goro's 花 Diary

東京の街を彩る花たちを追っかけています。

合歓の木慕情

2008年07月17日 | 08 花たち


この3年間、ネムノキを探し続けておりました。

大好きな花だから、是非とも出会いたいとの思いが、強くありました。
古くからのgoro’s 花 Diaryの読者のかたなら、そんなことをほざいてていたこともあったよなって、思い出してくださいますかね。

言葉を加えますと、ネムノキなら何でもいいということではなく、お眼鏡に叶ったネムノキに出会いたいと、そう思って探していました。
鉢植えのものや細い若木などは見かけていたんだけ、それじゃ嫌だったんです。
木の大きさと花色とに、こだわっていました。

トップの写真、薄らぼんやりしてはいますが、わが町の一角、新宿中央公園にあるネムノキです。
かなりの大木でしょう?
10m近くはあるでしょうから、ネムノキとしては最大クラスです。
同じくらいのものが左側にもう1本あり、大きさだけなら文句の付けようが無いネムノキ環境を、おじさんは手に入れることが出来ているのです。

でもこのネムノキだと、どうしても満足出来ないのです。
この写真の段階でも、花が咲いているんですよ、うす色のネムの花がね。
不満この上ない花色です。
濃いピンクとまではいかなくても、せめてピンクだと見定められるようなネムの花に、是非とも出会いたいと思い続けておりました。

昨年、夏の大冒険と称して遠出をしたときに、遠目ではありましたが、おじさんの眼鏡に叶い、これならネムノキと認定できるものを見かけはしました。
でも諸事情(時間とか距離とか)がありまして、近寄ることが出来ませんでした。

思い起こすとネムノキとの葛藤が諸々あったこの3年間ですが、今年、4年目にして、ようやっと願いの一端が叶いました。

おじさんのお眼鏡に叶ったネムノキ、紹介いたします。


【ネムノキ・合歓木】マメ科

願いの一端と記しましたのはね、大きさがね、少し足りないかな、と、ね。
でもこちらだって4~5mはありましたので、これ以上のことを期待するのは、強欲そのもですよね。
出会えたこと、それだけで感謝です。満足しています。


イラン、インドから東南アジアを経て、中国、朝鮮半島、日本などに分布している落葉高木です。

「ネムノキ」の名前は、夕方になると葉っぱが閉じるのを、眠ったさまに見立てて「眠りの木」、そこから変化して「眠の木」になったと考えられています。

「合歓木」は漢名です。
合歓(ごうかん)とは、「(1)喜びをともにすること。(2)男女が共寝すること。(goo辞書より)」という意味です。
葉が合わさることから名付けられた漢名の「合歓木」も、和名の「眠の木」と同じ理由ですね。
もともとの和名は「眠の木」のはずですが、いつしか漢名の「合歓木」に取って代わられたんだろうと、推測できます。

ネムノキの葉は触っただけでは閉じなくて、夕方になると自らが閉じ、夜明けを迎えると開いていきます。
これは「就眠運動」といわれる現象です。

今回ネムノキを調べていて初めて知ったことなんですが、ネムノキの花は夕方開花するんだそうですよ。
夕闇がせまる時間に咲き始め、夜明けとともに花は萎れてしまいます。

ネムノキの花って、夜の花だったんだ!

葉が閉じ始めると花が咲き、花が萎れると葉が開く・・・
浪漫です。

ただこの情報は、あくまで原則論ですよね。
現実には昼間咲いてるネムの花を、数多くみてきていますから。

確かにね、写真を撮ってて思ったんですよ、雄蕊がやけに縮れているなって。
午後4時30分近辺の時間に撮ったんですけどね。
時間が遅かったので、てっきり萎み始めてるんだと思っていましたが、逆でした。
これから蕊が伸びていく、途中の姿だったんですね。

辛うじて伸びているのがわかります。

07/6/17

こちらは昨年撮った鉢植えのネムノキの画像です。
絹糸状の細い雄蕊が伸びています。
淡紅色の穂先がきれいです。
紅に染まった刷毛のようだと譬えられるのが、よくわかります。

遠目にはひとつの花に見えていたものは、実は小さな花の固まりだということが、写真を見ていただければわかりますよね。
枝先に10~20個ほどの筒状の花が集まっています。

開花が始まったばかりの写真を見ると、筒状花の様子もわかります。
5枚の花びららしきもので構成されているのが確認できますが、いたって地味な存在です。
なんてったて3~5cmにもなる雄蕊こそがネムノキの花の真骨頂ですのでね、咲いてしまうとほとんど花びらは見えません。

私たちが目にしているネムノキの花は、モアモアとした雄蕊の固まりだったことが、おわかりになっていただけましたね。

葉といい花といい、繊細な花姿で見るものを虜にしてしまうネムノキですが、パイオニアツリーでもあります。
荒地や乾燥地に、いち早く根付く先駆木本種です。

可愛い顔をしていますが、逞しさも折り紙付きです。



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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
合歓木 (ポージィ)
2008-07-18 12:19:16
まぁ、夜咲く花だったんですか!知りませんでした。
葉っぱが閉じて眠るのだから花も当然眠ると、具体的にそう
考えたことはありませんが、そういうものと思っていました。
葉っぱが眠りについてしまうと、花たちの宴の時間…
やっぱり蛾が蜜を吸いに来るんでしょうかね。
咲き始めの様子は初めて見ました。オシベの様子には、さなぎから
羽化してだんだん羽根が伸びていく蝶を思い出しました。

待望の大きな合歓木にお会いになれて良かったですね!
あまりに大きすぎると花が見えませんから、ちょうどいいくらいの
大きさだったのかもしれませんね。
返信する
さっそく、 (noodles3)
2008-07-18 18:37:12
自分のストックを確認しました。

接写じゃないもので、午前中に撮影したものはやはりピンとしていました。
別な午後撮影のは、シワシワです。。

そのうち、アップします〜。
返信する
コメントありがとうございます! (悟郎)
2008-07-19 00:49:39
★ポージィさん

ねえ、びっくりな情報でしょう?
ネムノキは夜咲く花だったなんて、今回調べるまで考えたこともありませんでした。
ごくごく普通に、昼間咲いていつしか萎れるくらいにしか、思っていませんでした。
一日花だということも、今回初めてわかりましたしね。
毎度のことですが、勉強になります(笑)。

葉と花がバトンタッチしていくのも、なんとなく浪漫ですよね。
ナントカ蛾?が、蜜を求めてやってくるようですよ。
咲き始めの様子をみたのも、今回が初めてです。
蝶の羽化と同じですね。
ピラピラしたリボン状の花びらのマンサクも、こんな様子でしたよね。

そうなんです、やっと満足できるネムノキと遭遇しました。
長かったです(泣)。
好みでいえば、トップ画像くらいの大きさのものを見てみたいのですが、それだとポージィさん仰るように、花が見えませんよね。
適度の大きさの木に出会えたってことですかね。
それでもアップの画像は、枝を引き寄せての撮影でした(笑)。

★noodlesさん

午前と午後ではオシベの様子が違ってましたか。
やっぱりでしたね。

繊細なオシベの接写画像、期待していますよ~~
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