読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

蘭学から英学へ

2007-05-04 15:28:52 | Weblog

井伊直弼が大老に就任した安政五年(1858)、福沢諭吉は大阪の適塾で蘭学を学び江戸に出た。その翌年、諭吉は日米修好通商条約により、開港して間もない横浜に行き、外国人居留地を見た。彼はそこで外国人にオランダ語で話し掛けてみたが通じず、店に並んでいた瓶のラベルの文字も看板も読めなかったと言う。ここでオランダ語がヨーロッパの少数言語の一つに過ぎない事を諭吉は知る事となった。諭吉はすぐに英語に向かった。最初、英語に通じていると言う森山多吉郎に師事し三ヶ月ほど通ったが森山はオランダ通詞で英語は綴りが読める程度である事が分かり後に「英蘭辞典」(John Holtrop)を藩に五両で買って貰い英文をオランダ語に訳すと言うやり方で独学した。このやり方で諭吉は世界を学んだ。


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