goro's 花 Diary

東京の街を彩る花たちを追っかけています。

この場所の、この花

2008年04月26日 | 08 花たち


渋谷、宇田川町の裏路地。
春の小川」が暗渠化され、抜け道になっています。

花との出会いを求めて出かけてきた帰り道、最期に代々木公園にでも顔を出してみようと、旧山手から渋谷の街に下りてきました。
東急本店前の雑踏を避け、出来るだけ人のいない方へいない方へとマイカーを進めると、この路地に入ってしまいました。
初めてではありませんが、滅多に足を踏み入れることの無いエリアです。

昼間はまばらな人通りですが、路地を挟んで軒を連ねる飲み屋街は、夜になると光景を一変させてしまうことでしょう。

もとは工場か倉庫だったのかはわかりませんが、廃墟と化したスレート張りの建物と、落書き隠しのために、薄青いペンキが塗られたばかりのブロック塀の間から、白い花が顔を覗かせていまました。

花を見た途端、なんだか嬉しくなっちゃいました。

街の風景には不似合いな花木に見えるでしょうし、ひょっとしたら道行く人の目には留まらないかもしれない。
けれども、こういう風に咲いてくれると、置き去りにされたものの意地を感じてさ、つい応援したくなっちゃうんだよな。

ガンバレよ。


【オオデマリ・大手毬】スイカズラ科

マイ花マップにも数ヶ所のオオデマリが登録されておりますが、そこそこのレベルでいいんだけど、満足するものがありません。
それなりのものに出会いたいと常々思っているんだけど、出会いの機会は以外にも少ないんですよね。
もう少し、増えてもいいんだけどな。

このオオデマリには満足したのですかとの問いかけには、否と答えます。
樹形の美しいものに、是非とも出会ってみたいと思っておりますので。

でも「風景のなかの花」として考えれば、満足度がぐっとあがります。
この場所で出会えたことには、満足しております。

オオデマリは、日本に自生するヤブデマリを改良して作った園芸種だといわれております。
2~3mほどの美しい葉を持つ落葉低木です。

すでに江戸時代には栽培されていたそうですよ。
見かけることは少ないし、新しい花かと思っていました。
ヤブデマリから改良されたとはいっても、本家とは似ても似つかない花姿です。
どちらかというと、アジサイに似ています。

雄しべと雌しべの両方が退化し、装飾花になっています。
装飾花しかありませんのでね、実もつきません。
アジサイの園芸種たちにも、集合花がすべて装飾花というものがあります。
実がつかないのも、同じですよね。

名前の由来は、見れば納得ですね。
先発のコデマリ・小手毬に対して、大きな毬(10~15㎝)、オオデマリ・大手毬と名付けられたのでしょう。
(別の説もあるようですが、おじさんは納得出来なかったのでここには書きません)

別名はずばり、テマリバナ・手毬花です。

アジサイはアジサイ科、コデマリはバラ科、オオデマリはスイカズラ科と、それぞれまったく別の科に所属しております。