読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

椋鳥と言われた人たち

2011-02-01 09:43:59 | 読書
江戸時代の話。
地方から江戸へ出て来る普通の奉公人の就職日は、毎年、三月五日に決まっていたそうだ。
年季奉公であれば三月からの一年の契約であるが例外も有った。
季節労働の出稼ぎ労働がそれだ。十一月からは農閑期で、しかも北国では雪に埋もれて
仕事が出来ない。その間、江戸で働こうと毎年十一月に故郷を出る人たちがいる。
稼げるだけでなく、江戸では米が食べられた。そうした出稼ぎ人たちは低賃金ながら
四ヶ月の臨時奉公を終え、翌年の二月末には春になった田舎へ帰るのである。
多くは越後や信州の人たちで、江戸では椋鳥と呼ばれていたそうだ。