goo blog サービス終了のお知らせ 

goto_note

西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

樹冠から

2009-02-28 | フィールドから
・高所作業車をレンタルして枯れ枝処理。今回は鉄道架線専用車ということで、バケットが通常よりも3倍くらい大きい。ということで二人で乗っても悠々である。クスノキは思ったよりも枝がぼろっと折れる。それにしてもクスノキの樹冠というのは、お互いに重ならないようにうまく配置されている。



・懸案となっていた見学路上の枯れ枝を取る。と、ヤブツバキの花にメジロが訪れているのが目にとまる。そういえば、今日は、コゲラも見ることができた。久しぶりの晴れ間のせいか、鳥がさかんにさえずっていた。

・2月だというのに、ハクモクレンやコブシの花芽はだいぶ膨らんでいる。アオキの花芽も目立ってきた。春遠からじである。3月になったら、あっという間に時間が過ぎていきそう・・・だ。



・樹冠からみたLTERプロット。歩道から見るのとは、また違った雰囲気である。当試験地では高所作業車が使いやすい環境なので、何かこの特色を生かした研究ができないか、と思ったりして・・・。少し視点が変わるだけで別世界である。

初雪

2009-02-27 | フィールドから
・この1週間、東京では日照時間が0。こう天気が悪い日が続くと気分がめいってしまうが、この時期悪いのは例年のことのようである。今日は雪になるという予想だったが、予想どおり、ついに雪らしい雪が降ってきた。富良野ではおなじみの雪だったのだが、東京でみると感慨深いものもある。しかし、こっちの雪は水分が多くて、傘を差さないと濡れてしまうのでかえって寒い感じがする。



・地がき論文のデータ解析をやり直す。I君に書いてもらっていたコードでは結果がそのまま表として出来上がるようになっていた(ということに今更気がついた)。GLMとGLMMの両方を試してみたが、樹種によっては微妙に違うものも・・・。色々と試行錯誤したものの、結局、今のままでいいような気がしてきた。図の見せ方を少し変える必要はありそうだが・・・。

野外作業

2009-02-12 | フィールドから
・午前中、ポプラの採穂と剪定作業。採穂はすぐに終わったのだが、想像以上にポプラが大きくなっており、剪定に時間を要する。丹頂杭を打って、品種名をテプラで貼るとなんだか仕事をやった気になる。

・午後からGIS区分のためのくい打ちと測量。くいを打ちながら、レーザーコンパスで座標を決めていく。基準点が試験地全体にばらまかれているので、適当な基準点がすぐに見つかるのが有難い。過去の小班とは実態が合わなくなっているところも多かったのだが、下見をしておいたのでスムーズに区分できた。

・3時半ごろに終了。20箇所に新たに杭を打ったことになる。早速、データを入力してみると、ほぼいい感じで散布図が描ける。これに樹木の個体位置が入ってくればいい感じになりそうである。



・Sさんにお願いしていた種子標本の仕事が完成。早速、購入しておいた保存棚に標本を並べる。実は、表面近くしかサンプル瓶は揃っていないのだけれど、こうやってみると、なかなか見ごたえがある。

宇宙基地

2009-02-05 | フィールドから
・Kさんとともに、4-5日で十王町の育種センター訪問。8時過ぎに出発して、11時過ぎに到着、片道ほぼ3時間である。じっくり見るのは実は初めてだが、Wさんの案内で施設内、場内を見せていただくことができた。施設内では実験室が整備されていることに驚く。しかも、それぞれがアクティブな状態になっているところがすごい。



・場内を見せてもらう。久しぶりに八女スギ品種”ヤイチ”を見て感動してしまった(この品種に感動する人も少ないだろうけど・・・)。しばらく歩いていくと妙に見晴らしがよいところが・・・。パラボラアンテナをバックにすると、Wさんの言うとおり宇宙基地のようである(むろん、アンテナはセンターとは無関係なわけだが・・・)。

・場内では当然のことだが、様々な目的でスギ、ヒノキ、マツが植栽されている。精英樹の集植所も見ごたえがあった。しかし、植えっぱなしというわけではなく、吟味しながら思い切った更新もされているようで、こうした点でも見習うべきところもありそうだ。

・ところで、今回は材料もさることながら、杭やラベルなど、細かい樹木管理が目についた。ここではピーチコート紙の薄紙A4と厚紙A3を利用しているとのことだが、特に厚紙の方はかなり長持ちしそうである。これをガンタッカーでNoテープ代わりに打てば、全木調査の問題は解消しそうである。

・セミナーでは、二人でそれぞれの話をさせていただいた。当方は、標高に対する適応の話をさせてもらったのだが、色々と重要な指摘も頂いた。しっかし、こちらから発信できる情報の質を高めていく努力を怠らないようにしないといかんなあ・・。とにもかくにも、いくつか重要な打合せもできたし、研究材料も手に入ったし、おかげさまで充実した2日間だった(センターの皆さん、有難うございます)。

マスクをするということ

2009-01-28 | フィールドから
・苗畑でスギの雄花を観察。かなり膨らんできたが、まだ指ではじいても花粉は放出されない。花粉が飛び出すのも時間の問題である。既に薬は飲み始めているが、そのうち、マスクをしないといけない時期になってきた。花粉予防には必要不可欠なマスクだが、いつまで経っても好きになれない。



・ポータブル・ハードディスクとミラーリング・ソフトの組合せが、ようやくまともに動くようになった。今までも1ヶ月に1回程度のバックアップは取っていたのだが、これで重要なデータのバックアップができそう。

GIS事始

2009-01-20 | フィールドから
・当試験地にてGIS講習会。本日は、各演習林から参加した受講者に、当試験地内に設定したプロットの周囲についてのGPSデータを取得してもらうとともに、一部の樹林地について、レーザーコンパスによる樹木位置図を作成する、というのが実習の内容。実習という形をとってはいるが、当試験地にとっては、GISを機軸とした試験地管理のためのきっかけとなる(はずの・・・)記念すべき日である。




・講義室で挨拶と概要説明後、早速現地へ。先日設定した各島の変曲点で30秒間ほど静止し、座標データの平均値を取得。最初は、少し押し気味のタイムスケジュールだったが、島ごとに手分けしてGPSデータ取得を始めると、あっという間に作業完了。GPSを日ごろから利用している参加者も多く、想像以上にスムーズに行った。

・樹木位置図の作成は最新のレーザーコンパスとPDAを利用したシステム。決して安くはないものの、一式揃えておくと強力なラインナップだ(近いうちに揃えたい!)。ところでPDAを利用する場合、データ取得後の操作はとっても楽だが、個体番号を入力するのが意外と時間がかかる。また、順調にいっているときはいいのだが、いったんトラブルがあると大変である。

・個体番号などが既に分かっている場合には、レーザーコンパスで測定後、方位と距離を紙に書くという従来型の方法も捨てがたかったりする(その後、入力する手間はもちろんあるのだが・・・)。などと感じてしまうのは、当方がアナログ人間である証拠であろう。むろん、測定するポイントの数にもよるんだろうけど・・・。

・今回の実習では、当初、見通しのよいG03だけについて、樹木位置図作成を計画していたのだが、急遽、見通しの悪いG01も樹木位置図の作成することに。結局、今回の講習でG01とG03の樹木位置図が完成。先日、当方たちで個体位置図作成を行ったG02と合わせれば、樹木見本林のかなりの部分の個体位置図が完成するはずである。いやはや、本当に有難い!

・今回の講習会では、NさんをはじめとしてGIS作業部会・受講者の皆さんに大変お世話になった。これを機に一気にGISを機軸とした樹林地、個体管理を進めて、研究サイトとしての魅力を高めたい。それにしても、今回の実習マニュアルなどは実に素晴らしい。日ごろ、何気なく利用しているGPSだが、基本を押さえる必要があることを痛感。何事も基本が大事ですなあ・・・。

葉緑素

2009-01-19 | フィールドから
・GIS講習会を明日に控えて、その準備。天気が回復して暖かくなった。3人で明日、GPSデータを取得するコースを確認しつつ、変曲点にピンクテープをつける。現在、10箇所の島に分けているわけだが、この分け方はそれなりに機能しそうである。変曲点をどこまで細かく取るかというのは性格が出そうな感じだ。GPSの精度がどのくらいまでいくのか(囲んだ島が交差したりしないかどうか・・・)、楽しみである。



・見回っている最中に、自然定着したらしい斑入り個体のとある枝の1本が完全に薄い黄色になっているものを発見。写真だとよく分からないが、下のほうでつながっている。これも枝変わり・・・なんだろうか?。妙に気になるところだが、自然界では淘汰されてしまうのだろう。こういう枝って結構あるのかもしれないねえ・・・。

ムクノキ

2009-01-14 | フィールドから
・午後からスタッフとポプラの保存園や苗畑での状態を確認に行く。よく活着しているものと、活着していないものがはっきりしている。本試験地には39の改良ポプラ品種があるのだが、品種がはっきりしているうちに、DNAとして保存しつつ、マーカーによる識別のシステムを作ってみようかという気になりつつある。39という数はいかにも手ごろだし・・・。そう考えてみると、品種原木の位置図も作りたいような気がしてきた。

・突然、「ムクノキが見たい」という一般の方からのお電話があり、全木調査のデータを見直してみる。なるほど、当試験地に大きい個体はあまり多くない。しかし、LTER付近では、胸高直径5cm程度の個体は結構生えている。ふと、Iさんに聞いてみると、意外なことに車庫のすぐ裏手にかなり大きな個体があった。



・武蔵野の雑木林を代表する樹木だということで、Sさんからも教えてもらった記憶があるが、当方にとって、このムクノキの性格(種特性?)ってのが、まるでイメージできない(ムクノキの実は美味しいらしいけど・・・)。そもそも、冬のこの時期では、ざらざらとした葉を触らないとなかなか同定できない。これを機に少し気にしてムクノキを観察してみることにしよう。

都市林ジャングル

2009-01-08 | フィールドから
・試験地スタッフとLTER区の測量。カエデ見本林と異なり、アオキやシュロなどの常緑低木が繁茂しているために見通しが悪いことこの上ない。10×10mの格子点を打つというのが目的なのだが、10mさえも見通せないところが多い。まずは、境界沿いに110mのラインを張ろうとするのだが、意外に手間取る。



・本試験地ではアオキはタマバエに寄生されることが多く、ほとんどまともな実が見られないのだが、1個体だけ,やたらと実がなっているものを発見。環境?それとも、こいつがタマバエ抵抗性を持ってたり・・・しないだろうな。



・午後から樹木園(G02)の個体位置図作成のための測量。3人で1時間半で測量が完了。データを入力し、いざ樹木位置図を作ろうと思ったら、ヒマラヤスギなど巨木の胸高直径がないことに気がついた。

・どうやら70cmを超えるものは測定していなかったようなので改めて測定。完成した樹木位置図を見ると、ほぼイメージどおりである。やっぱりXY座標があると面白い。全個体6000本の樹木位置図作成の野望にはまだまだ遠いが、少しずつ整備していきたいところである。

家守

2009-01-05 | フィールドから
・仕事始め。早くも一般の見学者が訪れている。ごみを拾いながら、見学していただいている方もいて頭が下がる。試験地メンバーと危険箇所がないか見回り。枯れ木の状態を調べるために皮をはぐと、中にはヤモリの親子(?)が寝ていた。せっかくの眠りを妨げてしまった。



・Mさんに指差されるままに空を見上げると、オオタカの姿が・・・。本試験地では営巣はしていないが、時折姿を見せてくれるらしい。2羽のカラスに追い立てられていたが、カラスが去った後、悠然とした姿をしばらく見せてくれた。



・デジカメだと点にしか見えないが、実は映っていたりする。



・カエデ見本林にプロットを設定。10×10mごとに杭を立てる。久しぶりにプロットを設定した気がする。これからが勝負ではあるけれど、何かやっている気がして、ちょっと嬉しい。

・午後から同見本林の樹木位置図作成のための測量。相変わらず、レーザー距離計はいい働きをする。と、ここで、いつの間にか角度の単位がdegreeからgrade(1周400)に変わっていたことに気がつく。考えてみたら、プロット自体も傾いているので、樹木位置図の作成にはもう一作業必要である。