おぢのニセコ山暮らし

山暮らしと世間のあれこれを書き綴ります

市場原理主義の大罪

2008年12月18日 | Weblog

午前7時の気温は零度。
感じとしては、ポカポカ陽気です。
我が家の外ネコもデッキでのんびりしてます。

「私はいま、これまでの自分の主張が誤りだったと率直に反省しています」
こう語るのは小泉改革を経済学者として牽引してきた中谷巌氏だ。
1月3日号の週刊現代に「アメリカ流のグローバル資本主義を持ち込んだ張本人」として、懺悔しておる。

曰く、「貧困層の増大、異常犯罪の増加、ぬくもりのある社会の喪失」を招いたのは、行き過ぎた市場主義のおかげだという。
そのとおり。
市場主義、自己責任などという言葉が、どれほど若者を追い詰め、凶行に走らせたことか。

同氏は、郵政改革について、郵便貯金を自動的に公共投資に振り向ける財政投融資にくさびを打ち込んだことは評価するものの、小さな田舎の郵便局まで廃止することに何ほどの意義があるのか、としている。
ごもっともじゃ。

正社員を派遣に切り替えた企業は、労働コストは下げ、利益率は向上したが、年収200万円以下の低所得者層を増大させた。
秋葉原の無差別殺人事件も、犯人が正社員だったら、あんな凄惨な事件は起こさなかったのではないかと思えるとしている。

また、「小さな政府」「自己責任」「市場原理」は確かに世界経済を活性化させたけれど、現在の「恐慌状態」と、「社会の疲弊」、「人々の連帯感の喪失」をもたらしたとしています。
まことにごもっとも。

「自己責任」「市場原理」は、人々から「ぬくもり」とか「いたわり」とか「やさしさ」をなくして、殺伐とした社会と大金持ちと大貧困を生み出しました。
多くの人が幸せに暮らせる「中産階級」が、この国から消えてなくなったのです。

「小さな政府」「自己責任」「市場原理」は、思いやりのない「人でなし」社会を生み出したというのです。
氏がいうように、ノルウェーやデンマークは国民負担が75%もある税金の高い国です。

しかし彼らは将来に不安を抱くことなく、しかも世界の競争力ランキングで毎年トップ5の活力ある社会です。
弱者に対する目配りの欠如したニッポンとは、真逆の社会といえましょう。
ただし、今のニッポンで増税したら国民の大反発を受けます。
なぜか、国民が政府を信用していないからだという。
ここが北欧と決定的に違うところじゃね。

かつてアメリカの経営者に恐れられたのは、日本型の終身雇用、家族的経営の高い技術と愛社精神に支えられた会社でしたね。
ニッポン人は、もう一度原点に戻ってみるべきではないのかねぇ。
「市場原理」「自己責任」一辺倒が招いた「人でなし社会」はもうたくさんなのじゃ!!