ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第108巻-3 G資金異聞 潮流激る南沙

2007-11-29 23:34:11 | 第106巻~第110巻

■G資金異聞 潮流激る南沙(第363話) 発表1994年4月

評価   ★★★★★

依頼人  なし

ターゲット フォスター

報酬    なし

今回弾丸発射数       1/ 通算弾丸発射数 2,023

今回殺害人数         4/ 通算殺害人数   4,178

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   100

<ストーリー>
南沙諸島の領有権を巡り、『G資金』を後ろ盾とした開発話が流布される。G資金とは・・・?そして、ゴルゴの思惑は・・・?

<この一言>
G型トラクターについて”面談”とは、思わせぶりな呼びかけだ・・・

<もう一言>
俺のルールは知っているはずだ・・・依頼人に二度会うことを・・・俺は好まない!

<解説>
中国・台湾・ブルネイ・ベトナム・フィリピン・マレーシアが領有権を主張する南沙諸島。南沙諸島には世界消費量50年分に相当する石油が埋蔵されていると言われ、各国が領有を目論み軍備を増強する動きを見せていた。この動きの背景には、『G資金』なる特定の国家に紐付かない200億ドル(約2兆円)相当の資金の存在があり、領有権を確保した国家にG資金が投資されるという。

この噂を聞きつけた丸菱物産「山岸常務」は、かつての部下「藤堂伍一」に対し、ゴルゴに接触し噂の真偽を確かめて欲しいと依頼する。藤堂伍一は第54巻-2『穀物戦争 蟷螂の斧』第54巻-3『穀物戦争 蟷螂の斧 汚れた金』に登場した人物で、ゴルゴとは因縁浅からぬ仲である。アメリカの新聞に『G型トラクターの設計・使用に面談の要有り』との広告を出した藤堂は、ゴルゴとの接触に成功。ゴルゴに噂の真偽を問う。

ゴルゴは『G資金投資案件』について自ら調査に乗り出し、武器商人「フォスター」がG資金をちらつかせて南沙諸島に隣接する国々に働きかけていることを突き止める。フォスターは南沙諸島の領有をネタに、東南アジアの緊張を高めることで武器需要を創造し武器利権を貪ると同時に、石油利権を確保しようと画策、さらにはゴルゴの支配をも視野に暗躍していたのである。
ゴルゴはG資金の消失をアピールするために、国連に対して”すべてを捨てし者”の名前で全財産200億ドルを国連に寄付し、200億ドルの寄付があったことを速やかに発表させ、資金の全てを自然環境保護活動に充てるよう通達する。
G資金の消失を知った各国首脳は、南沙諸島の独占をあきらめ、石油採掘を共同事業化することを決定。藤堂にはゴルゴより1億円の振り込みがなされる。全てを捨てたゴルゴは静かに姿を消すのであった・・・

ゴルゴ最終回として考えられたのでは?と思わせるほどの完成度を誇る作品。G資金なる架空資金(その資金が実在するところがまた凄い)をテーマに、練りに練られたストーリーが素晴らしい。2兆円をポンと捨て去るゴルゴの潔さも最高だ。藤堂とゴルゴの邂逅シーンも秀逸で、緊迫感溢れる両者の対話にしびれ、「G型トラクター」の新聞広告に思わずニヤリとしてしまう。トビラにある過去作の名場面集、最終項の点描で描かれた切ないゴルゴの去りゆくシーンを見れば、本作がゴルゴ最終話と言われても何の違和感もない。異色作でありながら名作の誉れ高い作品だ。

ズキューン

ゴルゴ13 (108)巻掲載
ゴルゴ13 (146)巻(最新刊)
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