goro's 花 Diary

東京の街を彩る花たちを追っかけています。

不思議空間の花 一人静

2008年04月09日 | 08 花たち



【ヒトリシズカ・一人静】センリョウ科

ヒトリシズカを初めて見たのは、どこでだったのか、いつだったのか、憶えていないんですよ。
毎年のように東北旅行をしてた頃だとは思うんだけどね。
昨年紹介したフタリシズカとの出会いは、鮮明に憶えているんだけどな。

goro's 花 Diary を始めてからは、初めての出会いに間違いありません。

20cmほどの丈高で、1本の茎を立ち上がらせ、かなり照りのある濃緑色の葉っぱが、輪生状に4枚付けます。
4枚の葉が、花を守っているようにも見えます。

この花を見て、思い出すことはありませんか?

理科室、試験管、ブラシ。

試験管を洗ったブラシに似ていますよね。
ブラシを突っ込み過ぎて、試験管の底を割ったことがあったっけ。

ヒトリシズカには、萼も花びらもありません。
ブラシのように見える、3本の白い糸状のものがオシベで、根元の黄色く見えているのがメシベです。
このような花を、裸花といいます。

それにしてもヒトリシズカって、いい名前ですよね。
雅な「に・ほ・い」がしますよ。

しずやしず しずのおだまき繰り返し むかしを今に なすよしもがな

清楚で、それでいて凛とした風情も感じられる花姿を、愛する義経を偲びながら、頼朝の前で舞った静御前の姿に見立てての命名です。

別名の「ヨシノシズカ・吉野静」も同じようなものです。
義経と静の最後の逢瀬が、吉野だったことに因みます。

ブラシのような花穂を化粧道具の眉掃きに見立てて、「マユハキソウ・眉掃き草」という名前もあります。
悪い名前だとは思いませんが、一人静の前だと、ひれ伏して退場するしかありません。

ひとりとは言ってますが、じつはひとりでいることは少ないそうです。
ヒトリシズカは、ほとんど群生しています。
地下茎を伸ばして繁殖するという、植物学的な理由があるのですが、面白い記述を発見。

奥州衣川で滅ぼされた義経主従が、天国で静と再会し亡霊となってこの世に現れた姿。
静と義経主従の亡霊がヒトリシズカの花になったともいわれている。
大勢の亡霊だから群生するのが当たり前なのである。

フフフですね。亡霊だから、大勢ってことなんだね。

とことん意味付けないと、気が済まないんでしょうか。



不思議空間の花 二輪草

2008年04月09日 | 08 花たち


カタクリの記事を纏めるのに忙殺されてしまい、自然教育園で出会った他の花たちを紹介するのが遅れてしまいました。
初めて出会った花たちもいるので、大急ぎで紹介いたしましょう。

「不思議空間の花」としてシリーズで紹介いたします。
文章少な目でいきますね。

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ニリンソウ・二輪草】キンポウゲ科

「一本の茎に通常2輪の花が咲く」って書いてあるんだけど、
どうしてひとつしか咲いていないの?

根元に蕾が見えるだろ、これから咲くんだろうね。


お祖父ちゃんと小学校低学年と思しき孫娘ちゃんが、入園の際貰ったパンフレットを見ながら話していました。

1輪がまず咲き、2輪目は遅れて咲くようです。
二輪草とはいっても、実際には、1~4個の花を付けます。

春咲きのキンポウゲ科の花の例にもれず、このおかたもスプリングエフェメラルのお仲間です。

白く清楚な花びらにしか見えませんが、萼が変化したものです。
キンポウゲ科は、ほとんどの花がそうですよね。


イチリンソウはこれからの開花です。
葉の形が、かなり違います。

今回の自然教育園行で、いちばんたくさん見かけたのはニリンソウです。
群落している場所が、園内のあちこちにありました。
地下茎で増えるので、どうしても群落を形成することが多いのです。

1週間経っていますので、現在は凄い群生花が見られると思います。