八木重吉の詩があった。
秋になると
果物は何もかも忘れてしまって
うっとりと実のつてゆくらしい
詩題は、果物 これで詩のすべてである。朝日新聞の天声人語はリンゴとIPCCの話題を書く。
その詩集を取り出す。
この詩は、まずしき信徒 に収められている。
その次に、壁 と題する。
秋だ
草はすっかり色づいた
壁のところへいって
じぶんのきもちにききいっていたい
この詩集を手に入れたのは裏表紙の書き込みによれば、1966年、昭和41年1月のこだ。
そこに、初めて自分で手にしたお金で買う、とある。
その前に、昭和40年暮れ百貨店の配達アルバイト 自由にできると思い嬉しくて嬉しくて、新本特価市なるもので、こんなものを買う、としたためて、この詩集の価値を知るとある。
ひとつのながれ
ひとつのながれ
あるごとし
いずくにか 空にかかりてか
る る と
ながるらしき
この本をくるんだハトロン紙に詩を抜き書いている。
いつわりのない
こころをもとめ
あいてのないこころをいだき
きょうはすぎた
あしたもゆこう
このときは受験期にあった。高校卒業して1年後は、おなじく病後1年である。
健康の回復はあった。アルバイトにかけた冬だった。卒業はしたものの、自由にならない思いを見る。
文学青年の疾風怒濤にもまれていた。
秋になると
果物は何もかも忘れてしまって
うっとりと実のつてゆくらしい
詩題は、果物 これで詩のすべてである。朝日新聞の天声人語はリンゴとIPCCの話題を書く。
その詩集を取り出す。
この詩は、まずしき信徒 に収められている。
その次に、壁 と題する。
秋だ
草はすっかり色づいた
壁のところへいって
じぶんのきもちにききいっていたい
この詩集を手に入れたのは裏表紙の書き込みによれば、1966年、昭和41年1月のこだ。
そこに、初めて自分で手にしたお金で買う、とある。
その前に、昭和40年暮れ百貨店の配達アルバイト 自由にできると思い嬉しくて嬉しくて、新本特価市なるもので、こんなものを買う、としたためて、この詩集の価値を知るとある。
ひとつのながれ
ひとつのながれ
あるごとし
いずくにか 空にかかりてか
る る と
ながるらしき
この本をくるんだハトロン紙に詩を抜き書いている。
いつわりのない
こころをもとめ
あいてのないこころをいだき
きょうはすぎた
あしたもゆこう
このときは受験期にあった。高校卒業して1年後は、おなじく病後1年である。
健康の回復はあった。アルバイトにかけた冬だった。卒業はしたものの、自由にならない思いを見る。
文学青年の疾風怒濤にもまれていた。