老いの繰り言

この頃　同じことを
何度も言うことが　増えて来た

娘から　
また聞いた
そのことは　今まで　何度も聞かされている
と　夫婦共に　指摘され　返す言葉もない

いわゆる　老いの繰り言ってやつだ

自分自身　いやになることもあるが
でも　ようく考えると　
まんざら捨てたもんじゃあない

繰り言って
人とのつながりの象徴なんだ

繰り言って
親子や親しい人とのコミュニケーションに
欠かせない大事なツール（道具）なんだ

この世に生まれて
いいや　生まれる前から今までの
エピソードの数々を　披露しては
お互いの関わりの密度を確かめ合おうと
機会があると　何度も何度も
同じ話を繰り返し　繰り返し話す…

老いの繰り言と　言ってしまえば
身も蓋もないが　
今一度　よおく考えてみてごらん

自分が幼児期だった頃
親や周囲の大人たちに
それはそれは　何度も何度も
同じことを問いかけては
辛抱強く答えて貰ったではないか

自分が幼児期だった頃
親や周囲の大人たちは
それはそれは　何度も何度も
同じことを話しかけ　呼びかけして
言葉や所作など　教えてくれて
社会のルールも躾てくれたのではないか

例え　老いの繰り言と言われようと
私は　子どもたちに　
今日も同じことを　言い続けよう
楽しかったあの時のこと
苦しかったあの時のこと
悔しかったあの時のこと
悲しかったあの時のこと
うれしかったあの時のこと
共に歩んできたあの頃のこと

新しいことは　頭から直ぐ零れてしまうが
昔のことなら　いつまでも共有できる
そんな繰り言を　みすみす捨てるのは
もったいないと　あなたは思わないかい？

PS　2008．1．9　成人式を前に　草稿