悠山人の新古今

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紫式部集044 亡妻の

2006-05-25 00:30:00 | 紫式部集
2006-0525-yms044
亡妻の悪霊かなと床に臥し
逃げても所詮は心の鬼よ   悠山人

○紫式部集、詠む。
○略注=まずは詞書全文。「絵に、物の怪のつきたる女のみにくきかたかきたる後(うしろ)に、鬼になりたるもとの妻(め)を、のしばりたるかたかきて、男は経読みて物の怪せめたるところを見て」(詞書末尾には、句読点が付かない。念のため) ここまで付き合っていただいた読者の皆さん、登場人物(元、今)の所作が、すっきりお分かりだろうか。「かた」は「形。絵。図。」 平王クの原文表記は「図」。①後妻(悪霊に取り憑かれて、醜女に描かれている)、②前妻(鬼になって)、③(若僧。鬼になった前妻を縛り付けている)、④夫(読経で物の怪退散を念誦する)、という絵柄だろうと、私は思うのだが。いつも世話になっている新潮版、平王クだが、ときに現代訳の文章・構文がはっきりしないのは残念だ。次に、歌の大意。奥方におかしな言動があるのは、先妻の祟りだ、などとおっしゃるけれど、本当はご主人の心に暗鬼が住んでいるのでは? 四十四番から四十八番は、絵を見て。
 ¶かごと(託言)=平王クは漢字表記。古語辞典は当然だから、広辞苑で
 紹介。「①かこつけて言う言葉。言いわけの言葉。口実。」用例に源氏・夕
 顔。
□紫044:なきひとに かごとをかけて わづらふも
      おのがこころの おににやはあらぬ
□悠044:ぼうさいの あくりょうかなと とこにふし
      にげてもしょせんは こころのおによ


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