悠山人の新古今

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紫式部集038 風に散る

2006-05-14 06:05:00 | 紫式部集
2006-0514-yms038
風に散るどれが桜か梨の花
色が似ていて紛らわしいわ   悠山人

○紫式部集、詠む。
○略注=「花の散るころ、梨の花といふも桜も、夕暮れの風の騒ぎに、いづれと見えぬ色なるを」、と詞書してから。風に乱れ散る花の、どれが美しくない、などと言えましょうか。みな変わらなない綺麗さですこと。花、梨、桜、夕暮れ、風、色、匂ひ・・・新古今でもたくさん鑑賞してきた、言の葉の数かず。さらに「散り交ふ」が加わって、花風(花鳥風月)の世界が夢のように広がる。一語だけ古語辞典から引用。
 ¶にほひ(匂ひ)=「①色が美しく映えること。はなやかな美しさ。つやの
 ある美しさ。気品
。」 桐壺からの用例に、楊貴妃の絵を評して「筆限りありけ
 れば、いと匂ひなし。」
□紫038:はなといはば いづれかにほひ なしとみむ
      ちりかふいろの ことならなくに
□悠038:かぜにちる どれがさくらか なしのはな
      いろがにていて まぎらわしいわ
☆先ほどのラジオ深夜便で、きょうの花は「紅紫(色)の」紫蘭、花言葉は「互いに忘れない」と、Kさん。短歌写真145の紫蘭、とうとう百花を超えて力尽き、枯れ始めた。Forget-me-not とか、remember me でなく、remember each other! How many persons do you have?