではなくなっている。

・試験地を設定した当初は、実は、低標高・湿地産が勝つと予想していた。それだけに、高山帯が勝つとは意外である(もしかしたら追い越されるのか・・・?)。ブロックや母樹の効果などをもう少しきちんと解析すると結果も変わるかもしれないけど。全体的に見て、生存については問題なさそうなので、これからの成長経過が楽しみの試験地である。