読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

漱石の名

2010-09-30 13:24:28 | 読書
中国の晋の時代に孫楚と言う文才に優れていたが頑固な人物が居た。その男は周囲の人たちと反りが合わず、その為かどうか、以前から気侭な隠遁生活に入りたいと思っていた。そのとき、彼は言い間違いで「漱石枕流」と言ってしまった。本当は「枕石漱流」(山中の適当な石を枕にして眠り、綺麗な谷川の水で口をすすぐ暮らしがしたい)と言う事だろうと人にその間違いを指摘されたが「漱石枕流」、「石に口漱(すすぎ)、流れに枕する」を負け惜しみで通してしまった。そこから負け惜しみで意地を通すことを「漱石枕流」と言うようになった。
ところでこれを最初、筆名として考えていたのは実は、正岡子規で夏目漱石は、友人の子規からその名を筆名として譲ってもらったのだそうだ。