読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

真人(隠れた本当の自分)

2008-05-11 11:24:07 | Weblog

今から40年以上前の大学時代、男声合唱団に入っていた。その合唱団が大阪で行われた関西地区合唱コンクールで優勝した。その優勝が決定した瞬間、仲間からは喜びの「うぉー」と言う歓声が上がった。私も同じように歓声を上げていたがその瞬間、自分の体の少し内側に乖離して、歓声を上げている自分を比較的冷静に見詰めているもう一人の自分が居る事を感じた。「何だ、これは」と思った。中国、唐の時代の禅僧、臨済の言葉にこれを何とか説明できそうな言葉がある。「赤肉団上有一無位真人、常従汝等諸人面門出入。未証拠者看看」赤肉団上(しゃくにくだんじょう)に一無位の真人ありて、常に汝ら諸人の面門より出入す。未だ証拠せざる者は看よ、看よ。と言う。人の肉体の中には一人の無位無冠の真人(真理を悟った人)がいて自分の顔から出入りしている。まだこれを見届けていない者はよく見よ。と言う事だがあのとき現れたもう一人の自分が真理を悟った人であるのかどうかは、その時のもう一人の自分と少し距離が感じられて良くは判らない。


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