GOODLUCK'S WORLD

<共感>を大切に、一人の男のスタンスをニュース・映画・本・音楽を通して綴っていきたい

「2015 錦織圭の全仏オープンは終わった!」

2015年06月03日 | Weblog

「ツォンガ・コール」が何度も巻き起こったセンターコート、圭は4時間近いフルセットの末、力尽きた。第1セット、第2セット、サーブを打つときでさえ叫び声がなかなか消えないアウェーの雰囲気の中、圭は身体と心まで凍らせたように感じた。声援がおまらないうちに、しびれを切らしてサーブを打ち込んだときもあった。ここまで順調にストレート勝ちを収めてきた圭、3回戦では思いも寄らない相手の怪我による不戦勝もあり、誰もが体力の温存ができて有利と考えていたに違いない。しかし、ここに落とし穴があったように思う。反対にツォンガは、4回戦、第4シードのベルディヒを6-3 6-2 6-7(5) 6-3というハードな試合を勝ちきり、波に乗っていた。つまりギアが第1セットから全開だった。圭は強風と超アウェーの雰囲気とツォンガの強烈なフォア、そして、圭のエース級のボールにも必死で追いついてくるフットワークに押され、自分のプレーを見失っていたように思う。中間報告のアンフォーストエラーの数がツォンガ6に対して圭が16、これが試合内容を物語っていた。

   

   

 第2セットの第7ゲームを終えた時点で、観客席に金属片が落ちて、観客が怪我を負うハプニングが起きた。30分以上の中断後、試合が再開。ここから錦織の逆襲が始まった。冷静さを取り戻したのか、それまでキレがなかったショットに伸びが出て、ラリー戦になればポイントは圭。いつの間にか試合は圭ペースになり、セットカウントは2-2にしてタイに持ち込んだ。

 勝負のファイナルセット、第4ゲーム、圭のサービスゲーム、40-15と圭がゲームポイントを握るも、ダブルフォルトを犯したことからツォンガに痛恨のブレークを許す。ここからツォンガと観客のフィーバーはさらに加速し、圭は反撃を見出せずに敗れた。
 試合結果は、1―6、4―6、6―4、6―3、3―6、圭は52本の凡ミス、6本のダブルフォルト。トータルポイントはツォンガ149、錦織129。また、ツォンガの強烈なファーストサービスが入った時には83パーセントの高い確率でポイントをとられ、44本のウィナーを決められた。数字だけみれば「よくぞ、ファイナルまで持ち込んだ」という試合内容だった。

     

(試合後のインタビュー)
圭「最初はほぼ風にやられた。自分の作戦が当てはまらなかった。なぜか焦りが出てしまってミスが多かった。中断するまで自分を見失っていた」

圭「(中断後)自分のプレーが少しはよくなった。戦術を変えていった。感覚をつかみ始めた。中断してからしっかりこなせたことはよかった」