読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

虐待繁殖?

2010-09-02 10:40:06 | Weblog
かれこれ1万年以上にもわたってヒトは動物を家畜化することを試み、そして多くの成功を修めてきた。そのプロセスは現在でもまだ終りではない。

かのチャールズ・ダーウィンの言葉を借りるところの「人類による最大の生物学的実験」であるこの動物の改良という行為は、動物に多様性をもたらし、原種の姿を大きく変え、さまざまな品種を生み出した。

初期の頃はそれでも人間にとっていかに快適かつ有効に使える動物を作るかが目的とされていたのが、時代が流れ誰もが裕福さを感じるようになったこの100年あまりで家畜の改良目的は「愛玩目的」が主流になった。特に犬では。

そもそも野生動物の体の形というものは、その動物が置かれた自然条件に適応するように変化したものであり、その動物がその環境内で生きてゆくために最適な機能を備えている。

しかし、この野生動物が家畜化され、ヒトが望む動物個体の特徴をセレクトして繁殖することで、それまで自然に適応していた体は見た目に明らかな体格や体の大きさなどが変化させられたのと同時に、一見しただけでは分からない内臓と内蔵機能にまで変化は及んだ。

そして犬は改良された家畜の中でも極めて特殊に、しかも一部の犬種は「間違った方向」に繁殖が進められた動物でもある。愛玩目的で外見的特徴が優先されて繁殖されてきた犬種では、体の組織変化に伴い強制的に機能が影響を受け、とうとう普通の生活に支障をきたすほどの結果に行き着いてしまったのだ。



矮小化による影響

オオカミから派生したイエイヌは体格の極端な矮小化によって骨格に重篤な問題を抱えるようになった。小型の愛玩犬種はヒトの子供に似た丸い頭部(ネオテニー傾向)を求められ、本来細長いはずの頭蓋骨が小さく丸く改良されたことで頭蓋骨の厚みの薄化そして成犬になっても泉門(頭蓋骨頭頂部)が閉じない頭蓋裂孔、水頭症を引き起こす傾向を示すようになった。これらにより犬の脳は頭蓋骨による充分な保護を受けられず、小さな衝撃を受けても直接脳へ被害が及び、行動障害を起こしたりときには死に至る。


辻という国字

2010-09-02 09:22:43 | 新聞
辻と言う漢字はどの漢和辞典を見ても国字とある。つまり日本出来た漢字である。
と言う事はこの漢字には象形文字はないはずなのだが、角川書店からの阿辻哲次氏
の書かれた「漢字逍遥」には図のようなイラストの象形文字が掲げられている。
少し不思議に思っている。
他に込、辷なども国字である。