百歳に向かってもう一度世界一周

百歳に向かってもう一度「歩いて世界一周」に挑戦したい。日中友好董存瑞育英基金を充実したい。富士登拝・・・

慰問袋(裏話18)

2011-09-07 18:23:18 | 私の青春時代

 9月7日 (水) 平成17年1月1日より 2,350日目
              歩いた歩数      その距離 m
本日        15,662 歩      10,963 m
総計 34,078,732 歩 23,855,112m
イラン・トルコ、ギリシャを経てシシリー島カタニアを経てイタリヤ半島ナポリに向かう。後 4,428 m

 慰問袋は贈ったことはあるが、受け取ったことは初めてだった。戦地で戦っている兵隊を慰問するために、色々な団体の呼びかけで、手紙を書いて、日用品や薬や保存の効く食料などを入れた布の袋が慰問袋だ。

 私のところに来たのは新町の家からで、郵便で送られてきた。皆から羨ましがられた。みんなの目が袋を開けるのを待っている。何が入っていたか、今ははっきりとは覚えていないが、出来るだけ公平に配った。

 煎った大豆が入っていた。袋から出すとき、こぼれた。その豆を追って 全員が我先にと飛びついた。食べ物で手元に残ったのは、信州名物「八幡屋磯五郎」の小さな缶の他は薬だけだった。 

 私は腹が減ると唐辛子を掌に振って舐めた。ピリッと辛いのが体中に回って元気が出た。新町の人たちの顔が浮かんで嬉しかった。これは長持ちした。

 (神薬)という薬も入っていた。これは頭が痛いときなどうなじに塗るとすっきりするものだが、“はっか”のほかに何かの蜜が入っていて美味いので,みんな飲んでしまった。

 仁丹は豆の代わりに口に入れていたが、腹の足しになったように思う。床にこぼれた豆を全員目の色変えて追いかける姿を思い出すたび、初年兵だったあの頃が懐かしい。

 何を隠そう、私の妻は新町の娘だ。