2007-0318-yis118
知らぬ間に彼を会わせていたんだね
それなら私も気持ちを出そうか 悠山人
○和泉式部集、詠む。
○詞書には、「小式部内侍のもとに二条前内大臣はじめてまかりぬと聞きて、つかはしける 堀河右大臣」。私を差し置いて、(義)弟に娘御を会わせていたとは・・・。そういうことなら、私も公に名乗りをあげますよ。詠み人(堀河)を明示するのは、かなり珍しい。
¶二条前内大臣=「藤原教通。道長の三男。」 1047年(永承二年)、内大臣から右大臣へ昇進。1075年(承保二年)、80歳で死去。
¶堀河右大臣=「藤原頼宗。教通の異母兄。」 1060年(康平三年)、右大臣に。65年(同八年)、73歳で死去。(この二項、新潮版)
¶ねた(妬)さもねた(妬)し=とても妬ましい。I feel him so jealousy.
¶ねずりのころも=第073歌参照。
¶うはぎにをせん=以下は、新潮版からの引用。
恋しくは したにをおもへ 紫の
根ずりの衣 色にいづなゆめ 『古今集』恋三、よみ人しらず
をふまえて、下に隠していた「衣」を「表着(うはぎ)」にしてしまおう、事を表面化しよう、の意。「を」は強意。
□和118:ひとしらで ねたさもねたし むらさきの
ねずりのころも うはぎにをせん
□悠118:しらぬまに かれをあわせて いたんだね
それならわたしも きもちをだそうか
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