読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

歎異抄

2007-10-20 09:40:54 | Weblog

司馬遼太郎は戦争中、常に持ち歩いたと言う「歎異抄」を蓮如は信徒が誤解する怖れ有りとして本願寺の奥深く秘匿してしまった。親鸞はその「歎異抄」のなかで教団も弟子も持たないと言う、念仏も先祖供養のためではなく、人のためでもなく、ただ自分一人のためだと言う。浄土真宗を広めようとしていた政治家蓮如には組織が必要であり、この親鸞の教団などもたぬと言う思想は信者の誤解を招くからではなく浄土真宗勢力拡大を願っていた彼には不都合であったに違いない。戦国時代に秘匿されてしまったこの歎異抄が再び世に知られるようになるのは明治に入り、浄土真宗内に改革を齎そうとした清沢満之によってである。

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