悠山人の新古今

日本初→新古今集選、紫式部集全、和泉式部集全、各現代詠完了!
新領域→短歌写真&俳句写真!
日本初→源氏歌集全完了!

和泉式部集146 松原の

2007-04-26 05:20:00 | 和泉式部集

2007-0426-yis146
松原の白鷺までも驚くわ
夜中に精米しているなんて   悠山人

○和泉式部集、詠む。
○これは長い前置。「石山に参りて侍りけるに、大津にとまりて、夜更けて聞きければ、人のけはひあまたしてののしりけるを、たづねければ、あやしの賤(しづ)の女(め)が、米(よね)といふものしらげ侍り、と申すを聞きて」。夜中、あまりに騒がしいから、起きて質すと、下層の女たちが、精米作業をしているというので。白鷺が琵琶湖岸の松原で寝ているだろうに、起きてしまうのではないかしら、心配だわ。以前の炭焼きを取り込んだ歌といい、この農婦に対する詞書といい、貴族階級の一般庶民に対する意識が、ここにもよく出ている。なお、江戸時代を迎えるまでは、職業分化は緩慢であった。
¶しら(白)げば=<一説に、夜が「白げ」に鷺の「白毛」をかける。>
¶さと=<「里」に擬声語「さと」(わっと)をかける。>(二項、新潮版)
¶とよ(響)みけり=『古語辞典』見出し語「とよむ」に、「響む、動む」が当てられる。「鳴り響く。響きわたる。大声をあげて騒ぐ。騒ぎたてる。」 派生形の「どよめく」「どよもす」は、現代語に残る。新潮版頭注によると、平安末期から濁音化した。
□和146:さぎのゐる まつばらいかに さわぐらん
      しらげばうたて さととよみけり
□悠146:まつばらの しらさぎまでも おどろくわ
      よなかにせいまい しているなんて



最新の画像もっと見る