悠山人の新古今

日本初→新古今集選、紫式部集全、和泉式部集全、各現代詠完了!
新領域→短歌写真&俳句写真!
日本初→源氏歌集全完了!

image102 麦撫子

2006-05-26 00:40:00 | images
2006-0526-yim102
title : Agrostemma githago
yyyy/mm : 2006/05
notes : 麦撫子(むぎなでしこ)。麦仙翁(むぎせんのう)。アグロステマ。~ステンマ。コーン・コクル。パープル・コクル。corn cockle, purple cockle. 関東全域は、この夜、激しい雷雨。

紫式部集044 亡妻の

2006-05-25 00:30:00 | 紫式部集
2006-0525-yms044
亡妻の悪霊かなと床に臥し
逃げても所詮は心の鬼よ   悠山人

○紫式部集、詠む。
○略注=まずは詞書全文。「絵に、物の怪のつきたる女のみにくきかたかきたる後(うしろ)に、鬼になりたるもとの妻(め)を、のしばりたるかたかきて、男は経読みて物の怪せめたるところを見て」(詞書末尾には、句読点が付かない。念のため) ここまで付き合っていただいた読者の皆さん、登場人物(元、今)の所作が、すっきりお分かりだろうか。「かた」は「形。絵。図。」 平王クの原文表記は「図」。①後妻(悪霊に取り憑かれて、醜女に描かれている)、②前妻(鬼になって)、③(若僧。鬼になった前妻を縛り付けている)、④夫(読経で物の怪退散を念誦する)、という絵柄だろうと、私は思うのだが。いつも世話になっている新潮版、平王クだが、ときに現代訳の文章・構文がはっきりしないのは残念だ。次に、歌の大意。奥方におかしな言動があるのは、先妻の祟りだ、などとおっしゃるけれど、本当はご主人の心に暗鬼が住んでいるのでは? 四十四番から四十八番は、絵を見て。
 ¶かごと(託言)=平王クは漢字表記。古語辞典は当然だから、広辞苑で
 紹介。「①かこつけて言う言葉。言いわけの言葉。口実。」用例に源氏・夕
 顔。
□紫044:なきひとに かごとをかけて わづらふも
      おのがこころの おににやはあらぬ
□悠044:ぼうさいの あくりょうかなと とこにふし
      にげてもしょせんは こころのおによ

短歌写真155 寄添ひて

2006-05-25 00:25:00 | 短歌写真

2006-0525-yts155
寄添ひて独りと見れば昼咲きの
二花に散るらん月見草なれ   悠山人

○短歌写真、詠む。
○昼咲月見草
。宵待草、(大)待宵草、荒地待宵草、赤花夕化粧、pink ladies、pink evening primrose, white e. p.、showy primrose・・・などなど。外国まで出かけて調べてみたが、この一族も例によって同定が難しい。擬古歌も、難しい。英語の文章をかなり読めても、同じ程度の会話がなかなか出来ないのと、どこか似ている。
□よりそひて ひとりとみれば ひるざきの
  にくゎにちるらん つきみそうなれ


短歌写真154 わが思ひ

2006-05-24 02:45:00 | 短歌写真

2006-0524-yts154
わが思ひさありしままに振向けば
塩の柱となりて留まる   悠山人

○短歌写真、詠む。
○見るほどに美しく香る薔薇
。代わる代わる咲く。古代中世の文法での作歌は、難しい。
□わがおもひ さありしままに ふりむけば
  しほのはしらと なりてとどまる


紫式部集043 あの方は

2006-05-23 05:50:00 | 紫式部集
2006-0523-yms043
あの方は桜の散った寂しさに
残される子を重ねていたのね   悠山人

○紫式部集、詠む。
○略注=詞書に、父が亡くなって家も荒れたけれど、桜は春を忘れずにやって来て、きれいな花を咲かせていますよ、との便り。そう言えば、彼、桜の咲く喜びと、散りあとの寂しさを、つねづね口にしていたわね。もしかして自ら亡きあとの、あの子のことまで思い巡らせていたのかしら。珍しく左注(さちゅう。歌の右に前書き、詞書きを添えるのに対して、歌の後に書く文言を言う)がある。全文引用すると-「思ひ絶えせぬ」と、亡き人の言ひけることを思ひ出でたるなりし。
 ¶木のもと=「木(こ)の下(もと)」と「子の許(もと)」を懸ける
 ¶思ひ絶えせぬ=出所は『拾遺集』巻一春36、中務。(新潮版ほか)
    咲けば散る咲かねば恋し山桜
    思ひたえせぬ花のうへかな
□紫043:ちるはなを なげきしひとは このもとの
      さびしきことや かねてしりけむ
□悠043:あのかたは さくらのちった さびしさに
      のこされるこを かさねていたのね

image101 金鶏草

2006-05-23 05:45:00 | images

2006-0523-yim101
title : Coreopsis
yyyy/mm : 2006/05
notes : きんけいそう。コレオプシス。この花を見ると、いつも「秋霜烈日」バッジを思う。胸に着けた初心を忘れて、秋霜落日とは、くれぐれもならないように。【写真の技法】方形の枠内の、真ん中に被写体を収める写真を、専門家は「日の丸」と言う。ほとんどの場合、素人写真の典型として嫌われる。写真右上隅が蕾。
*now streaming :Радио Шансон - Москва*
 http://62.118.255.5:8800


紫式部集042 夕暮れに

2006-05-22 01:20:00 | 紫式部集
2006-0522-yms042
夕暮れに親鴛鴦の跡を追い
はぐれて迷う気の毒な子よ   悠山人

○紫式部集、詠む。
○略注=夫の前妻の娘が、父の遺筆を見て嘆いている。あなたもお気の毒にね、同情するわ。
 ¶鴛鴦=原歌では、新潮版に「鴛鴦」、平王クに「鴛」。漢二字で「お
 し」「おしどり」の両読み
。季語では冬。
 ¶見る見る=見ながら。seeing her parent's trace。
□紫042:ゆふぎりに みしまがくれし をしのこの
      あとをみるみる まどはるるかな
□悠042:ゆうぐれに おやおしどりの あとをおい
      はぐれてまよう きのどくなこよ
*now streaming : Bernhard Molique p Mannheimer | String Quartet Op. 18*
 http://69.28.128.148:80/stream/radioio_classical_free_hi

短歌写真153 訪ふ人も

2006-05-22 01:10:00 | 短歌写真

2006-0522-yts153
訪ふ人もまれなる山に春の雪と
紛ふばかりの林檎花かな   悠山人

○短歌写真、詠む。
○標高千メートル内外の山腹
。小雨で生き生き。はっきりしないので、仮に山林檎に見立てる。
□とふひとも まれなるやまに はるのゆきと
  まがふばかりの りんごばなかな


短歌写真152 彼の人は

2006-05-21 05:20:00 | 短歌写真

2006-0521-yts152
彼の人は四十路待たずに逝きしかど
山に向ひてわれも目を挙ぐ   悠山人

○短歌写真、詠む。
○一と月後に桜桃忌。庭の桜桃樹、新芽若葉が強烈な日に光り輝いている。台風1号と前線は一休み。
【写真の技法】初めてTIFで記録してみたら、1枚14MBを超えた。JPG変換すると、一割以下と軽くなる。600*600 程度のブログでは、Jで十分。
□かのひとは よそぢまたずに ゆきしかど
  やまにむかひて われもめをあぐ


短歌写真151 黄昏に

2006-05-21 05:15:00 | 短歌写真
2006-0521-yts151
黄昏に薔薇咲きゐたる妖しさは
色か香りか姿形か   悠山人

○短歌写真、詠む。
○主に似て名もなき薔薇ばかりだが、四季咲きもあるから、それなりに楽しんでいる。「香り」は、送り仮名を使わないのが、標準的な古法。
□たそがれに ばらさきゐたる あやしさは
  いろかかをりか すがたかたちか
☆テンプレは「竹」。交換、初体験!☆