読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

『ことばの由来』堀井令以知(岩波新書)の練木繁夫インディアナ州立大学ピアニストの書評から

2008-02-28 14:42:05 | Weblog

野球用語で左ピッチャーのことを「サウスポー」と言うがその理由は知らなかった。「Southpaw」と書き、直訳は「南にある手」である。日常生活で「Paw」を人の手として使うことはない。レッスン中に弟子の手を指して「Your left paw doesn’t move well.」などと言ったら、ハラスメントの罠にかかり訴えられるのは間違いないと練木氏は書いている。これが何故ハラスメントになるのかも解らない。字引を調べるとpawは「不器用な人の手」とある。そのためなのかそれでもよく分からない。「南にある手」とは左投手がマウンドでバッターと向かうとき、手の甲が南を向くからである。諸説が有るようだが野球場は、午後の日差しがバッティングの妨げにならぬよう、バッターからピッチャーを向く方向が東北東になるよう設計されるのが一般的であったそうで、したがってピッチャーは西南西に向かって投球することになり、投げ終えたとき、左投手の左足は南側になることから、左投手はサウスポーと呼ばれるようになったという説が主流である。この言葉が出来た19世紀後半、アメリカにはセンターを東、ホームベースを西に向けて作られた球場が多かったのであろう。現在でも、大体の球場が西方向を指している。スポーツ記者のチャールズ・シーモアが使い始めた言葉だそうである。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿