6月4日(月)その2
落合郁夫さんの著作による”ふるさとのお話きいて”をご本人から
いただきました。
落合さんの故郷は、津市に合併前は芸濃町河内。その前は、ご本
の巻頭にあるように、三重県内で一番ひろい面積をもち、人口は最も
少ない河内村。その梅ケ畑に落合さんは産れました。私たちは落合
の郷と呼んでいました。そのふるさとの民話をほりおこされて、本に
まとめられました。私は何度がおじゃました、落合さんのふるさとを
思い出しながら、拝見しました。
お話は2つあって、ひとつはうちのおじぞうさん。このおじぞうさんは、
落合さんの家のとなりにあって、落合さんのおじいさんが、浄財を募
った、立派なお堂のなかにいらっしゃいました。長年落合家が守って
おられたとお聞きしました。
もうひとつは、龍の贈りもの。長徳寺の龍王桜の由来と錫杖岳に
まつわる逸話を、民話風にまとめられました。
この民話を読んで映画評論家の吉村英夫さんの跋文と、「過去帳
から思うこと」として、浄得寺住職の松井靖弘さんもこの地域の災害
史を、まとめておられます。
吉村さんは「落合先生の民話は、先生が育った田舎に伝わる、ほん
とうかどうか、しっかりとわからぬ話を、想像をまじえてふくらませて
つくったものでしょう。そこには貧しかったけれど、村の衆がいっしょ
に力を合わせて、すこしでも自分達の生活をよくしていこうという願い
がこめられています。
科学の発達だけを願って、人々の心がばらばらになっていくのは
悲しいことです。みんながすこしずつ辛抱しても、人々の心がしっかり
と結びついている世の中のほうがいいのではないでしょうか。」
と記されています。ぜひご一読を。
表紙の絵や挿絵は真弓前県議によるものです。