GOODLUCK'S WORLD

<共感>を大切に、一人の男のスタンスをニュース・映画・本・音楽を通して綴っていきたい

「今私は嫁いでゆく」<おいどん+チー&ホク>

2009年05月01日 | Weblog
 1976年、私は大学4年生でした。春休みに帰省すると、4歳上の兄の25回目の見合いの前日でした。兄は気持ちは優しい性格ですが、少し怠け者のところがあります。そんな兄が40年続けた父の商売を変更し、喫茶店を始めてまだ間もない頃でした。学生だった私は父の商売をそのまま兄が継ぐと思っていたのですが、喫茶店を開店すると聞いて本当に驚きました。

 母から20回以上も見合いをやっている話を聞き、「大丈夫だろうか?」私は心配でなりませんでした。私は小賢しく兄に向かって知恵(?)を付けようとしていましたが、隣の部屋で私の話を聞いていた父がこんなことをしゃべり出しました。

「ユージ、心配せんでええ。なるようになるから。
 男と女はハタがどんなにやきもきしても、ならんときはならんし、
 なるときはなるもんだ」


 私には、その言葉の意味がどうにも理解できませんでした。せめて弟として何かしてあげたいと思い、兄の髪の毛のセットをしました。ドラヤーとブラシを持って、「頑張ってこいよ!」と妙な励ましをしました。しかし、牛年の兄はのんびりしているように見えましたが、どこか自信なさげにも見えました。

(兄嫁? 喫茶店の美人ママになって欲しいなあ!)
私は考えただけでうれしくなりました。

見合いから帰ってきた兄の表情はとても明るく、おまけに得意げにも見えました。
「どうだった?」
「今度は大丈夫、間違いない!」
「ほんまかいな」

私は半信半疑でした。

翌日には紹介者から電話連絡が入りました。
母は満面の笑みを浮かべながら私に向かってこう云いました。[m:50]
「Kさん(兄嫁)も気に入ったそうや。お兄ちゃんのこと可愛いいって!」

(可愛いい? 誰かとまちごうてんのんちゃうか? 
 兄を気に入った? 信じられない! ほんとやったら奇跡や!)

 私は東京に戻りましたが、この結婚話はスイスイ進んで、奇跡的な話がどんどん現実的になり、4ヶ月後には本当に結婚式を迎えることになったのです。お姉さんは奈良の人で大阪の商店街の賑やかさがとても気に入ったらしく、しかも喫茶店のママになることもとても喜んだそうです。
「ポコポコとサイフォンで点(た)てるコーヒーの音が優雅でええなあ」(後日談)と思ってくれたそうです。

 私はこの話し聞いて父の「なるときはなる話」をすぐに思い出しました。そしてお姉さんができるきとがうれしくてうれしくてたまりませんでした。しかも写真のお姉さんは本当にとても美人だったのです。これこそ奇跡でした。

 お姉さんと初めて対面したときの印象を良く覚えています。本当に写真以上に美しい人でした。そしてその笑顔はまるで天使のように思えました。本当に兄貴の嫁さん? これはやっぱり奇跡と云うほかありませんでした。お姉さんのおかげで喫茶店は大繁盛し二人の子に恵まれ、今も二人はおしどり夫婦です。

 私とお姉さんもとても仲良く、兄に連絡する必要があっても必ずお姉さんに連絡を取り、
今でもしょっちゅう私たち夫婦の様子や旅行先から写メールを送ったりしています。私の妻ともとても仲が良く、妻の言葉のはしはしからお姉さんを尊敬していることが覗えます。

「お姉さん、我がファミリーに嫁いできてくれて、本当にありがとうございます!
 母を最後まで面倒みていただき、心から感謝しています。
 そして、残り少なくなった父をこれから宜しくお願いいたします」



兄の結婚披露宴でお姉さんに捧げる歌を作ってギター一本で歌いました。
結婚式に自作の歌を歌いたいと両親に伝えるととても驚きましたが、
詩を見せると父がとても気に入り、その詩をコピーして披露宴に来られた400名全員の方々に配ったのには驚かされました。

(録音はヤッチャンが居候していたお兄さん宅で。仲間だったシモちゃんという女性の結婚式で歌うために、彼女の親友2名とおいどん2名とのセッション。その練習を一発録りしたもの)


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「今私は嫁いでゆく」
                      作詞・作曲:ユージ
                   リードボーカル:チーチャン
                   サイドボーカル:ホク&ヤッチャン&ユージ
                        ギター:ユージ



幼い頃から 多くの人と 
出会い 別れました     (結婚式では「別れ」を「歩んできました」に変更)
でも今そっと 思い出してみると
みんな いい人なんです

二人で初めてお化粧した
あの子も 小学校の先生
今私は 嫁いでく
母さんの温もりから
今私は 嫁いでく
父さんに見守られて


二十歳を過ぎて 多くのことを
知り 学びました
両親の目に 計り知れないほどの
愛を見たのも あの頃
そんな母さんの 黒髪に
白いものが 増え始めた

今私は 嫁いでく
母さんの温もりから
今私は 嫁いでく
父さんに見守られて

今私は嫁いでゆく
幸せを育てるために
今私は嫁いでゆく
あなたの腕の中に



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
子供 (kanakana)
2009-05-03 22:10:40
想像以上に素敵な歌で驚きました。
こんな特技があるなんて(失礼!?)知りませんでした。

つい最近まで親の庇護のもと生活していた私が、気がつけば一児の母。
両親や私は老い、子供はどんどん成長する。
時間は確実に進んでいるのを実感しています。

一児の母になり、やっと両親から受けた愛に気づきました。感謝の気持ちでいっぱいです。両親から受けた愛を子どもに伝え、幸せを育てていきたいと思います。
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Unknown (グッドラック)
2009-05-07 11:13:30
kanakana様

お元気にされていますか?
そうですね、親になって初めて親の愛情に気づくようです。
そうした気づきある生き方が、
生きていること実感できる生き方だと思います。
我が子にいろんなことを伝えたくても、
その頃は子供に受け入れ体勢が出来ておらず、
親を煙たがるものです。

今ではりっぱな一児の母親。
子育ての最終目標は<子供の自立>です。
その為には心の強い子を育てなくてはなりません。
今巷には優しくて繊細で空気を読める子がたくさんいます。
だから自殺や虐めが増加しているのです。
幼い頃は空気など読めなくて当たり前のです。
無菌を進めすぎると、子はアトピーなどの過敏反応を起こす身体になってしまいます。

どうしたら<自立>の為に、
強い身体、強い心を育てられるか?

このことを意識して子供と接していきましょう!


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