■黒い通信(第372話) 発表1995年2月
評価 ★★
依頼人 ①マフィア ②フランク・マードック刑事の息子
ターゲット ②マフィアの金庫番アルシオーネ ②ケリー署長
報酬 ①不明 ②マードック刑事の息子の命
今回弾丸発射数 3/ 通算弾丸発射数 2,048
今回殺害人数 2/ 通算殺害人数 4,208
今回まぐわい回数 0/ 通算まぐわい回数 102
<ストーリー>
ゴルゴを脅迫する黒い手紙。脅迫者の意図は・・・?
<この一言>
これ以上、俺に関わるのは・・・よせ!
<解説>
ゴルゴを付け狙う”黒い手紙”。ゴルゴを監視し、ゴルゴを操ろうとする者の真意は何か。ゴルゴは長年のつきあいのある女性アシスタントを呼び寄せ、黒い手紙の差出人を探る。
ゴルゴの関与した事件の記録を管理しているアシスタントが探り当てたのは、マフィアの金庫番アルシオーネが殺害された案件。アルシオーネは自首する前に教会で祈りを捧げていたが、教会の外からステンドグラス越しに狙撃されてしまう。警護にあたっていたケリー主任は、容疑者アルシオーネが狙撃された責任を部下のマードックに押しつけ、署長にまで登りつめたが、一方のマードックは不遇のまま死を迎えていた。マードックには一人息子がいたが、ゴルゴは息子が黒い手紙の差出人と直感する。
黒い手紙を道端に残してマードックの息子を公園におびき寄せるゴルゴ。ゴルゴは「これ以上、俺に関わるのはよせ!」と銃口を向けながら最後通告を行う。秘密をバラされたくなければ言うことを聞けと丸腰で迫るマードックの息子に、ゴルゴは躊躇なく引き金を引く。後日、ゴルゴの元にはマードックの息子からビデオレターが届く。マードックの息子は父親がケリーにはめられた恨みを晴らすべく、アルシオーネ狙撃事件と同様に教会の外からステンドグラス越しにケリーをかすめる狙撃を依頼する。少年は自らの命を報酬に、父親の無念を晴らしたのである。
丸腰の少年の眉間を射抜くという衝撃の問題作。自らの前に立ちはだかる者を容赦なく消し去るゴルゴであるが、本作でのゴルゴの行為には賛同しかねる、というのが率直な感想だ。少年の被っていたキャップに弾痕が空いているシーンの痛々しさは筆舌に尽くしがたい。
ゴルゴの情報を蓄積管理し、調査活動をする女性が存在することが判明する異色作でもある。作者の頭の中にあるという最終回は、この女性がゴルゴの過去エピソードを問わず語りしているのではないかと当研究所では推測している。つまりゴルゴ13シリーズは、この女性が記す”千夜一夜サーガ”であるという見立てだ。この女性と当研究所との関わりについては、発言を差し控えておこう・・・
ズキューン
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>丸腰の少年の眉間を射抜く
「自分に危害を及ぼす者は、例え子供でも容赦しない」という強い意思表示ではないでしょうか?この世界“ナメられたらお終い”ですから。ここで見逃したら、子供を利用して自分を操ろうとする人間が現れないとも限りませんし。それはそうと(私の記憶が正しければ)これまでゴルゴンを脅した“大人”は、問答無用で殺されていた様に思います。今回警告があったのは、相手が子供であることを考慮したのではないでしょうか?
>ゴルゴの情報を蓄積管理し、調査活動をする
賛美歌13番さんも、決してゴルゴンを脅そうなどとは考えないで下さいね。賛美歌13番さんがいなくなってしまったら・・・(涙)私は・・・
>女性と当研究所との関わり
あっ!危うく泣きそうになりましたが、もしかして↓
本日の一句「ゴルゴンと、賛美歌さんは、関係者?」
なんかゴルゴ13がテレビアニメになるらしいですよ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071225-00000003-maiall-ent
楽しみでもありますが、コミックの味がどの程度再現されるのか、不安でもあります。
>今回警告があったのは、相手が子供であることを考慮した
なるほど~。警告後も頑なにゴルゴにつっぱて見せるマードックJr.がけなげ痛々しい・・・
過労死寸前で踏みとどまっています・・・年内更新はムリそうです
貴重な情報ありがとうございます。
>楽しみでもあり、不安でもあります。
同感ですね。『QUEEN BEE』にはがっかりしましたから・・・
「ゴルゴが丸腰の少年を射殺する」というのは、確かにショッキングです。
ですが、ゴルゴは少年を殺す前に警告はしていたし、そもそも殺しを生業をしているのです。私はそもそもゴルゴは゛ヒーロー゛になり得る存在とは思っておりません。…その゛職業゛において……。
何十年も続いてきたシリーズですし、読者の中には、「理想のゴルゴ」が出来上がり、新しく読んだ作品の評価は、理想からの「減点評価」になってしまいます(私も007の映画を見続けてそうなりました)。
ただこの作品は、ゴルゴの協力者の女性のリアリティと、溌剌とした魅力、ストーリーそのものの面白さから、捨て置けない作品になっていると思うのですがいかがでしょうか?
確かに黒幕は少年でなくていいのです…。ただの゛冒頭の事件の被害者゛で成立する話なんです…。゛黒い通信゛の黒幕が少年である必要って無いんですが……決してつまらない話じゃないと思うんです…。「惜しい話」には値すると思うんですが…。
問題作ですね~(笑)
コメントを拝見して思いましたが、私はゴルゴにヒーロー性を求めてますね。職業=スナイパーなのですから、ヒーローでは無いはず・・・分ってはいるのですが・・・(苦笑)
>ゴルゴの協力者の女性のリアリティと、溌剌とした魅力
再登場を願いたいですね!
私も一言コメントを!(笑)
ゴルゴシリーズは、文学ジャンルで言うピカレスク・ロマン(悪漢小説)なのではないでしょうか?
ゴルゴは確かにヒーローには成り得ませんが、かと言って私利私欲で行動しているわけでも有りません!あくまでスナイパーという職(?)に対しての匠を突き詰めていると考えた方がイイと思います。これからも、匠の完成度を高めて欲しいと思います。
本エピソードでもあげられていますが、死にゆく者の依頼はゴルゴ100%引き受けて居ますねぇ!
この非常ななかにも、ヒューマンあふれるストーリー展開、脚本担当はながいみちのりです!
ピカレスクが時折見せる”情”に惚れますね。
>ヒューマンあふれるストーリー展開、脚本担当はながいみちのり
さすが脚本研究家!!
微妙なこと書き込んでしまってすみませんでした…。若輩者の私が訳知り顔でつらつらと……。
なんだかんだ言って私もどこかゴルゴの「ダーティヒーロー」的な部分に憧れてます…。自分勝手にゴルゴの理想像をつくりあげてたのは私自身ですね…。お酒飲みながら書き込んでたので…って言い訳、ゴルゴの前なら射殺されてますね(汗)。
恐縮なさらないで下さい。ゴルゴ像は十人十色ですから。私は読むときのテンションによって同じ作品でも評価がコロコロ変わります(苦笑)
時にはシビアに読み込み、時にはアクション小説として読み、時には成人劇画として読み、時にはギャグ漫画として読み・・・色々な見方、読み方ができるのがゴルゴ・シリーズの魅力ですから。
コメントを下さる方々も多様な意見を認めて下さる方ばかりです。新しい捉え方ができますので、これからもコメントをお願いします。ってもっと早くレスしろ!と突っ込まないで下さいね(苦笑)